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OMCE012
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https://onlinemathcontest.com/contests/omce012/tasks/9853
A
OMCE012(A)
300
117
181
[ { "content": " 素数 $p$ が $a-b$ および\r\n$$G = \\gcd \\left(\\displaystyle\\sum_{i=0}^{n} a^ib^{n-i}, (a-b)^{3} \\right)$$ \r\nを割り切るとする.$a$ と $b$ は互いに素なのでどちらも $p$ の倍数ではなく,また\r\n$$ 0 \\equiv \\displaystyle\\sum_{i=0}^{n} a^ib^{n-i} \\equiv (n+1) a^n \\pmod{p} $$\r\nより,$p$ は $n+1$ の素因数,すなわち $p \\in \\\\{ 3, 7, 11, 13, 37 \\\\}$ である.LTEの補題から,\r\n$$ v_p \\left( \\sum_{i=0}^{n} a^ib^{n-i} \\right) = v_p \\left( \\dfrac{a^{n+1}-b^{n+1}}{a-b} \\right) = v_p(a^{n+1}-b^{n+1})-v_p(a-b) = v_p(n+1) $$\r\nとなるので,\r\n$$v_p(G)= \\min \\left\\\\{v_p(n+1),3v_p(a-b)\\right\\\\}$$ \r\nとなる.$n+1=3^{30}\\cdot7^{10}\\cdot11^{10}\\cdot13^{10}\\cdot37^{10}$ より,$p$ としてありうるものそれぞれについて,$v_p(G)$ としてありうるものを考えると, \r\n- $p=7,11,13,37$ のとき,$v_p(n+1)=10$ なので,ありうる値は $0,3,6,9,10$ の $5$ 通り \r\n- $p=3$ のとき,$v_p(n+1)=30$ なので,ありうる値は $30$ 以下の $3$ の倍数なので $11$ 通り \r\n\r\n 素因数ごとに独立して $a,b$ を取ることができる(たとえば $a=3^r7^s11^t13^u37^v+1,b=1$ とする) ので,求める値は $5^4 \\times 11 = \\mathbf{6875}$ である.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omce012/editorial/9853" } ]
 $n=999999^{10}-1$ とします.互いに素な正整数 $a \gt b$ を用いて, $$\gcd \left(\displaystyle\sum_{i=0}^{n} a^ib^{n-i}, (a-b)^{3} \right)$$ と表すことのできる正整数はいくつありますか.
OMCE012
https://onlinemathcontest.com/contests/all?page=1
https://onlinemathcontest.com/contests/omce012/tasks/11868
B
OMCE012(B)
400
60
137
[ { "content": " $O$ を中心に反転すると,各球面 $S_m$ は $O$ を含まない平面へと移る.これらの平面によって分けられる各領域に含まれる $P_i$ が高々 $1$ つとなるようにするために必要な平面の個数の最小値が $f(P_1, P_2, \\ldots, P_{10000})$ である. \r\n- $f(P_1, P_2, \\ldots, P_{10000})$ の最大値 \r\n どのように $P_1, P_2, \\ldots, P_{10000}$ が配置されていても,平行な $9999$ 個の平面があれば分離できる.一方で,$P_1, P_2, \\ldots, P_{10000}$ がいずれもある直線 $l$ 上に存在するとき,$l$ と $P_i$ を含まない平面の交点は高々 $1$ 個なので,すべての点を分離するためには $9999$ 個の平面が必要な例となる.よって,最大値は $9999$ である.\r\n \r\n- $f(P_1, P_2, \\ldots, P_{10000})$ の最小値 \r\n 空間内の $n$ 個の平面によって分割される空間領域の数の最大値を $a_n$ とし,平面上の $n$ 本の直線によって分割される領域の数の最大値を $b_n$ とする.空間上に $n+1$ 個目の平面を新たに追加したときに最大で $b_n$ 個分の領域が増える.したがって $a_{n+1} = a_n + b_n$ となり,$b_n = \\dfrac{n(n+1)}{2}+1,a_1=2$ であるから,\r\n$$\r\na_n = \\sum_{k=1}^{n-1} \\bigg(\\frac{k(k+1)}{2}+1\\bigg)+2=\\dfrac{n^3+5n+6}{6}\r\n$$ \r\nとなる.$a_{39} = 9920 \\lt 10000 \\lt 10701 = a_{40}$ なので,少なくとも $40$ 個の平面が必要である.また,確かにこのような $P_1, P_2, \\ldots, P_{10000}$ の配置は存在する.\r\n\r\n 以上より,最大値と最小値の和は $9999 + 40 = \\mathbf{10039}$ である.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omce012/editorial/11868" } ]
 点 $O$ を含む空間内に $10000$ 個の相異なる $O$ でない点 $P_1,\ldots,P_{10000}$ をとると,$O$ を通る $n$ 個の球面 $S_1,\ldots,S_n$ が以下をともに満たしました. - $n$ 個のどの球面上にも $P_1, P_2, \ldots, P_{10000}$ は存在しない. - 任意の $1$ 以上 $10000$ 以下の異なる $2$ 整数 $i,j$ に対して,ある $1$ 以上 $n$ 以下の整数 $m$ が存在し,$P_i$ と $P_j$ のうちちょうど一方が $S_m$ の内側,もう一方が $S_m$ の外側に存在する. $P_1, P_2, \ldots, P_{10000}$ の配置ごとに $n$ の最小値が定まるので,これを $f(P_1, P_2, \ldots, P_{10000})$ とおきます.$P_1, P_2, \ldots, P_{10000}$ の配置を動かすとき,$f(P_1, P_2, \ldots, P_{10000})$ の最大値と最小値の和を求めてください.
OMCE012
https://onlinemathcontest.com/contests/all?page=1
https://onlinemathcontest.com/contests/omce012/tasks/8688
C
OMCE012(C)
400
86
121
[ { "content": " 一般に $1111$ を整数 $n\\geq 2$ におきかえ,$S$ にあたるものを $S(n)$ とおく.正整数 $k \\le n$ について,\r\n$$ \\min_{1 \\le i \\le n-1} \\max_{} (p_i, p_{i+1}) \\ge k \\tag{☆}$$\r\nをみたす並べ替えの個数を $h(n, k)$ とするとき,\r\n$$S(n) = \\sum_{k=1}^n h(n, k)$$\r\nとなる.ここで条件 (☆) は,「$\\\\{ 1, 2, \\ldots, k-1 \\\\}$ の元どうしが隣接しない」と言いかえられるので,$2k \\le n+3$ のとき\r\n$$ h(n, k) = \\binom{n-k+2}{k-1} \\cdot (k-1)! \\cdot (n-k+1)! = \\frac{(n-k+2)! \\cdot (n-k+1)!}{(n-2k+3)!} $$\r\nであり,$2k \\ge n+4$ のとき $h(n, k) = 0$ である.したがって,\r\n$$ S(n) = \\sum_{k=1}^{\\lfloor \\frac{n+3}{2} \\rfloor} \\frac{(n-k+2)! \\cdot (n-k+1)!}{(n-2k+3)!} = \\sum_{l=0}^{\\lfloor \\frac{n+1}{2} \\rfloor} \\frac{(n-l+1)! \\cdot (n-l)!}{(n-2l+1)!} $$\r\nとわかる.さて,\r\n$$ S(1111) = \\sum_{l=0}^{556} \\frac{(1112-l)!}{(1112-2l)!} \\cdot (1111-l)! $$\r\nの各項について,$l \\le 555$ の場合は $557!$ で割り切れ,$l = 556$ の場合は $557!$ で割り切れずかつ $556!$ で割り切れることが確認できるため,求める値は $\\mathbf{556}$ である.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omce012/editorial/8688" } ]
 $1111!$ 個の $(1, 2, \ldots, 1111)$ の並べ替え $(p_1, p_2, \ldots, p_{1111})$ すべてについて, $$\displaystyle \min_{1 \le i \le 1110} \max\\{p_i, p_{i+1}\\}$$ を足し合わせたものを $S$ とします.このとき,$k!$ が $S$ を割りきるような最大の正整数 $k$ を求めてください.\  ただし,実数 $a, b$ について $\max \\{ a, b \\}$ で $a, b$ の最大値を表し,実数 $a_1, a_2, \ldots, a_{1110}$ について $\displaystyle \min_{1 \le i \le 1110} a_i$ で $a_1, a_2, \ldots, a_{1110}$ の最小値を表します.
OMCE012
https://onlinemathcontest.com/contests/all?page=1
https://onlinemathcontest.com/contests/omce012/tasks/12137
D
OMCE012(D)
600
33
74
[ { "content": " $2a-1$ は奇数なので $d(ab(ab+4a+1))$ も奇数,つまり $ab(ab+4a+1)$ は平方数である.\r\n$$(ab)^2\\lt ab(ab+4a+1)\\lt (ab+2a+1)^2$$\r\nより,$0\\leq k\\leq 2a-1$ なる整数 $k$ を用いて\r\n$$ab(ab+4a+1)=(ab+2a-k)^2$$\r\nと表せる.これを $b$ について整理すると\r\n$$b=\\frac{(2a-k)^2}{(2k+1)a}$$\r\nとなり\r\n$$\\frac{(2a-k)^2}{a}=4a-4k+\\dfrac{k^2}{a}$$\r\nは整数なので $\\dfrac{k^2}{a}$ も整数となる.ここで,$d(a)=4$ より $a$ は $p\\lt q$ なる素数 $p, q$ を用いて $a=p^3$ または $a=pq$ と書ける.これらを場合分けして考えよう.\r\n- $a=p^3$ のとき,$\\dfrac{k^2}{a}$ は整数なので $0\\leq m\\leq 2p-1$ なる整数 $m$ を用いて $k=mp^2$ と書ける.すると,\r\n$$b=\\frac{p(2p-m)^2}{2mp^2+1}$$\r\nであり,$p$ と $2mp^2+1$ は互いに素なので $\\dfrac{(2p-m)^2}{2mp^2+1}$ は整数となる.$m\\geq 2$ のとき\r\n$$0\\lt \\frac{(2p-m)^2}{2mp^2+1}\\leq \\frac{4p^2}{2mp^2+1}\\lt 1$$\r\nより不適.$m=1$ のとき\r\n$$\\frac{(2p-m)^2}{2mp^2+1}=2-\\frac{4p+1}{2p^2+1}$$\r\nが整数となるが $p\\geq 2$ より\r\n$$0\\lt \\frac{4p+1}{2p^2+1}=1-\\frac{2p(p-2)}{2p^2+1}\\leq 1$$\r\nなので $\\dfrac{4p+1}{2p^2+1}=1$ つまり $p=2$ となり,問題の条件をみたす組として $(a, b) = (8, 2)$ を得る.$m=0$ のとき $(a, b)=(p^3, 4p^3)$ であるが,\r\n$$\\frac{2a-1}{d(ab(ab+4a+1))}=\\frac{2p^3-1}{21d(4p^6+4p^3+1)}$$\r\nより $\\dfrac{2p^3-1}{7}$ が整数となる.これは $p^3\\equiv 0, 1, 6\\pmod 7$ より矛盾する. \r\n 以上より,$a=p^3$ のとき題意を満たすのは $(a, b)=(8, 2)$ のみである. \r\n\r\n- $a=pq$ $(p\\lt q)$ のとき,$\\dfrac{k^2}{a}$ は整数なので $k$ は $a$ の倍数であり,$0\\leq k\\leq 2a-1$ より $k=0, a$ である.$k=a$ のとき,\r\n$$b=\\frac{a}{2a+1} \\lt 1$$\r\nより不適である.$k=0$ のときは $(a, b)=(pq, 4pq)$ であり,$2a$ と $2a+1$ は互いに素であるから\r\n$$d(ab(ab+4a+1))=d(4p^2q^2)d((2pq+1)^2)$$ \r\nを得る.以下 $p$ の値で場合分けをする.\r\n\r\n - $p=2$ のとき \r\n $$\\frac{2a-1}{d(ab(ab+4a+1))}=\\frac{4q-1}{15d((4q+1)^2)}$$\r\n より $q\\equiv 4\\pmod {15}$ であり,これと $q\\geq 3$ から $q\\equiv 19\\pmod {30}$ である.$1500\\geq b=4a=8q$ より $q=19, 79, 109, 139$ のいずれかであり,実際に調べ上げると $p=2$ のとき $(a, b)=(158, 632)$ のみが条件を満たすことがわかる. \r\n\r\n - $p\\geq 3$ のとき \r\n $$\\frac{2a-1}{d(ab(ab+4a+1))}=\\frac{2pq-1}{27d((2pq+1)^2)}$$\r\n より $pq\\equiv 14\\pmod {27}$ であり,これと $p, q\\geq 3$ から $pq\\equiv 41\\pmod {54}$ である.$1500\\geq 4pq$ より $pq=95, 203, 365$ のいずれかであり,実際に調べ上げると $p\\geq 3$ のとき $(a, b)=(365, 1460)$ のみが条件を満たすことがわかる. \r\n\r\n したがって,題意を満たすのは $(a, b)=(8, 2), (158, 632), (365, 1460)$ のみなので,解答すべき値は\r\n$$(8+2)+(158+632)+(365+1460)=\\mathbf{2625}$$\r\nである.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omce012/editorial/12137" }, { "content": " 条件より $d(ab(ab+4a+1))$ は奇数で,$ab(ab+4a+1)$ は平方数である.\\\r\n $d(a)=4$ より $a=p^3,pq$ のいずれかの形で書ける($p,q$ は相異なる素数).以下,場合分けしていこう.\r\n\r\n---\r\n\r\n$(\\mathrm{i})$ $a=p^3$ のとき\\\r\n $a$ と $ab+4a+1$ は互いに素なので,$ab(ab+4a+1)$ が平方数であることから $b=px$ となる正整数 $x$ が存在することが必要条件である.\\\r\n このとき\r\n$$ab(ab+4a+1)=p^4x(p^4x+4p^3+1)=p^4(p^4x^2+4p^3x+x)$$\r\n であり,$p^4x^2+4p^3x+x$ が平方数である.\r\n\r\n- $(p^2x+2p+1)^2 \\gt p^4x^2+2(2p+1)p^2x \\gt p^4x^2+4p^3x+x$\r\n- $(p^2x+2p-2)^2=p^4x^2+4p^3x+4p^2(1-x)+4-8p \\lt p^4+4p^3x$\r\n\r\n を用いれば,$p^4x^2+4p^3x+x$ は $(p^2x+2p)^2$ または $(p^2x+2p-1)^2$ のいずれかにしかなり得ない.\\\r\n 前者の場合 $x=4p^2$ を,後者の場合 $x=\\dfrac{(2p-1)^2}{2p^2+1}$ を得る.\\\r\n 前者の場合 $(a,b)=(p^3,4p^3)$ である.条件 $b \\leq 1500$ より $p=2,3,5,7$ を順次当てはめていけば,適するものは存在しない.\\\r\n 次に後者の場合 $x=2-\\dfrac{4p+1}{2p^2+1}$ であり,$x$ は正整数なので $x=1,p=2$ のみ適する.このとき $(a,b)=(8,2)$ となり,確かめれば条件を満たす.\r\n \r\n---\r\n\r\n$(\\mathrm{ii})$ $a=pq$ のとき\\\r\n 場合分け $(\\mathrm{i})$ の場合と同様に考えよう.$ab(ab+4a+1)$ が平方数であるための必要条件として $b=pqx$ となる正整数 $x$ が存在する.\\\r\n このとき\r\n$$ab(ab+4a+1)=p^2q^2x(p^2q^2x+4pq+1)=p^2q^2(p^2q^2x^2+4pqx+x)$$\r\n であり,$p^2q^2x^2+4pqx+x$ が平方数である.これが $(pqx+2)^2$ に一致するとき $x=4$ であり,それ以外の場合に一致しないことは$(\\mathrm{i})$ と同様に不等式評価で確かめられる.\\\r\n ここで条件をまとめると\r\n\r\n- $pq \\leq 375$\r\n- $d(4p^2q^2(2pq+1)^2)$ が $2pq-1$ を割り切る\r\n\r\n $q=2$ か否かで場合分けするのは自然な発想だろう.\r\n\r\n$(\\mathrm{ii}-1)$ $a=2p$ のとき\\\r\n $d(16p^2(4p+1)^2)$ が $4p-1$ を割り切ればよい.\\\r\n $d(16p^2(4p+1)^2)$ は明らかに $15$ で割り切れるので,$4p-1$ も $15$ の倍数である.$p$ が奇数であることも合わせれば,$p=30k+19$ となる素数を調べればよい.実際に $p=19,79, 109, 139$ について確かめて $p=79$ でのみ適することが分かる.このとき $(a,b)=(158,632)$ である.\r\n\r\n$(\\mathrm{ii}-2)$ $p,q$ ともに奇素数であるとき \\\r\n $d(4p^2q^2(2pq+1)^2)$ が $2pq-1$ を割り切ればよい.\\\r\n $d(4p^2q^2(2pq+1)^2)$ は明らかに $27$ で割り切れるので,$2pq-1$ も $27$ の倍数である.$p,q$ が奇数であることも合わせれば,$pq=54k+41$ となる半素数を調べればよい.実際に $pq=95,203,365$ について確かめて $p=365$ でのみ適することが分かる.このとき $(a,b)=(365,1460)$ である.", "text": "公式解説の k を用いない方針", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omce012/editorial/12137/788" } ]
 正の整数 $n$ の正の約数の個数を $d(n)$ で表します.$2$ つの $1500$ 以下の正の整数の組 $(a, b)$ であって,以下の条件を満たすものすべてについて,$a+b$ の総和を答えてください. - $d(a)=4$ - $d(a^2b^2+4a^2b+ab)$ は $2a-1$ を割り切る
OMCE012
https://onlinemathcontest.com/contests/all?page=1
https://onlinemathcontest.com/contests/omce012/tasks/7410
E
OMCE012(E)
600
14
35
[ { "content": " 三角形 $ABC$ の外接円と三角形 $DEF$ の外接円,つまり三角形 $ABC$ の九点円との根軸を $l$ とすると\r\n$$AP\\cdot BP=DP\\cdot EP, \\quad AQ\\cdot CQ=DQ\\cdot FQ$$\r\nより $P,Q$ はどちらも $l$ 上にあるので,$l$ は直線 $PQ$ と一致する.よって,三角形 $ABC$ の九点円の中心を $N$ とすると $N$ は 線分 $OH$ の中点であることから $PQ\\perp OH$ なので,$l \\parallel HM$ とあわせて $\\angle OHM=90^\\circ$ がわかる.\\\r\n 正弦定理より $\\sin \\angle BAC=\\dfrac{DE}{AH}=\\dfrac{4}{5}$ なので,$\\triangle AHE\\sim \\triangle BCE$ から \r\n$$BC = AH \\cdot \\tan \\angle BAC=\\dfrac{100}{3}$$\r\nがわかる.これと $OM=\\dfrac{AH}{2}=\\dfrac{25}{2}$ から $OA=\\sqrt{OM^2+BM^2}=\\dfrac{125}{6}$ なので\r\n$$(\\overrightarrow{AO}-\\overrightarrow{AH})\\cdot (2\\overrightarrow{AO}-\\overrightarrow{AH})=0$$\r\nより $OH=|\\overrightarrow{AO}-\\overrightarrow{AH}|=\\dfrac{25\\sqrt{33}}{18}$ となる.$R$ は $l$ 上にあるので,三角形 $ABC$ の外接円についての方べきと三角形 $ABC$ の九点円についての方べきが等しい,つまり\r\n$$OR^2-OA^2=ON^2-DN^2= \\left(OR-\\frac{OH}{2} \\right)^2- \\left(\\frac{OA}{2} \\right)^2$$\r\nが成り立つので,これより $OR^2 = \\dfrac{2175625}{1188}$ と求まる.したがって,解答すべき値は $\\mathbf{2176813}$ である.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omce012/editorial/7410" }, { "content": " 解説 $1$ 行目の,外接円と九点円の根軸は垂軸 (orthic axis) と呼ばれます.垂軸は垂心の外接円での極線です.", "text": "垂軸", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omce012/editorial/7410/794" } ]
 どの $2$ 辺の長さも等しくない鋭角三角形 $ABC$ の外心,垂心をそれぞれ $O, H$ とし,辺 $BC$ の中点を $M$ とします.$A, B, C$ から対辺に下ろした垂線の足をそれぞれ $D, E, F$ とし,直線 $DE$ と直線 $AB$ の交点を $P$,直線 $DF$ と直線 $AC$ の交点を $Q$ とすると, $$ EF = 20, \quad AH = 25, \quad PQ \parallel HM $$ が成り立ちました.直線 $PQ$ と直線 $OH$ との交点を $R$ するとき,線分 $OR$ の長さの $2$ 乗は互いに素な正整数 $a,b$ を用いて $\dfrac{a}{b}$ と表されるので,$a+b$ の値を解答してください.
OMCE012
https://onlinemathcontest.com/contests/all?page=1
https://onlinemathcontest.com/contests/omce012/tasks/11840
F
OMCE012(F)
700
11
38
[ { "content": " $N = 15012, ~ f(x)=x^4-5x^3-20x+16$ とおく.\r\n$$\r\n\\begin{aligned}\r\n\\sum_{k=1}^{4N} \\sum_{l=0}^{k-1} 2^{k+l}a_ka_l &= \\frac{1}{2}\\Bigg(\\bigg(\\sum_{k=0}^{4N} 2^ka_k\\bigg)^2-\\sum_{k=0}^{4N} (2^ka_k)^2\\Bigg)\\\\\\\\\r\n&= \\frac{1}{2}\\bigg(f(2)^{2N}-\\sum_{k=0}^{4N} 4^ka_k^2\\bigg)\\\\\\\\\r\n&= \\frac{1}{2}\\bigg((-48)^{2N}-\\sum_{k=0}^{4N} 4^ka_k^2\\bigg)\r\n\\end{aligned}\r\n$$\r\nとなる.いま,$f(x) = \\dfrac{x^4}{4^2} f\\bigg(\\dfrac{4}{x}\\bigg)$ であるので,\r\n$$\r\n\\begin{aligned}\r\n\\sum_{k=0}^{4N}a_kx^k &= f(x)^{N} = \\frac{x^{4N}}{4^{2N}}f\\bigg(\\dfrac{4}{x}\\bigg)^{N}\\\\\\\\\r\n&= \\frac{x^{4N}}{4^{2N}} \\bigg(\\sum_{k=0}^{4N}4^k a_kx^{-k}\\bigg) \\\\\\\\\r\n&= \\sum_{k=0}^{4N}4^{k-2N}a_kx^{4N-k} \\\\\\\\\r\n&= \\sum_{k=0}^{4N}4^{2N-k}a_{4N-k}x^k\r\n\\end{aligned}\r\n$$\r\nとなるから,$a_{k}=4^{2N-k}a_{4N-k}$ が成立する.これにより,\r\n$$\r\n\\sum_{k=0}^{4N} 4^ka_k^2 = 4^{2N}\\sum_{k=0}^{4N} a_ka_{4N-k}\r\n$$\r\nが得られる.$g(x) = \\dfrac{f(x)}{x^2}$ とおき,$h(x)=(g(x))^N=\\displaystyle\\sum_{k=0}^{4N}a_kx^{k-2N}$ とおく.$h(x)^2$ の定数項に注目すると,これは $\\displaystyle\\sum_{k=0}^{4N} a_ka_{4N-k}$ と一致する.一方で,$h(x)$ の定数項を $p=10007$ で割った余りは,フェルマーの小定理や多項定理を用いて以下のように計算できる.\r\n$$\r\n\\begin{aligned}\r\n[x^0]h(x)^2 &= [x^0]g(x)^{2N}\\\\\\\\\r\n&=[x^0]\\bigg(x^2+\\frac{16}{x^2}-\\bigg(5x+\\frac{20}{x}\\bigg)\\bigg)^{3p + 3}\\\\\\\\\r\n&\\equiv [x^0]\\bigg(x^{2p}+\\frac{16}{x^{2p}}-\\bigg(5x^p+\\frac{20}{x^p}\\bigg)\\bigg)^{3}\\bigg(x^2+\\frac{16}{x^2}-\\bigg(5x+\\frac{20}{x}\\bigg)\\bigg)^{3} \\\\\\\\\r\n&\\equiv g(x^p)^3 g(x)^3 \\pmod{p}\\\\\\\\\r\n\\end{aligned}\r\n$$\r\nここで,$g(x^p)^3$ と $g(x)^3$ の定数項は一致し,\r\n$$\r\n[x^0]g(x)^3 = [x^0]\\bigg(x^2+\\dfrac{16}{x^2}-\\bigg(5x+\\dfrac{20}{x}\\bigg)\\bigg)^{3} = 3\\cdot 16 \\cdot (-5)^2 + 3\\cdot 1 \\cdot (-20)^2 = 2400\r\n$$\r\nと等しい.また,$g(x^p)^3$ の定数項でない部分の次数はすべて $p$ の倍数となるため,$h(x)^2$ の定数項は両者の定数項を掛け合わせたものであり,\r\n$$\r\n[x^0]h(x)^2 \\equiv 2400^2 \\equiv 5975 \\pmod{p}\r\n$$\r\nを得る.以上を代入することで,\r\n$$\r\n\\begin{aligned}\r\n\\sum_{k=1}^{4N} \\sum_{l=0}^{k-1} 2^{k+l}a_ka_l &= \\frac{1}{2}\\bigg((-48)^{2N}-\\sum_{k=0}^{4N} 4^ka_k^2\\bigg)\\\\\\\\\r\n&\\equiv \\frac{1}{2}\\bigg((-48)^{2N}-4^{2N} \\cdot 5975\\bigg) \\\\\\\\\r\n&\\equiv 5004 \\cdot (48^6-4^6\\cdot 5975) \\\\\\\\\r\n&\\equiv \\mathbf{9286}\\pmod{p}\r\n\\end{aligned}\r\n$$\r\nとなる.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omce012/editorial/11840" } ]
 $0$ 以上の整数 $n$ について,$(x^4-5x^3-20x+16)^{15012}$ の $x^n$ の係数を $a_n$ とします(ただし $a_0$ は定数項とします).このとき, $$ \sum_{k=1}^{60048} \sum_{l=0}^{k-1} 2^{k+l}a_ka_l $$ を素数 $10007$ で割った余りを求めてください.
OMCB034
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A
OMCB034(A)
100
199
277
[ { "content": " $x=-a+b+c, ~ y=a-b+c, ~ z=a+b-c$ とおくと $x,y,z$ は偶奇が一致し,与式より特に全て正の偶数である.逆に $xyz=2^{100}$ を満たす正の偶数の組 $(x,y,z)$ に対して\r\n$$(a,b,c)=\\Big( \\frac{y+z}{2},\\frac{z+x}{2},\\frac{x+y}{2}\\Big)$$\r\nは与式を満たす.よって求める組の個数は ${}\\_{99}\\mathrm{C}\\_{2}=\\mathbf{4851}$ である.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omcb034/editorial/11848" } ]
 次の式を満たす正の整数の組 $(a,b,c)$ はいくつありますか? $$(-a+b+c)(a-b+c)(a+b-c)=2^{100}$$
OMCB034
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B
OMCB034(B)
200
255
284
[ { "content": " $1234_{(n)} \\lt 1331_{(n)}$ より,$n^3 \\lt 1234_{(n)} \\lt (n+1)^3$ .\\\r\n 従って,$n+1=3^7$ のときが求めるべき $n$ である.よって,$n=3^7-1=\\mathbf{2186}$.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omcb034/editorial/10441" } ]
 $n$ を $5$ 以上の整数とします.次の不等式をみたす最大の $n$ を求めてください $$1234_{(n)} \lt 3^{21}$$ なお,$1234_{(n)}$ は $n$ 進法表記を意味し,右辺は $10$ 進法で書かれています.
OMCB034
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https://onlinemathcontest.com/contests/omcb034/tasks/10322
C
OMCB034(C)
200
204
241
[ { "content": " $AB \\parallel DC$ と $\\angle{ABE} = \\angle{EBC}$ から $\\angle{EBC} = \\angle{CEB}$ がわかり,$BC = CE = AE$ となるから,四角形 $ABCE$ は等脚台形であり,$A,B,C,E$ は共円である.\\\r\n $\\angle DAE = 4\\theta$ とおくと,\r\n$$ 180^\\circ = \\angle BAE + \\angle BCD = 2 \\angle BCD - 4\\theta $$\r\nより $\\angle BCD = 90^\\circ + 2\\theta$ を得る.すると $\\angle BAE = 90^\\circ - 2\\theta$ と $\\angle ABE = 45^\\circ - \\theta$ がわかるため,$\\angle BEA = 45^\\circ + 3\\theta$ である.問題の条件よりこれは $4\\angle DAE = 16\\theta$ に等しいので,$\\theta = \\left( \\dfrac{45}{13} \\right)^\\circ$ を得る.よって,\r\n$$ \\angle ABC = 90^\\circ - 2\\theta = \\left( \\dfrac{1080}{13} \\right)^\\circ $$\r\nなので,解答すべき値は $\\mathbf{1093}$ である.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omcb034/editorial/10322" }, { "content": " $\\angle{DAE} = \\theta$ とおく.このとき $\\angle{BEA} = 4\\theta$ であり,$AD \\lvert\\rvert BC$ より $\\angle{EBC} = 3\\theta$ を得る.公式解説と同様にして四角形 $ABCE$ が等脚台形であることがわかるので,特に $\\angle{ABC} = \\angle{BAE} = 6\\theta$ であり,$\\angle{BAD} = \\angle{BAE} + \\angle{DAE} = 7\\theta$ である.\\\r\n $\\angle{ABC} + \\angle{BAD} = 180^{\\circ}$ であるから,$\\theta = \\biggr(\\cfrac{180}{13}\\biggl)^{\\circ}$ を得る.よって,$\\angle{ABC} = 6\\theta = \\biggr(\\cfrac{1080}{13}\\biggl)^{\\circ}$ である.", "text": "別解", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omcb034/editorial/10322/783" } ]
 $AB \gt BC$ かつ $\angle{ABC} \lt 90^\circ$ なる平行四辺形 $ABCD$ において,$\angle{ABC}$ の内角の二等分線と辺 $CD$ が点 $E$ で交わり,次が成立しました. $$AE = CE,\angle{AEB} = 4\angle{DAE}$$ このとき,$\angle{ABC}$ の大きさは互いに素な正整数 $a,b$ を用いて $\Bigl(\dfrac{a}{b}\Bigr)^\circ$ と表せるので,$a + b$ の値を解答してください.
OMCB034
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D
OMCB034(D)
300
74
139
[ { "content": " 箱を $1$ つ選んで $A$ とする.問題の条件を満たす玉の入れ方のうち,$A$ に赤玉を入れるものの総数を $M^{\\prime}$ とする. $M=3M^{\\prime}$ である.\\\r\n 反時計回りに見て,色の変化は「赤→青→白→赤→ $\\cdots$ 」の順にしか起こり得ない.したがって,隣りあう箱の組それぞれについて色が変化するかしないかを指定すれば,それを満たす玉の入れ方は高々 $1$ つに定まる.指定した変化をする玉の入れ方が存在するためには,$A$ から一周して $A$ に戻ってきたときに赤色であること,すなわち変化の回数が $3$ の倍数であることが必要十分である.したがって $M^{\\prime}$ は,異なる $2000$ 個のものから $3$ の倍数個のものを選ぶ選び方の総数に等しい.すなわち\r\n$$M^{\\prime} = {}\\_{2000}\\mathrm{C}\\_{0} + {}\\_{2000}\\mathrm{C}\\_{3} + \\cdots + {}\\_{2000}\\mathrm{C}\\_{1998}$$\r\nである.ここで \r\n$$f(x) = (1+x)^{2000} = {}\\_{2000}\\mathrm{C}\\_{0} + {}\\_{2000}\\mathrm{C}\\_{1} x + \\cdots +{}\\_{2000}\\mathrm{C}\\_{2000} x^{2000}$$\r\nとおく.$M^{\\prime}$ は,$f(x)$ における次数が $3$ の倍数である項の係数の総和に等しい.したがって,$\\omega$ を $1$ の $3$ 乗根のうち $1$ でないものの $1$ つとしたとき\r\n$$M^{\\prime} = \\frac {f(1) + f(\\omega) + f(\\omega^2)}{3}$$\r\nが成り立つ.\r\n$f(1) = 2^{2000}$ であり,\r\n$$f(\\omega) = (1 + \\omega)^{2000} = (- \\omega^2)^{2000} = \\omega,$$\r\n$$f(\\omega^2) = (1 + \\omega^2)^{2000} = (- \\omega)^{2000} = \\omega^2$$\r\nである.よって\r\n$$M^{\\prime} = \\frac {2^{2000} + \\omega + \\omega^2}3 = \\frac {2^{2000}-1}3$$\r\nであり,$M = 3M^{\\prime} = 2^{2000}-1$ である.\r\nフェルマーの小定理より\r\n$$2^{2000}-1 \\equiv \\dfrac{1}{4}-1 =\\dfrac{2003+1}{4}-1 =500 \\ (\\mathrm{mod} \\ 2003)$$\r\nであるので,求める値は $\\mathbf {500}$ である.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omcb034/editorial/11960" } ]
 $2000$ 個の箱が円形に並んでいます. 各箱に赤玉,青玉,白玉のうちいずれか $1$ つを入れる方法であって,反時計回りに見たときに - 赤玉が入っている箱の次の箱には赤玉か青玉が入っている - 青玉が入っている箱の次の箱には青玉か白玉が入っている - 白玉が入っている箱の次の箱には白玉か赤玉が入っている を満たすものの総数を $M$ とします.ただし,回転,反転して一致する入れ方も区別します.$M$ を素数 $2003$ で割った余りを求めてください.
OMCB034
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E
OMCB034(E)
300
63
92
[ { "content": " $n \\geq 1$ に対して,\r\n\r\n$$a_{n+1} + 2b_{n+1} = {a_n}^2 + 4{b_n}^2 + 4a_n b_n = (a_n + 2b_n)^2$$\r\n\r\n及び\r\n\r\n$$a_{n+1} - b_{n+1} = {a_n}^2 + {b_n}^2 - 2a_n b_n = (a_n - b_n)^2$$\r\n\r\nが分かる.これより,$a_1 + 2b_1 = 7, \\ a_1 - b_1 = 1$ と合わせて,$a_{100} + 2b_{100} = 7^{2^{99}}, \\ a_{100} - b_{100} = 1^{2^{99}} = 1$ であるから,$b_{100} = \\dfrac{7^{2^{99}} - 1}{3}$ が従う.後は,これを素数 $1021$ で割った余りを求めればよい.フェルマーの小定理より,$2^{99}$ を $1020$ で割った余りを $A$ とすると,求めるべきは $\\dfrac{7^{A} - 1}{3}$ を $1021$ で割った余りとなる.そこで,$A$ を求めることを考える.\\\r\n$$2^{99} \\equiv 1024^{9} \\times 2^{9} \\equiv 4^{9} \\times 2^{9} \\equiv 1024^{2} \\times 2^{7} \\equiv 4^{2} \\times 2^{7} \\equiv 8 \\ (\\textrm{mod} \\ 1020)$$\r\nより,$A = 8$ と分かる.よって,答えは $\\dfrac{7^{8} - 1}{3} = 1921600$ を $1021$ で割った余りであり,それは $\\mathbf{78}$ である.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omcb034/editorial/11929" }, { "content": " 解説のような $b_n$ の求め方はとても美しいのですが,私にはどうしても思いつかない変形だったので別の求め方を考えてみました.\r\n\r\n よくある隣接二項間の漸化式 $p_{n+1}=sp_n+t$ の一般項を求める問題は,\r\n$$p_{n+1}-\\alpha=s(p_n-\\alpha)$$\r\nなる $\\alpha$ を見つけて等比数列を考える問題に帰着されます(この $\\alpha$ を見つける操作が特性方程式を解くということでした).本問も同じような $\\alpha$ を見つけることができないでしょうか?両辺の次数がずれているので,今回は\r\n$$b_{n+1} -\\beta= 3 ( b_n - \\beta )^2$$\r\nとなる $\\beta$ が存在してくれると嬉しいなと感じます.そこで,上の式を解いてみると $\\beta = - \\dfrac{1}{3}$ が都合よく見つかります.これを踏まえて解答を作ってみましょう.\r\n \r\n___\r\n $a_n=b_n+1$ であるからこれを漸化式に代入することで\r\n$$b_{n+1}=3{b_n}^2+2b_n$$\r\nを得る.両辺に $\\dfrac{1}{3}$ を加えてから因数分解することで,\r\n$$b_{n+1}+\\frac{1}{3}=3\\left( b_n+\\frac{1}{3}\\right)^2$$\r\nが成り立つことから,以下のような計算が可能である.\r\n$$\r\n\\begin{aligned}\r\nb_{100}+\\frac{1}{3}\r\n&= 3\\left( b_{99}+\\frac{1}{3}\\right)^2\\\\\\\\\r\n&= 3 \\cdot \\left( 3\\left( b_{98}+\\frac{1}{3}\\right)^2 \\right)^2\\\\\\\\\r\n&= 3 \\cdot 3^2\\left( b_{98}+\\frac{1}{3}\\right)^{2^2}\\\\\\\\\r\n&=\\cdots\\\\\\\\\r\n&= 3 \\cdot 3^2 \\cdot \\ \\cdots \\ \\cdot 3^{2^{98}} \\left( b_{1}+\\frac{1}{3}\\right)^{2^{99}}\\\\\\\\\r\n&= 3^{2^{99}-1} \\left( 2+\\frac{1}{3}\\right)^{2^{99}}\\\\\\\\\r\n&=\\frac{7^{2^{99}}}{3}\r\n\\end{aligned}\r\n$$\r\nよって,\r\n$$b_{100}=\\frac{7^{2^{99}}-1}{3}$$\r\nである.", "text": "b_nの別の求め方", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omcb034/editorial/11929/785" } ]
 整数列 $\lbrace a_n \rbrace, \ \lbrace b_n \rbrace$ が以下の漸化式を満たしています. - $a_1 = 3, \ b_1 = 2$ - $a_{n+1} = a_n^2 + 2b_n^2 \quad (n \geq 1)$ - $b_{n+1} = b_n^2 + 2a_n b_n \quad (n \geq 1)$   このとき,$b_{100}$ の値を素数 $1021$ で割った余りを解答してください.
OMCB034
https://onlinemathcontest.com/contests/all?page=1
https://onlinemathcontest.com/contests/omcb034/tasks/7534
F
OMCB034(F)
400
33
64
[ { "content": " $\\gamma$ と辺 $BC$ の接点を $D$ とし,直線 $AD$ と $\\Omega$ の交点のうち $A$ でない方を $E$ とおくと次が成り立つ.\r\n$$BE=CE$$\r\n<details><summary> 証明<\\/summary>\r\n $\\gamma$ と $\\Omega$ は点 $A$ を中心に相似なので $D$ における $\\gamma$ の接線,すなわち直線 $BC$ と $E$ における $\\Omega$ の接線は平行である.したがって $BE=CE$ が成り立つ.$\\square$\r\n<\\/details>\r\n特にこの長さは三角形 $ABC$ の内心 $I$ と $E$ の距離 $EI$ に等しい.\r\n<details><summary> 証明<\\/summary>\r\n $360^\\circ-\\angle BEC=180^\\circ+\\angle BAC=2\\angle BIC$ より $E$ は三角形 $BIC$ の外心である.よって示された.$\\square$\r\n<\\/details>\r\n円周角の定理より $\\angle BAE=\\angle DBE$ がしたがうので三角形 $BAE$ と三角形 $DBE$ は相似である.よって\r\n$$EI^2=EB^2=ED\\times EA$$\r\nである.ここで問題文の条件より $\\Omega$ と $\\gamma$ の相似比が $121:21$ であるので,$AD:AE=21:121$ が成り立つ.よって先ほどの等式と合わせて,\r\n$$ED:EA:EI=100:121:110$$\r\nであり,特に $DI:DE=1:10$ である.この比は三角形 $ABC$ の内接円の半径と,$E$ と直線 $BC$ の距離の比に等しい.したがって三角形 $ABC$ の内接円の半径を $r$ とすると\r\n$$1:10=r:121\\times\\frac{3}{2}$$\r\nこれを解いて $r=\\dfrac{363}{20}$ を得るので,特に解答すべき値は $\\mathbf{383}$ である.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omcb034/editorial/7534" }, { "content": " 三角形 $ABC$ の面積を $S$,内接円の半径を $r$ とし,$BC=a, CA=b, AB=c$ とおく.\r\n\r\n---\r\n\r\n方針:\r\n\r\n- $\\displaystyle S= \\frac{r}{2} (a+b+c)$ を用いて $r$ を求めたい.\r\n\r\n- $a$ はすぐわかる(下記参照)ので,$b+c$ や $bc$ を求めれば良さそう.\r\n\r\n- 余弦定理によって,$b+c$ と $bc$ の関係式が1つ得られる.\r\n\r\n- $\\displaystyle S=\\frac 12 bc \\sin 120^{\\circ}$ より,三角形 $ABC$ の面積が求まれば $bc$ も求まる.\r\n\r\n- $BC$ は分かっているので,$BC$ を底辺としたときの高さが求まれば良い.これは相似を用いた初等的な考察で出来そうである.\r\n\r\n---\r\n\r\n 円 $\\Omega$ の中心を $O$,円 $\\gamma$ の中心を $O^\\prime$ とする.\r\n$\\angle BAC = 120^{\\circ}$ より,円周角の定理から $\\angle BOC=120^{\\circ}$ である.\r\nさらに三角形 $BOC$ が $BO=CO=121$ の二等辺三角形であることから,\r\n\r\n$$BC = 2 \\cdot 121 \\cos 30^{\\circ} =121 \\sqrt 3$$\r\n\r\nを得る.また,円 $\\gamma$ が円 $\\Omega$ に内接していることから,3点 $A,O,O^\\prime$ は同一直線上にあり,\r\n\r\n$$AO = 121, \\qquad AO^\\prime = 21, \\qquad OO^\\prime = 100$$\r\n\r\nである.\\\r\n 次に,3点 $A,O,O^\\prime$ それぞれから線分 $BC$ に垂線を下ろし,それぞれの足を $D,H,H^\\prime$ とおく.\r\nさらに線分 $AO$ と線分 $BC$ の交点を $E$ とおけば,三角形 $ ADE$, 三角形 $OHE$, 三角形 $O^\\prime H^\\prime E$ は相似である.\r\n三角形 $OHE$ と 三角形 $O^\\prime H^\\prime E$ の相似比は\r\n\r\n$$OH : O^\\prime H^\\prime = 121 \\sin 30^\\circ : 21 = 121 : 42$$\r\n\r\nである.よって\r\n\r\n$$O^\\prime E = 100 \\cdot \\frac{42}{121 + 42} = \\frac{100 \\cdot 42}{163}$$\r\n\r\nを得る.さらに\r\n\r\n$$AO^\\prime : O^\\prime E = 21 : \\frac{100 \\cdot 42}{163} = 163 : 200$$\r\n\r\nであるので,三角形 $ADE$ と 三角形 $O^\\prime H^\\prime E$ の相似比は\r\n\r\n$$O^\\prime E : AE = 200 : (163 + 200) = 200 : 363$$\r\n\r\nであり,したがって\r\n\r\n$$AD = 21 \\cdot \\frac{363}{200} = \\frac{3^2 \\cdot 7 \\cdot 11^2}{200}$$\r\n\r\nを得る.\\\r\n ここで,三角形 $ABC$ において,余弦定理より\r\n\r\n$$a^2 = b^2 + c^2 - 2 bc \\cos 120^{\\circ},$$\r\n\r\nすなわち\r\n\r\n$$b^2+c^2 + bc = 3 \\cdot 11^4$$\r\n\r\nを得る.一方,三角形 $ABC$ の面積に着目すれば\r\n\r\n$$S = \\frac 12 bc \\sin 120^{\\circ} = \\frac 12 \\cdot BC \\cdot AD = \\frac 12 \\cdot 121 \\sqrt 3 \\cdot \\frac{3^2 \\cdot 7 \\cdot 11^2}{200} = \\frac{3^2 \\cdot 7 \\cdot 11^4 \\sqrt 3}{400}$$\r\n\r\nとなり,整理すれば\r\n\r\n$$bc = \\frac{3^2 \\cdot 7 \\cdot 11^4}{100}$$\r\n\r\nを得る.したがって\r\n\r\n$$(b+c)^2 = (b^2+c^2+bc) + bc = 3 \\cdot 11^4 + \\frac{3^2 \\cdot 7 \\cdot 11^4}{100} = \\frac{363 \\cdot 11^4}{100} = \\frac{3 \\cdot 11^6}{100}$$\r\n\r\nより\r\n\r\n$$b+c = \\frac{11^3 \\sqrt 3}{10}$$\r\n\r\nとなる.\\\r\n 最後に,公式 $\\displaystyle S = \\frac 12 r (a+b+c)$ を用いれば,\r\n\r\n$$\\frac{3^2 \\cdot 7 \\cdot 11^4 \\sqrt 3}{400} = \\frac 12 r \\left( 121 \\sqrt 3 + \\frac{11^3 \\sqrt 3}{10} \\right)$$\r\n\r\nから $\\displaystyle r = \\frac{363}{20}$ を得る.", "text": "S=(r/2)(a+b+c) を用いる", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omcb034/editorial/7534/786" }, { "content": "(座標を用いる発想に至るまで)\r\n\r\n ユーザー解説同様,三角形の面積の公式 $S=\\dfrac{r}{2}(a+b+c)$ を用いたい.\\\r\n $BC=121 \\sqrt{3}$ はすぐにわかるので,点 $A$ から辺 $BC$ に下した垂線の足を $H$ としたとき,$AH$ と $AB+AC$ の値がわかれば $r$ が求まる.\\\r\n ここで,円 $\\Omega$ の点 $A$ を含まない弧 $BC$ の中点を $M$ とすると,$AB+AC=AM$ である(四角形 $ABMC$ に Ptolemy の定理を適用すればよい).よって,$AH$ と $AM$ の値がわかれば $r$ の大きさが求まる.\\\r\n 以上の考察から,円 $\\Omega$ の中心を原点とし,直線 $OM$ が $x$ 軸となるように直交座標を設定すれば問題が解けるだろうと考えられる.\r\n\r\n---\r\n\r\n 円 $\\Omega$ の中心を原点とし,\r\n$$B\\left(\\dfrac{121}{2},\\dfrac{121}{2}\\sqrt{3}\\right), C\\left(\\dfrac{121}{2},-\\dfrac{121}{2}\\sqrt{3}\\right),M(-121,0)$$\r\nとなるように座標軸を設定する.\\\r\n 円 $\\gamma$ の中心を $P$ とすると,$P$ の $x$ 座標は$\\dfrac{163}{2}$ であり,$OP=100$ である.三平方の定理から $P\\left( \\dfrac{163}{2}, \\dfrac{11}{2}\\sqrt{111}\\right)$ である.\\\r\n 次に $\\overrightarrow{OA}=\\dfrac{121}{100}\\overrightarrow{OP}$ より,$A\\left(\\dfrac{121 \\cdot 163}{200},\\dfrac{11^3}{200}\\sqrt{111}\\right)$ である.\\\r\n あとは計算さえ頑張ればよい.$AH=\\dfrac{121 \\cdot 163}{200}-\\dfrac{121}{2}=\\dfrac{121 \\cdot 63}{200}$,$AM$ は三平方の定理を用いれば $\\dfrac{11^3 \\sqrt{3}}{10}$ となる.\\\r\n 最後に,ここまでで得た値を $S=\\dfrac{r}{2}(a+b+c)$ に代入していけば,$r$ の大きさが求まる.", "text": "面積を用いる別解その2(座標)", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omcb034/editorial/7534/787" } ]
 $\Omega$ を外接円に持つ三角形 $ABC$ は $\angle BAC=120^\circ$ を満たしています.また,円 $\gamma$ は $\Omega$ に $A$ で**内接**し,さらに辺 $BC$ に接しています.$\Omega$ の半径が $121$,$\gamma$ の半径が $21$ であるとき三角形 $ABC$ の内接円の半径を求めてください.ただし,求める値は互いに素な正整数 $a,b$ を用いて $\dfrac{a}{b}$ と表されるので,$a+b$ の値を解答してください.
OMC240
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A
OMC240(A)
200
234
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[ { "content": " $k=\\sqrt{m+n}$ とおき,$n=k^2-m$ として条件を $k,m$ によって書きかえれば,\r\n$$ k+m^2 = k^2-m-40\\iff (k+m)(k-m-1)=40$$\r\nとなる.$k\\pm m$ の偶奇が一致することに注意して探索すれば,\r\n$$(k+m,k-m)=(8,6),(40,2) \\iff (m,n)=(1,48),(19,422)$$\r\nが解として得られる.特に,求める値は $48+8018=\\mathbf{8066}$ である.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc240/editorial/9497" } ]
 以下をみたす正整数の組 $(m,n)$ すべてについて,$mn$ の総和を求めてください. $$ \sqrt{m+n}+m^2=n-40 $$
OMC240
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B
OMC240(B)
200
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[ { "content": "  対称性より $BE=CE=2$ である.また $\\angle BAE=\\angle CAE$ より,角の二等分線定理から\r\n $$\r\nAD:AC=DE:CE=9:2\r\n $$ \r\nであるので,ある正実数 $x$ により $AB=AC=2x, ~ BD=7x$ とおける.方べきの定理より,\r\n $$\r\n11^2=DC^2 = DB \\cdot DA = 7x \\cdot 9x\r\n $$\r\nなので, $x^2=\\dfrac{121}{63}$ となる.さらに Stewart の定理より,角の二等分線の長さ $AE^2$ は以下のようにして求められる.\r\n $$\r\n\\begin{aligned}\r\nAE^2& =AD\\times AC-DE\\times CE\\\\\\\\\r\n& =18x^2-18\\\\\\\\\r\n& =\\dfrac{116}{7}\r\n\\end{aligned}\r\n $$\r\n 特に解答すべき値は $\\mathbf{123}$ である.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc240/editorial/11602" }, { "content": "($AB, BD$ の長さを求めるところまでの別解)\\\r\n $AE$ と $BC$ の交点を $M$ とおく.点 $M$ は線分 $BC$ の中点である.\\\r\n Menelaus の定理より,\r\n$$\\frac{DE}{EC} \\cdot \\frac{CM}{MB} \\cdot \\frac{BA}{AD}=1$$\r\nであり,これより $AB:BD=2:7$.\\\r\n あとは,公式解説同様に方べきの定理を用いれば,$AB=AC=\\dfrac{22}{3 \\sqrt{7}}$ を得る.\r\n\r\n---\r\n\r\n(以下,Stewart の定理を用いない別解)\\\r\n 再度 Menelaus の定理より,\r\n$$\\frac{DB}{BA} \\cdot \\frac{AM}{ME} \\cdot \\frac{EC}{CD}=1$$\r\n よって $AM:ME=11:7$ である.ここで $AM=11t, ME=7t$ とおくと,三平方の定理から\r\n$$BM^2=AB^2-(11t)^2=BE^2-(7t)^2$$\r\n これより $t^2=\\dfrac{29}{567}$ を得る.求めるべきものは\r\n$$AE^2=(18t)^2=\\dfrac{116}{7}$$", "text": "別解", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc240/editorial/11602/778" }, { "content": " 点 $B$ を通り $AE$ に平行な直線と $CD$ との交点を $F$ とすると,$CE = EF = 2$,$FD = 7$.三角形 $DCB$ と三角形 $DAC$ は相似であるから,$DC:CB = DA:AC = DE:EC = 9:2$ より $BC = \\dfrac{22}{9}$.三平方の定理より $BF^2 = 4^2 - \\left ( \\dfrac{22}{9} \\right )^2 = \\dfrac{812}{81}$.よって $AE^2 = \\left (\\dfrac{9}{7}BF \\right )^2 = \\dfrac{116}{7}$ であるから,求めるべき値は $116 + 7 = \\bf{123}$.", "text": "ユーザー解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc240/editorial/11602/780" } ]
  $AB=AC$ なる鋭角二等辺三角形 $ABC$ の外接円に $C$ で接する接線と直線 $AB$ との交点を $D$ とします.$A$ から辺 $BC$ に下ろした垂線が線分 $CD$ と点 $E$ で交わっており, $$ BE=2,\quad DE=9 $$ が成り立つとき,線分 $AE$ の長さを求めてください.ただし,求める値は互いに素な正整数 $a , b$ を用いて $\sqrt\dfrac{a}{b}$ と表せるので, $a+b$ の値を解答してください.
OMC240
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C
OMC240(C)
300
121
149
[ { "content": " 正整数 $n$ に対して,その正の約数の個数を $d(n)$ で表す.\r\n$$x^2+n=(x+n)(x-n)+n(n+1)$$\r\n$$y^2-n=(y-n)(y+n)+n(n-1)$$\r\nより,$f(n)$ は $n$ より大きい $n(n+1)$ の正の約数の個数に等しく,これは $n$ 以下の $n(n+1)$ の正の約数の個数に等しいので,$2f(n)=d(n(n+1))$ がしたがう.また,$g(n)=d(n(n-1))$ である.したがって与式は次のように計算される.\r\n$$\\begin{aligned}\r\n\\sum_{n=2}^{2024}\\Big(2f(n)-g(n)\\Big)&=\\sum_{n=2}^{2024}2f(n)-\\sum_{n=1}^{2023}g(n+1)\\\\\\\\\r\n&=\\sum_{n=2}^{2024}d(n(n+1))-\\sum_{n=1}^{2023}d(n(n+1))\\\\\\\\\r\n&=d(2024\\cdot 2025)-d(2)\\\\\\\\\r\n&=d(2^3\\cdot 3^4\\cdot 5^2\\cdot 11\\cdot 23)-d(2)\\\\\\\\\r\n&=\\mathbf{238}\r\n\\end{aligned}$$", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc240/editorial/12342" } ]
 $2$ 以上の整数 $n$ に対して関数 $f(n),g(n)$ を次のように定めます. - 正整数 $x$ であって,$x+n$ が $x^2+n$ を割り切るものは有限個であるので,その個数を $f(n)$ とする. - $n$ より大きい整数 $y$ であって,$y-n$ が $y^2-n$ を割り切るものは有限個であるので,その個数を $g(n)$ とする. このとき次の値を求めてください. $$\sum_{n=2}^{2024}\Big(2f(n)-g(n)\Big)$$
OMC240
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D
OMC240(D)
400
39
104
[ { "content": " $q_n=p_{p_n}$ とする.頂点 $1,2,…,13$ に対して,各 $n$ について $n$ から $q_n$ への有向辺を張った有向グラフを $G$ とする. $G$ はいくつかの自己ループでないサイクルからなり,以下の事実が成り立つ.\r\n\r\n- 任意のサイクルに対して,そのサイクル上の頂点を小さい順にそれぞれ $a_1,a_2,…,a_m$ とすると,これらはどの隣り合う二数も差が $1$ であり,\r\n$$q_{a_1}=a_2, \\quad q_{a_2}=a_3, \\quad …, \\quad q_{a_{m-1}}=a_m, \\quad q_{a_m}=a_1$$\r\n\r\n<details> <summary>\r\n証明\r\n<\\/summary>\r\n $q_n\\leq n-1$ なる $n$ が $l$ 個あり,小さい順に $b_1,b_2,…,b_l=13$ とすると,それ以外の $n$ では $q_n=n+1$ であるから, $q_{b_1},q_{b_2},…,q_{b_l}$ は $1,q_{b_1}+1,q_{b_2}+1,…,q_{b_{l-1}}+1$ のいずれかの値を取る. $q_{b_1}\\leq b_1-1$ より, $q_{b_1}=1$ .同様に帰納的に $q_{b_i}=b_{i-1}+1\\quad(i\\geq2)$ がいえる.このとき上記の事実が成り立つは明らか.\r\n<\\/details>\r\n\r\n $q_{…q_n}$ $(q$ の $i$ 回合成$)$ を $q^i(n)$ により表す.任意の長さ $k$ のサイクル $A$ 上の最小の頂点 $a$ について,下記のいずれかが成り立つとき,またそのときに限り $\\lbrace p_n \\rbrace$ は問題文の条件を満たす.\r\n\r\n- ある別の長さ $k$ のサイクル $B$ 上のある頂点 $b$ に対して\r\n$$p_{q^i(a)}=q^i(b), \\quad p_{q^i(b)}=q^{i+1}(a) \\quad (0\\leq i\\leq k-1)$$\r\nとなる.すなわち $A$ と $B$ のサイクルが交互に組み合わさった形である.\r\n\r\n- $k$ が奇数かつ,\r\n$$p_{q^i(a)}=q^{i+\\frac{k+1}{2}}(a) \\quad (0\\leq i\\leq k-1)$$\r\nとなる.\r\n\r\n $G$ は自己ループを持たず,長さが等しい偶数長のサイクルを奇数個持つことはないから,$G$ のサイクルの長さの組み合わせは\r\n$$(13),(9,2,2),(7,3,3),(5,5,3),(5,4,4),(5,2,2,2,2),(3,3,3,2,2)$$ \r\nのいずれかである.\r\n\r\n- $(13)$ のとき, $\\dfrac{1!}{1!}\\times 1=1$ (個).\r\n- $(9,2,2)$ のとき, $\\dfrac{3!}{1!\\times 2!}\\times 1 \\times 2=6$ (個).\r\n- $(7,3,3)$ のとき, $\\dfrac{3!}{1!\\times 2!}\\times 1 \\times (1+3)=12$ (個).\r\n- $(5,5,3)$ のとき, $\\dfrac{3!}{1!\\times 2!}\\times (1+5) \\times 1=18$ (個).\r\n- $(5,4,4)$ のとき, $\\dfrac{3!}{1!\\times 2!}\\times 1 \\times 4=12$ (個).\r\n- $(5,2,2,2,2)$ のとき, $\\dfrac{5!}{1!\\times 4!}\\times 1 \\times 12=60$ (個).\r\n- $(3,3,3,2,2)$ のとき, $\\dfrac{5!}{3!\\times 2!}\\times (1+9) \\times 2=200$ (個).\r\n\r\n よって,条件を満たす $\\lbrace p_n\\rbrace$ の個数は $\\mathbf{309}$ 個である.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc240/editorial/10345" }, { "content": "0. ユーザー解説を書いた理由など\r\n\r\n 公式解説は非常に端的にまとめられていてエレガントなのですが,本問を解けない人が解説を読み込むのは難しいのではないかと思い,できるだけ平易な表現で書いてみました.\\\r\n かなり基本的なところから説明しているつもりなので,なかなか 400 点には挑めないという人でも読んでみてほしいです.\\\r\n なお,公式解説を読んで普通に理解できる方は,読んでもあまり面白くないと思います.\r\n\r\n---\r\n\r\n1. $p_{p_n}$ の説明\r\n\r\n $\\\\{ p_n \\\\}$ は素直に見れば数列だが,関数として見ることもできる.\\\r\n すなわち,集合 $S=\\\\{1,2,3, \\cdots, 13\\\\}$ として,$S$ の元に $S$ の元を対応させる関数である(より正確に言えば,全単射の写像と言った方が良い).\\\r\n では $p_{p_n}$ とは何だろうか.\\\r\n 数 $n$ に対して,一度関数 $p$ で移して,再度関数 $p$ で移したものである.(下式)\r\n$$n \\xrightarrow{p} p_n \\xrightarrow{p} p_{p_n}$$\r\n なお,以下の説明では,関数 $p$ を $2$ 回施したものを,$p^2$ で表しているところがある.すなわち\r\n$$n \\xrightarrow{p^2} p_{p_n}$$\r\n である.\r\n\r\n---\r\n\r\n2. サイクルを考える理由\r\n\r\n 数 $n$ に対して,関数 $p$ を繰り返すことを考える.すなわち,次のような数列である.\r\n$$n \\xrightarrow{p} p_n \\xrightarrow{p} p_{p_n} \\xrightarrow{p} \\cdots$$\r\n $p$ で移された値は,集合 $S$ の要素になり,集合 $S$ の要素は有限である.よって,この数列はどこかで,同じ数が $2$ 回現れる.その数を $a$ とすると,\r\n$$a \\xrightarrow{p} p_a \\xrightarrow{p} \\cdots \\xrightarrow{p} a$$\r\nとなるわけである.要するに $p$ によるサイクルが存在することがわかる.\r\n\r\n---\r\n\r\n3. サイクルの例を考える\r\n\r\n まずは,最も基本である長さ $1$ のサイクルを考えよう.\r\n $$a \\xrightarrow{p} a$$\r\n である.このとき $p_{p_a}=a$ となり,問題文の条件に矛盾する.同様に,長さ $2$ のサイクルも矛盾する(確かめてみよ).\\\r\n 次に,長さ $3$ のサイクルである.\r\n $$a \\xrightarrow{p} p_a \\xrightarrow{p} p_{p_a} \\xrightarrow{p} a$$\r\n ここで,$p_{p_n} \\leq n-1$ が全ての $n$ で成り立てば明らかに矛盾する($a \\gt p_{p_a} \\gt p_a \\gt a$ である).よって,少なくとも一つは $p_{p_n} = n+1$ を満たすものが存在する.そこで改めて\r\n $$a \\xrightarrow{p} p_a \\xrightarrow{p} a+1 \\xrightarrow{p} a$$\r\n とおこう.ここで $p_{p_n} \\leq n-1$ が $2$ 回成り立てば(すなわち $a+1 \\gt p_a \\gt a$)矛盾である.よって,もう一度 $p_{p_n} = n+1$ を満たすものが存在する.このことから $p_a$ は $a+2$ か $a-1$ のいずれかであることがわかる.より一般化した表現をすれば,長さ $3$ のサイクルがあれば,そこに含まれる要素は連続した $3$ つの整数であることがわかる.\r\n\r\n 続いて,長さ $4$ のサイクルである.簡単のため,\r\n $$a \\xrightarrow{p} b \\xrightarrow{p} c \\xrightarrow{p} d \\xrightarrow{p} a$$\r\nとしよう.まず $a$ と $c$ について見ると,\r\n\r\n- $c \\leq a-1$ or $c=a+1$\r\n- $a \\leq c-1$ or $a=c+1$\r\n\r\nである.このことから $a,c$ は連続した $2$ つの整数であるとわかる.$b,d$ も同様である.\r\n\r\n---\r\n\r\n4. 長さ $k$ のサイクル\r\n\r\n 長さが奇数のサイクルであれば,\r\n$$n \\xrightarrow{p} * \\xrightarrow{p} * \\xrightarrow{p} \\cdots$$\r\n の代わりに\r\n$$n \\xrightarrow{p^2} * \\xrightarrow{p^2} * \\xrightarrow{p^2} \\cdots$$\r\n を考えても,同じ長さのサイクルとなる(一応,$2$ と奇数が互いに素だからである).\\\r\n 長さ $3$ のサイクルのときと同じように発想すれば,この長さ $k$ のサイクルの中には $k$ 個の連続する整数が存在する.\r\n\r\n 長さが偶数のサイクルであれば,\r\n$$n \\xrightarrow{p} * \\xrightarrow{p} * \\xrightarrow{p} \\cdots$$\r\n の代わりに\r\n$$n \\xrightarrow{p^2} * \\xrightarrow{p^2} * \\xrightarrow{p^2} \\cdots$$\r\n を考えると,長さが半分のサイクルを得る.つまり,長さ $k=2l$ のサイクルは,長さ $l$ のサイクル二つに分離される.そして,そのどちらのサイクルも $l$ 個の連続する整数からなる.\r\n\r\n---\r\n\r\n5. 長さ $k$ のサイクルに対する場合の数\r\n\r\n 長さが奇数 $k$ であるようなサイクルがあり,そこで使われる数は $1, 2, \\cdots , k$ であるとしよう.このようなサイクルを構成する $p$ は何通り存在するだろうか(正確には 「$p$ の定義域を $1, 2, \\cdots , k$ だけに狭めた関数」が何通りかを考えたい).\\\r\n この場合 $p$ は\r\n$$1 \\xrightarrow{p^2} 2 \\xrightarrow{p^2} 3 \\xrightarrow{p^2} \\cdots k \\xrightarrow{p^2} 1$$\r\n を満たし,そのような $p$ は一通りに定まる.\r\n\r\n 次に,長さが偶数 $k=2l$ であるようなサイクルがあり,そこで使われる数は $1, 2, \\cdots , l$ と $a+1, a+2, \\cdots a+l$ であるとしよう.このようなサイクルを構成する $p$ は何通り存在するだろうか.残念ながら,奇数のときのように $1$ 通りではない.\\\r\n$$1 \\xrightarrow{p^2} 2 \\xrightarrow{p^2} \\cdots l \\xrightarrow{p^2} 1$$\r\n$$a+1 \\xrightarrow{p^2} a+2 \\xrightarrow{p^2} \\cdots a+l \\xrightarrow{p^2} a+1$$\r\n の部分はそれぞれ一通りであるが,$1$ の行き先は $a+1, \\cdots a+l$ のいずれでもよい.つまり,下式における $*$ の値が $l$ 通り存在する.\r\n$$1 \\xrightarrow{p} * \\xrightarrow{p} 2 \\cdots$$\r\n 上式の $ * $ を決めれば $p$ は一つに定まるので,長さが偶数 $k=2l$ であるようなサイクルを構成する $p$ は $l$ 通りであることがわかった.\r\n\r\n---\r\n\r\n6. 問題を解く\r\n\r\n 以上の議論から,$1,2,3, \\cdots ,13$ を $3$ 個以上の連続する要素からなる集合(サイクルを構成する要素)に分け,それぞれに対する $p$ の個数を求めていけばよい.\r\n\r\n- $(13)$ のとき, $1$ 通りである.\r\n- $(10,3)$ のとき.長さ $10$ のサイクルの要素は,必ずしも連続する $10$ 個でなくても良かったことに注意せよ(具体例として $1,2,3,4,5,9,10,11,12,13$ でも長さ $10$ のサイクルを作れる).数の選び方が $3$ 通り,さらに $p$ の作り方が $5$ 通りなので,$3×5=15$通り.\r\n- $(9,4)$ のとき.数の選び方が $3$ 通り,さらに $p$ の作り方が $2$ 通りで,$3×2=6$ 通り.\r\n- $(8,5)$ のとき.$3×4=12$ 通り.\r\n- $(7,6)$ のとき.$3×3=9$ 通り.\r\n- $(7,3,3)$ のとき.数の選び方が $3$ 通り.全てのサイクルの長さが奇数なので,これ以上考える必要はない.\r\n- $(6,4,3)$ のとき.数の選び方が $\\dfrac{5!}{2! \\ 2!}$ 通り.さらに $p$ の作り方が $3×2$ 通りで,$30×6=180$ 通り.\r\n- $(5,4,4)$ のとき.数の選び方が $\\dfrac{5!}{2! \\ 2! \\ 2!}$ 通り.さらに $p$ の作り方が $2×2$ 通りで,$15×4=60$ 通り.\r\n- $(5,5,3)$ のとき.数の選び方が $3$ 通り.\r\n- $(4,3,3,3)$ のとき.数の選び方が $\\dfrac{5!}{2! \\ 3!}$ 通り.さらに $p$ の作り方が $2$ 通りで,$10×2=20$ 通り.\r\n\r\n 場合分けが長かったが,以上を足し合わせればよい.\r\n\r\n注)公式解説と場合分けが異なるのは,公式解説の $(7,3,3)$ の中に本解説の $(7,6)$ も含められているからである.また,公式解説の $(5,4,4)$ は本解説でいう $(8,5)$ を表しているなど,微妙に異なる点に注意せよ.", "text": "より平易な表現による解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc240/editorial/10345/779" }, { "content": "本質的に公式解説と異なるわけではないので、公式解説がわかってない人はまず公式解説を読んでください。\r\n\r\n直接$i \\rightarrow p_i$のグラフを考えます。適当な考察により、奇数長のサイクルはある連続した数からなり、その連続した奇数個の数を固定したときサイクルとして$1$通りしかないことがわかります。また、偶数長の時は、ある$2$つの連続した$k$個の数からなり、$2$つを交互に並べたものになるため、$2$つの連続した数を決め打ったときサイクルは$k$通りあることがわかります。よって、題意の条件を満たす$p$の数え上げについて、まず連続した数のかたまりの個数を決め打ち、次に連続したかたまりごとに奇数長のサイクルか偶数長のサイクルか割り当てを決め、最後に連続したかたまりごとの連続する長さを決め打つという決め方を考えると、以下の式が答えと等しいことがわかります。\r\n\r\nここで、連続したかたまりの個数を$k$とすると、連続したかたまりの長さが$2$以上であることや、$k$個のかたまりの偶奇サイクルの割り当ての決定などを踏まえると、$k$について$13≡k \\pmod 2$かつ$2k \\leq 13$が必要であることに注意してください。また、立式の過程で典型的な数え上げ問題が含まれていますが、ここでは説明は割愛し、その答えを用いて以下に式を示しています。\r\n\r\n$$\\displaystyle\\sum_{k \\in \\\\{1,3,5 \\\\}} \\sum_{l=0}^{\\left\\lfloor \\frac{k}{2} \\right\\rfloor} \\frac{k!}{l!(k-2l)!2^l}\\sum_{m=0}^l (-1)^m 2^{l-m}\\binom{\\frac{13-3k+2l-2m}{2}}{k-1}$$\r\n\r\nこの式を計算することにより本問題の答え$309$を得ることができます。", "text": "公式解説がわかる人向けのエレガントな解法", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc240/editorial/10345/781" } ]
 $1,2,…,13$ の順列 $p_1, p_2, \ldots, p_{13}$ であって以下が成り立つようなものはいくつありますか. - $13$ 以下の任意の正整数 $n$ について,$p_{p_n}$ は $n-1$ 以下であるか,または $n+1$ に等しい.
OMC240
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https://onlinemathcontest.com/contests/omc240/tasks/8773
E
OMC240(E)
500
8
25
[ { "content": " 頂点 $A, B, C$ から対辺に下ろした垂線の足をそれぞれ $X, Y, Z$ とする.\\\r\n このとき,$\\angle HXM = \\angle HPM = 90^\\circ$ であるから $4$ 点 $H, M, P, X$ は同一円周上にある.また,$4$ 点の組 $(B, H, X, Z)$, $(B, C, Y, Z)$ もそれぞれ同一円周上にあるので,方べきの定理より\r\n$$AP\\cdot AM = AH\\cdot AX = AB\\cdot AZ = AC\\cdot AY$$\r\nが成り立つ.これと中線定理より,\r\n$$\\begin{aligned}\r\nAM\\cdot PM\r\n&= AM^2 - (AP\\cdot AM)\\\\\\\\\r\n&= \\frac{AB^2 + AC^2 - 2BM^2}{2} - \\frac{AB\\cdot AZ + AC\\cdot AY}{2}\\\\\\\\\r\n&= \\frac{AB^2 + AC^2 - 2BM^2 - (AB^2 - AB\\cdot BZ) - (AC^2\\cdot AC\\cdot CY)}{2}\\\\\\\\\r\n&= \\frac{ AB\\cdot BZ + AC\\cdot CY - 2BM^2}{2}\\\\\\\\\r\n&= \\frac{ BC\\cdot BX + BC\\cdot CX - 2BM^2}{2}\\\\\\\\\r\n&= \\frac{ BC^2 - 2BM^2}{2}\\\\\\\\\r\n&= BM^2\r\n\\end{aligned}$$\r\nである.したがって,$AM : BM = BM : PM$ であるから三角形 $ABM$ と三角形 $BPM$ は相似であり,同様に三角形 $ACM$ と三角形 $CPM$ も相似である.よって,\r\n$$\\angle BPC = \\angle BPM + \\angle CPM = \\angle ABM + \\angle ACM = \\angle ABC + \\angle ACB$$\r\nであるから,直線 $BC$ に関して $P$ と対称な点を $P^\\prime$ とすると,\r\n$$\\angle BAC + \\angle BP^\\prime C = \\angle BAC + \\angle BPC = \\angle BAC + \\angle ABC + \\angle ACB = 180^\\circ$$\r\nとなり,$P^\\prime$ は $A$ を含まない弧 $BC$ 上にある.また,$BC\\perp PP^\\prime$ も成り立つので,$P^\\prime = Q$ である.よって,\r\n$$\\angle DBE = \\angle CBP = \\angle QBC = \\angle QAC = \\angle DAE$$\r\nとなり,$4$ 点 $A, B, D, E$ は同一円周上にある.したがって,\r\n$$\\angle BEF = \\angle BED = \\angle BAD = \\angle BAQ = \\angle BCQ = \\angle BCF$$\r\nであるから,$4$ 点 $B, C, E, F$ も同一円周上にある.よって,\r\n$$\\angle BAE = \\angle BAC = \\angle BQF,\\quad \\angle AEB = \\angle CFB = \\angle QFB$$\r\nであるから,三角形 $ABE$ と三角形 $QBF$ は相似である.\\\r\n いま,三角形 $ABM$ と三角形 $BPM$ は相似であったから,\r\n$$\\frac{AM}{PM}\r\n= \\frac{AM}{BM}\\cdot\\frac{BM}{PM}\r\n= \\bigg(\\frac{AM}{BM}\\bigg)^2\r\n= \\bigg(\\frac{AB}{BP}\\bigg)^2\r\n= \\bigg(\\frac{AB}{BQ}\\bigg)^2\r\n= \\frac{9}{4}$$\r\nである.よって,メネラウスの定理より,\r\n$$\\frac{BE}{EP} = \\frac{AM}{PA}\\cdot \\frac{CB}{MC} = \\frac{18}{5}$$\r\nであるから,\r\n$$BE = BP\\cdot\\frac{BE}{BP} = BQ\\cdot\\frac{BE}{BE - EP} = \\frac{108}{13}$$\r\nを得る.ここで,三角形 $ABE$ と三角形 $QBF$ は相似であったから,\r\n$$BF = BE\\cdot\\frac{BQ}{AB} = \\frac{72}{13}$$\r\nである.また,\r\n$$\\angle FBP = \\angle FBQ + \\angle PBQ = \\angle ABE + \\angle EBQ = \\angle ABQ$$\r\nであるから,余弦定理より\r\n$$\\begin{aligned}FP^2\r\n&= {BF^2 + BP^2 - 2BF\\cdot BP\\cos\\angle FBP}\\\\\\\\\r\n&= {BF^2 + BQ^2 - 2BF\\cdot BQ\\cos\\angle ABQ}\\\\\\\\\r\n&= {BF^2 + BQ^2 - 2BF\\cdot BQ\\cdot\\frac{AB^2 + BQ^2 - AQ^2}{2AB\\cdot BQ}}\\\\\\\\\r\n&= \\frac{11684}{169}\r\n\\end{aligned}$$\r\nである.特に解答すべき値は $\\bf11853$ である.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc240/editorial/8773" }, { "content": " 公式解説と同様の議論から,直線 $AB$ と直線 $CP$ との交点を $R$ とすると $R$ と $F$ は直線 $BC$ に関して対称なので,$FP=QR$ の長さを求めればよい.\r\n$$DE=\\frac{AB\\cdot CD}{AC}=\\frac{AC\\cdot BD}{AB}=DR,\\angle BDG=\\angle BAC=\\angle CDE$$\r\nより $BC\\parallel ER$ であり,$\\omega$ の $B,C$ での $2$ 接線の交点を $T$ とすると $\\triangle DER\\sim \\triangle TCB$ より $\\dfrac{AR}{AB}=\\dfrac{AD}{AT}$ なので,これと $\\dfrac{AD}{DQ}=\\dfrac{AT}{TQ}=\\dfrac{AB^2}{AC^2}=\\dfrac{9}{4}$ から $BR=AB(1-\\dfrac{AR}{AB})=\\dfrac{72}{13}$ となる.よって,余弦定理から $FP^2=QR^2=\\dfrac{11684}{169}$ がわかる.", "text": "相似と調和点列", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc240/editorial/8773/782" } ]
 鋭角三角形 $ABC$ の垂心を $H$, 外接円を $\omega$ とします.辺 $BC$ の中点を $M$ とし, $H$ から直線 $AM$ におろした垂線の足を $P$ とします. $\omega$ の $A$ を含まない弧 $BC$ 上に直線 $BC$ と $PQ$ が直交するような点 $Q$ をとり,直線 $AQ$ と $BC$ の交点を $D$,直線 $AC$ と $BP$ の交点を $E$,直線 $CQ$ と $DE$ の交点を $F$ とすると, $$AB=9,\quad BQ=6,\quad QA=11$$ が成り立ちました.このとき,線分 $FP$ の長さの $2$ 乗は互いに素な正の整数 $a, b$ を用いて $\dfrac{a}{b}$ と表されるので, $a+b$ の値を求めてください.
OMC240
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F
OMC240(F)
600
1
14
[ { "content": " 図1のように六角形の辺の長さを反時計回りに $p_1, p_2, p_3, p_4, p_5, p_6$ とおくと,次が成り立つ.\r\n$$p_1+p_3+p_5=p_2+p_4+p_6\\quad\\cdots(1)$$\r\n$$p_1p_3+p_3p_5+p_5p_1=p_2p_4+p_4p_6+p_6p_2\\quad\\cdots(2)$$\r\n\r\n***\r\n**証明.**六角形を囲う $6$ つの三角形はすべて相似である.$2$ つの正三角形の周長はある定数 $k\\\\,(\\gt1)$ を用いて\r\n$$p_1+p_3+p_5+k(p_2+p_4+p_6),\\quad p_2+p_4+p_6+k(p_1+p_3+p_5)$$\r\nと表せ,これらは等しいから (1) が成り立つ.また,$2$ つの正三角形の面積は等しく,図1の $A, B$ の面積は等しいから,\r\n$$p_1^2+p_3^2+p_5^2=p_2^2+p_4^2+p_6^2$$\r\nであり,(1) と合わせて (2) が成り立つ.\r\n\r\n![figure 1](\\/images\\/VqHwKdxdR7jiGi9Jd5YFeZW7q9IHJEbquabTUeSf)\r\n***\r\n\r\n (1), (2) の値をそれぞれ $P, Q$ とおき,三次関数のグラフ $y=x^3-Px^2+Qx\\\\,(x\\gt0)$ を考える.このグラフが直線 $y=l_1$ および $y=l_2$ とそれぞれ(重解を含む)$3$ つの共有点を持つとき,$(p_1, p_3, p_5), (p_2, p_4, p_6)$ はそれぞれの直線に対する共有点の $x$ 座標の組に対応する.\\\r\n 条件より,$x_1, x_2, x_3, x_4, x_5$ の配置は,グラフを用いることで,図2の (i), (ii) のいずれかとわかる(値はちょうど $5$ つであるから,ちょうど $1$ 本の直線はグラフの極値点を通る).一般性を失わずに $x_3=1$ としてよい.\r\n\r\n- (i) のとき,$x_2$ は極大点,$x_3$ は変曲点の $x$ 座標である.$|x_2-x_3|:|x_3-x_5|=1:2$ より,$x_5=\\dfrac{15}{7}$ とわかる.また,$|x_1-x_3|:|x_2-x_3|=\\sqrt3:1$ より,たしかに $x_1=1-\\dfrac{4\\sqrt3}{7}\\gt0$ である.\r\n- (ii) のとき,$x_4$ は極小点の $x$ 座標である.$|x_1-x_3|=|x_3-x_4|=t\\\\,(\\gt0)$ とおく.このとき,(1), (2) に代入して連立方程式を解くことで,$t=\\dfrac{2(1+\\sqrt5)}{7},\\\\,x_5=\\dfrac{13+2\\sqrt5}{7}$ とわかる.また,たしかに $x_1=\\dfrac{5-2\\sqrt5}{7}\\gt0$ である.\r\n\r\n 以上より,求める値は $4+\\sqrt{\\dfrac{20}{49}}$ であり,特に解答すべき値は $\\bm{73}$ である.\r\n\r\n![figure 1](\\/images\\/oqTw2e3l5n79J9MoQNlU6i6pKxbWwdVFHc0J7H8e)\r\n\r\n なお,次の通り,(i)(ii) それぞれについて,条件を満たす図が実際に存在する.\r\n\r\n![figure 1](\\/images\\/Sy6tQHy3SuT6JP1CUKn0YO9K8a7h0o3xNrvGnwIw)", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc240/editorial/10992" } ]
 平面上に $2$ つの合同な正三角形があり,この $2$ つの正三角形の共通部分が(すべての辺の長さが正である)六角形をなしています.この六角形の辺の長さとして現れる値はちょうど $5$ つであり,これらを小さい順に $x_1, x_2, x_3, x_4, x_5$ とおくと, $$\dfrac{x_1}{x_3}+\dfrac{x_4}{x_3}=2,\quad \dfrac{x_2}{x_3}=\dfrac{3}{7}$$ が成り立ちます.このとき,$\dfrac{x_5}{x_3}$ としてあり得る値がちょうど $2$ つ存在するので,その総和を求めてください.ただし,求める値は正整数 $a, b, c$($b, c$ は互いに素)を用いて $a+\sqrt\dfrac{b}{c}$ と表されるので,$a+b+c$ を解答してください.
OMCB033
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A
OMCB033(A)
100
167
342
[ { "content": " $x$ と $x^2$ の小数部分が等しいことは $k=x^2-x$ が整数となることと同値である.$0 \\lt x \\leq 100$ のとき\r\n$$-\\frac{1}{4} \\leq x^2-x \\leq 100^2-100=9900$$\r\nより,$k$ としてありうる値は $0, 1, \\dots , 9900$ の $9901$ 個存在する.それぞれの $k=0, 1, \\dots , 9900$ に対して $x^2-x=k$ かつ $0 \\lt x \\leq 100$ を満たす実数 $x$ はただ $1$ つ存在するから,求める個数は $\\mathbf{9901}$ である.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omcb033/editorial/12035" } ]
 $100$ 以下の正の実数 $x$ であって,$x$ の小数部分と $x^2$ の小数部分が等しいものはいくつありますか.ただし実数 $y$ の小数部分とは,$y$ 以下の最大の整数を $y$ から引いた値のことです.
OMCB033
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https://onlinemathcontest.com/contests/omcb033/tasks/11893
B
OMCB033(B)
200
198
342
[ { "content": " 正八角形の頂点を $2$ つ選ぶと,それらを頂点に含む正方形が $3$ つ(隣接する頂点として含む正方形が $2$ つ,対角線の両端として含む正方形が $1$ つ)存在するので,このようにして正方形を作る方法は,$\\_8\\mathrm C_2\\cdot3$ 通り存在する.これらの正方形のうち,$3$ つ以上の頂点が正八角形上に存在するものは,正八角形の隣接しない $4$ 頂点を頂点とする正方形(以下これを内接正方形とよぶ)のみである.内接正方形は $2$ つ存在し,正八角形の $2$ つの頂点からある内接正方形を作る方法は,$\\_4 \\mathrm C_2=6$ 通りである.よって,重複を考慮すると,求める個数は,\r\n\r\n$$\\_8\\mathrm C_2\\cdot 3-2 \\cdot (6-1)=\\bold{74}$$", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omcb033/editorial/11893" } ]
 平面上に正八角形があります.同じ平面上の正方形であって,正八角形と少なくとも $2$ つ頂点を共有するものはいくつありますか?
OMCB033
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C
OMCB033(C)
200
177
225
[ { "content": " $\\angle{APB}=\\alpha$, $\\angle{AQB}=\\beta$ とおく.直線 $QA$ は $A$ で $\\omega_1$ に接するから,$\\angle{APB}=\\angle{QAB}=\\alpha$ であり,同様にして $\\angle{AQB}=\\angle{PAB}=\\beta$ である.三角形の外角の性質より $\\angle{ABP}=\\angle{ABQ}=\\alpha+\\beta$ であり,\r\n$$2(\\alpha+\\beta)=\\angle{ABP}+\\angle{ABQ}=180^\\circ$$\r\nより $\\alpha+\\beta=90^\\circ$ である.よって,$\\angle{PAQ}=90^\\circ$ および,$\\angle{ABP}=90^\\circ$ が分かる.ここで,$\\omega_1, \\omega_2$ の半径をそれぞれ $r_1, r_2$ とおくと,線分 $AP, AQ$ はそれぞれ $\\omega_1, \\omega_2$ の直径であるから $AP=2r_1, AQ=2r_2$ である.三角形 $APQ$ の面積を $S$ とおくと,\r\n$$4r_1r_2=AP\\cdot AQ=2S=PQ\\cdot AB=168$$\r\nとなるから,$r_1r_2=\\mathbf{42}$ である.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omcb033/editorial/11876" } ]
 $2$ つの円 $\omega_1$ と $\omega_2$ が相異なる $2$ 点 $A$, $B$ で交わっています.$A$ における $\omega_2$ の接線と $\omega_1$ の交点のうち $A$ でない方を $P$ とし,$A$ における $\omega_1$ の接線と $\omega_2$ の交点のうち $A$ でない方を $Q$ とすると,$3$ 点 $P, B, Q$ は同一直線上にありました.$AB=6, \ PQ=28$ であるとき,$\omega_1$ の半径と $\omega_2$ の半径の積を求めてください.
OMCB033
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https://onlinemathcontest.com/contests/omcb033/tasks/11978
D
OMCB033(D)
200
226
278
[ { "content": "$$105000=2^3\\cdot 3\\cdot 5^4\\cdot 7$$\r\nに注意すると,$a$ が $5$ の倍数でない,すなわち $b$ が $5^4$ の倍数のとき,\r\n$$5b\\geq 5^5\\gt 2^3\\cdot 3\\cdot 7\\geq a$$\r\nが従い,条件を満たさない.したがって $a$ が $5$ の倍数である必要があり,求める組の個数は次を満たす正整数の組 $(a^\\prime,b)$ の個数に等しい.\r\n$$a^\\prime b=2^3\\cdot 3\\cdot 5^3\\cdot 7,\\quad a^\\prime \\geq b$$\r\n求める値は整数 $2^3\\cdot 3\\cdot 5^3\\cdot 7$ の正の約数の個数の半分,すなわち $\\dfrac{4\\cdot 2 \\cdot 4 \\cdot 2}{2}=\\bf32$ である.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omcb033/editorial/11978" } ]
 $ab=105000$ を満たす正整数の組 $(a,b)$ であって,$a\geq 5b$ を満たすものの個数を求めてください.
OMCB033
https://onlinemathcontest.com/contests/all?page=1
https://onlinemathcontest.com/contests/omcb033/tasks/10711
E
OMCB033(E)
200
138
173
[ { "content": " 連立方程式は以下のように書き換えられる.\r\n$$\r\n\\begin{cases}\r\nx+2y+4z=12\\\\\\\\\r\nx\\cdot2y+2y\\cdot4z+4z\\cdot x=44\\\\\\\\\r\nx\\cdot2y\\cdot4z=48\r\n\\end{cases}\r\n$$\r\nよって,$x,2y,4z$ は $t$ の方程式 \r\n$$t^3-12t^2+44t-48=0$$\r\nの $3$ 解で,これを解いて $\\lbrace x,2y,4z\\rbrace=\\lbrace2,4,6\\rbrace$ を得る.ゆえに,これらの並べ替えを考えて,求める値は \r\n$$2!\\cdot(2^3+4^3+6^3)\\cdot\\left(1+\\dfrac{1}{2^3}+\\dfrac{1}{4^3}\\right)=\\mathbf{657}$$ \r\nである.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omcb033/editorial/10711" } ]
 次の連立方程式を満たす実数の組 $(x,y,z)$ すべてについて,$x^3+y^3+z^3$ の総和を解答してください. $$ \begin{cases} x+2y+4z=12\\\\ xy+4yz+2zx=22\\\\ xyz=6 \end{cases} $$
OMCB033
https://onlinemathcontest.com/contests/all?page=1
https://onlinemathcontest.com/contests/omcb033/tasks/11522
F
OMCB033(F)
300
114
181
[ { "content": " 線対称の条件を除いて考えると,$(i,j)$ に石があるならば $f(i)=j$ となるように対応させることで,石の配置は $\\\\{ 0, 1, \\ldots, 7\\\\}$ から $\\\\{ 0, 1, \\ldots, 7\\\\}$ への全単射 $f$ と一対一対応する.石の配置が線対称であることより,$i\\neq j$ のとき $(i,j)$ に石があるならば $(j,i)$ にも石があるため,$f(i)\\neq i$ ならば $f(f(i))=i$ となる.$f(i)=i$ のときも $f(f(i))=f(i)=i$ であるため,\r\n$$f(f(i))=i \\quad (i=0,\\ldots,7)$$\r\nとなるような $f$ の総数を求めればよい.\\\r\n $f(i)\\neq i$ となるような組 $(i, f(i))$ がいくつ存在するかで場合分けをする.このような組は高々 $4$ 組であり,\r\n- $0$ 組となるのは $1$ 通り.\r\n- $1$ 組となるのは ${}\\_{8}\\mathrm{C}\\_{2}=28$ 通り.\r\n- $2$ 組となるのは $\\cfrac{1}{2!} \\cdot {}\\_{8}\\mathrm{C}\\_{2}\\cdot {}\\_{6}\\mathrm{C}\\_{2}=210$ 通り.\r\n- $3$ 組となるのは $\\cfrac{1}{3!} \\cdot {}\\_{8}\\mathrm{C}\\_{2} \\cdot {}\\_{6}\\mathrm{C}\\_{2}\\cdot {}\\_{4}\\mathrm{C}\\_{2}=420$ 通り.\r\n- $4$ 組となるのは $\\cfrac{1}{4!} \\cdot {}\\_{8}\\mathrm{C}\\_{2}\\cdot {}\\_{6}\\mathrm{C}\\_{2}\\cdot {}\\_{4}\\mathrm{C}\\_{2}\\cdot {}\\_{2}\\mathrm{C}\\_{2}=105$ 通り.\r\n\r\n以上より答えは\r\n$$1+28+210+420+105 = \\mathbf{764}$$\r\nである.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omcb033/editorial/11522" }, { "content": " 一般に,$0\\le x,y\\lt n$ にある格子点に本問と同様の条件下で $n$ 個の石を置く方法の総数を $a_n$ とおく.$x=n-1$ 上に置かれる石はちょうど $1$ 個なので,その置き方で場合分けすると,$(n-1,n-1)$ に置く場合は $n-1$ の場合と等価であり,それ以外の置き方 $n-1$ 通りについては,$y=x$ について対称な位置にも石を置くことが確定するので $n-2$ の場合と等価である.よって,$$a_1=1,a_2=2,a_n=a_{n-1}+(n-1)a_{n-2}(n\\ge3)$$とわかるので,順次計算して $a_8=\\textbf{764}$", "text": "漸化式を立てる", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omcb033/editorial/11522/774" }, { "content": "結論から言うと\r\n\r\n$$8![x^8]\\exp\\left(x+\\dfrac{x^2}{2}\\right)$$\r\n\r\nが答え\r\n\r\n以下理由\r\n\r\n長さ$n$の順列をサイクル分解したときに長さ1と2のサイクルしか出てこないことと同値\r\n\r\n長さ1のサイクルが$a$個,長さ2のサイクルが$b$個あって,$a+2b=8$となるが,\r\n\r\nこの範囲内で\r\n\r\n$$\\dfrac{8!}{1!^a \\cdot 2!^b}\\dfrac{1}{a!}\\cdot \\dfrac{1}{b!}$$\r\n\r\nの総和を求める\r\n\r\n$$f(x)=\\sum_{a\\geq 0}\\sum_{b\\geq 0}{1^a \\cdot 2^b}\\dfrac{1}{a!}\\cdot \\dfrac{1}{b!}x^{a+2b}$$\r\n\r\n$$f(x)=\\sum_{a\\geq 0}\\dfrac{1}{1^a}\\dfrac{1}{a!}x^a\\cdot\\sum_{b\\geq 0} \\dfrac{1}{2^b}\\dfrac{1}{b!}x^{2b}=\\sum_{a\\geq 0}\\dfrac{1}{1^a}\\dfrac{1}{a!}x^a\\cdot\\sum_{b\\geq 0} \\dfrac{1}{2^b}\\dfrac{1}{b!}x^{2b}=\\exp(x)\\cdot \\exp\\left(\\dfrac{x^2}{2}\\right)$$\r\n\r\nなので,これの$x^8$の係数×8!である.\r\n\r\n一方,\r\n\r\n$$8![x^8]\\exp\\left(x+\\dfrac{x^2}{2}\\right)$$\r\n\r\nを求めるには\r\n\r\n$$8![x^8]\\left(\\sum_{n=4}^{8}\\dfrac{1}{n!}\\left(x+\\dfrac{x^2}{2}\\right)^n\\right)$$\r\n\r\nなので\r\n\r\n$$8!\\left(\\sum_{n=4}^{8}[x^{8-n}]\\dfrac{1}{n!}\\left(1+\\dfrac{x}{2}\\right)^n\\right)$$\r\n\r\n$$8!\\left(\\dfrac{1}{24}\\cdot \\dfrac{1}{16}+\\dfrac{1}{120}\\cdot\\dfrac{1}{8}\\cdot\\binom{5}{3}\\dfrac{1}{4}\\binom{6}{2}+\\dfrac{1}{5040}\\cdot\\dfrac{1}{2}\\binom{7}{1}+\\dfrac{1}{40320}\\binom{8}{0}\\right)$$", "text": "formal power series", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omcb033/editorial/11522/776" } ]
 $x,y$ 座標がともに $0$ 以上 $8$ 未満であるような $64$ 個の格子点があります.以下のルールに従ってこれらの格子点の上に $8$ 個の石を置く方法は何通りありますか? - $x$ 座標が同じ石のペアは存在しない. - $y$ 座標が同じ石のペアは存在しない. - 石の配置は直線 $y=x$ に対して線対称である.
OMCB033
https://onlinemathcontest.com/contests/all?page=1
https://onlinemathcontest.com/contests/omcb033/tasks/11894
G
OMCB033(G)
300
90
139
[ { "content": " $a,b,c\\in S$ が $a^2+b^2=c^2$ を満たすとき,$a,b$ を**縦横数**,$c$ を**斜数**と呼ぶことにする.このような組で $a\\leqq b\\leqq c$ であるものは\r\n$$\r\n(a,b,c)=(3,4,5), (6,8,10), (5,12,13)\r\n$$\r\nであるので,次が分かる.\r\n- $3,4,5,6,8,12$ は縦横数である.\r\n- $5,10,13$ は斜数である.\r\n- $5$ は縦横数でかつ斜数である.\r\n- $1,2,7,9,11$ は縦横数でも斜数でもない.\r\n\r\n 条件から,関数 $f$ は縦横数を縦横数に,斜数を斜数に移す.よって $f(5)=5$ であり,$f(3)^2 + f(4)^2 = 25$ かつ $25 + f(12)^2 = f(13)^2$ なので\r\n$$\r\n(f(3),f(4))=(3,4), (4,3),\\qquad (f(12), f(13)) = (12,13)\r\n$$\r\nと決まる.さらに $f(6)^2 + f(8)^2 = f(10)^2$ となるような $(f(6),f(8),f(10))$ の決め方は,$f(10)$ を斜数 $3$ つのいずれかに定め,それに対応して $f(6),f(8)$ の決め方が $2$ 通り決まる.$1,2,7,9,11$ についてはどのように移してもよいので $13^{5}$ 通りの決め方がある.以上より,求める $f$ の個数は\r\n$$\r\n2\\times 3 \\times 2 \\times 13^5 = \\mathbf{4455516}\r\n$$\r\nである.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omcb033/editorial/11894" } ]
 $S=\\{1,2,3,\dots ,13\\}$ とおきます.$S$ の要素に対して定義され $S$ 上に値を取る関数 $f$ であって,次の条件を満たすものの個数を解答してください. - $a,b,c\in S$ について,$a^2+b^2=c^2$ ならば $f(a)^2+f(b)^2=f(c)^2$ である.
OMCB033
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https://onlinemathcontest.com/contests/omcb033/tasks/11968
H
OMCB033(H)
300
59
94
[ { "content": " $BC,DE$ について $A$ と対称な点をそれぞれ $X,Y$ とすると,条件より,線分 $XY$ 上に点 $P,Q$ が存在する.$$AX=\\sqrt{3}, \\quad AY=2\\sqrt{3}, \\quad \\angle XAY=120^\\circ$$\r\nより余弦定理から $XY=\\sqrt{21}$ がわかる.したがって再び余弦定理より,\r\n$$\\cos\\angle AXY=\\frac{2}{\\sqrt{7}}, \\quad \\cos\\angle AYX=\\frac{5}{2\\sqrt{7}}$$\r\nを得るから,\r\n$$\\begin{aligned}\r\nAP&=XP=\\frac{AX}{2\\cos\\angle AXY}=\\frac{\\sqrt{21}}{4}, \\\\\\\\\r\nAQ&=YQ=\\frac{AY}{2\\cos\\angle AYX}=\\frac{2\\sqrt{21}}{5}\r\n\\end{aligned}$$\r\nである.また,\r\n$$\\angle PAQ=120^\\circ-\\angle PAX-\\angle QAY=120^\\circ-\\angle AXY-\\angle AYX=60^\\circ$$\r\nであるので,三角形 $APQ$ の面積は \r\n$$\\dfrac{\\sqrt{3}}{4}\\cdot \\dfrac{\\sqrt{21}}{4}\\cdot \\dfrac{2\\sqrt{21}}{5}=\\dfrac{21\\sqrt{3}}{40}$$ \r\nである.特に解答すべき値は $\\bf2923$ .", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omcb033/editorial/11968" }, { "content": " 正六角形の辺を延長して正三角形を作ってみるとたくさん相似が見つかります.\r\n___\r\n\r\n 直線 $FA$ と $BC$,直線 $BC$ と $DE$,直線 $DE$ と $FA$ の交点をそれぞれ $S,T,U$ とする.このとき,三角形 $STU$ は正三角形である.以下,簡単のため $SP=x,UQ=y$ とする.\r\n\r\n 簡単なangle chaseにより,$\\triangle ASP \\sim \\triangle QTP \\sim \\triangle QUA$ が成立することがわかる.これにより\r\n$$SP:SQ=TP:TQ=UA:UQ$$\r\nが成り立つので,\r\n$$x:1=(3-x):(3-y)=2:y$$\r\nから $\\displaystyle{x=\\frac{5}{4},y=\\frac{8}{5}}$ を得る.したがって,\r\n$$\\triangle PQR= \\triangle ABC -\\triangle ASP - \\triangle QTP - \\triangle QUA$$\r\n等を用いて $\\displaystyle{\\triangle PQR=\\frac{21\\sqrt{3}}{40}}$ と計算できるので,解答すべき値は $\\bf2923$ である.", "text": "大きな正三角形を作ろう!", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omcb033/editorial/11968/773" }, { "content": " 角度の条件について,次のように言い換えることが可能である.\r\n\r\n  点 $A$ から発した光が,鏡面 $BC, DE$ で,それぞれ点 $P, Q$ で反射して,最終的に点 $A$ に返ってくる.\r\n\r\n このように考えると,座標を使おうという発想が浮かぶ.\r\n\r\n---\r\n\r\n $A$ が原点,$B \\left( \\dfrac{\\sqrt{3}}{2},\\ \\dfrac{1}{2} \\right)$ となるように座標を取る.\\\r\n 直線 $BC$ で鏡像を作った正六角形を $A_1 BC D_1 E_1 F_1$ として,この正六角形をさらに直線 $D_1 E_1$ で鏡合わせにした正六角形を $A_2 B_2 C_2 D_1 E_1 F_2$ とする.このとき,$A_2 \\left( 2 \\sqrt{3},\\ 3 \\right)$ であり,直線 $AA_2$ は $y=\\dfrac{\\sqrt{3}}{2}x$ である.よって,点 $P \\left( \\dfrac{\\sqrt{3}}{2},\\ \\dfrac{3}{4} \\right)$ を得る.\\\r\n 一方,直線 $DE$ で最初の正六角形の鏡像を作ったものを $A_3 B_3 C_3 D E F_3$ として,この正六角形をさらに直線 $B_3 C_3$ で鏡合わせにした正六角形を $A_4 B_3 C_3 D_4 E_4 F_4$ とする.このとき,$A_4 \\left( -\\dfrac{\\sqrt{3}}{2},\\ \\dfrac{9}{2} \\right)$ であり,直線 $AA_4$ は $y=-3 \\sqrt{3}x$ である.直線 $DE$ は $y=\\dfrac{\\sqrt{3}}{3}x+2$ なので,点 $Q \\left( -\\dfrac{\\sqrt{3}}{5},\\ \\dfrac{9}{5} \\right)$ を得る.\\\r\n あとは三角形の面積を求めればよい.\r\n$$\\dfrac{1}{2} \\left| \\dfrac{\\sqrt{3}}{2} \\cdot \\dfrac{9}{5} - \\left(-\\dfrac{\\sqrt{3}}{5} \\right) \\cdot \\dfrac{3}{4} \\right|=\\dfrac{21 \\sqrt{3}}{40}$$", "text": "座標を使う", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omcb033/editorial/11968/777" } ]
 一辺の長さが $1$ の正六角形 $ABCDEF$ があります.辺 $BC, DE$ 上にそれぞれ点 $P, Q$ をとったところ, $$\angle APB=\angle QPC, \quad \angle PQD=\angle AQE$$ が成り立ちました.このとき,三角形 $APQ$ の面積の $2$ 乗は互いに素な正の整数 $a,b$ を用いて $\dfrac{a}{b}$ と表されるので,$a+b$ の値を答えてください.
OMCB032
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https://onlinemathcontest.com/contests/omcb032/tasks/12865
A
OMCB032(A)
100
286
294
[ { "content": " どのタイミングで初めて $2$ 段進むかを定めれば $2025$ 段の進み方は一意に定まるので,全て $1$ 段進む場合も考えて,進み方は $\\mathbf{2025}$ 通りである.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omcb032/editorial/12865" } ]
 階段を $1$ 歩で $1$ 段か $2$ 段進むことのできる OMCB 君が $2025$ 段の階段を以下の条件を満たすように進みます. - 残りの階段が $2$ 段以上であり,かつ直前に $1$ 歩で $2$ 段進んだとき,必ず次の $1$ 歩でも $2$ 段進む. - 残りの階段が $1$ 段であるときは最後の $1$ 歩は $1$ 段進む. ただし,はじめに進む段数は $1$ 段でも $2$ 段でも構いません.このとき,OMCB 君が $0$ 段目から $2025$ 段目まで階段を進む方法は何通りありますか?
OMCB032
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https://onlinemathcontest.com/contests/omcb032/tasks/12809
B
OMCB032(B)
100
297
297
[ { "content": " 与えられた $2$ 式の両辺の差を取ることで $x-y=-8$ がわかり,これを第 $1$ 式に代入して $x = 1-(-8)^3 = \\mathbf{513}$ を得る.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omcb032/editorial/12809" } ]
 以下を満たす実数の組 $(x,y)$ について,$x$ の値はただ一つに定まるのでその値を求めて下さい. $$\begin{cases} (x-y)^3 + x = 1 \\\\ (x-y)^3 + y = 9 \\\\ \end{cases}$$
OMCB032
https://onlinemathcontest.com/contests/all?page=1
https://onlinemathcontest.com/contests/omcb032/tasks/11597
C
OMCB032(C)
100
281
289
[ { "content": " 辺 $BC$ を一辺として持つ正六十角形の中心を $O$ とすると,$\\angle{BOC} = 6^\\circ$ である.辺 $BC$ の中点を $D$ とすれば,$\\angle{BOD} = 3^\\circ$ と $\\angle{BDO} = 90^\\circ$ より $\\triangle{ODB} \\sim \\triangle{ABC}$ が成立し,相似比は $1 : 2$ となる.三角形 $ODB$ の面積は $3$ であるから,三角形 $ABC$ の面積は $3 \\times 4 = \\mathbf{12}$ である.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omcb032/editorial/11597" } ]
 $\angle{A} = 3^\circ, ~ \angle{B} = 90^\circ$ なる直角三角形 $ABC$ があります.辺 $BC$ を一辺として持つ正六十角形の面積が $360$ となるとき,三角形 $ABC$ の面積はいくつですか?
OMCB032
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https://onlinemathcontest.com/contests/omcb032/tasks/8048
D
OMCB032(D)
200
208
252
[ { "content": " 任意の非負整数 $n,k\\ (n\\geq 2)$ に対して $n^k=(n-1+1)^k\\equiv 1\\pmod{n-1}$ であることに注意すれば,条件をみたす数を $n-1$ で割ったあまりは,$1+2+\\cdots+(n-1)=\\dfrac{n(n-1)}{2}$ を $n-1$ で割ったあまりに等しい.よって $\\dfrac{n(n-1)}{2}$ が $n-1$ の倍数となればよく,それは $\\dfrac{n}{2}$ が整数,つまり $n$ が偶数であることと同値.従って解答すべき値は\r\n$$2+4+\\cdots+200={\\bf 10100}.$$", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omcb032/editorial/8048" } ]
 $n$ は $2$ 以上 $200$ 以下の整数とします.$n$ 進法表記したときにちょうど $n-1$ 桁で,各位が $1,2,…n-1$ の並べ替えであるような数を $n$ 進法の**良い数**と呼びます.例えば $1234_{(5)}$ や $2431_{(5)}$ は $5$ 進法の良い数ですが,$12340_{(5)}$ や $3141_{(5)}$ は $5$ 進法の良い数ではありません. このとき,次の**条件**をみたす正整数 $n$ の総和を解答してください. - **条件**:$n$ 進法の良い数全てが,$n-1$ で割り切れる.
OMCB032
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https://onlinemathcontest.com/contests/omcb032/tasks/10387
E
OMCB032(E)
200
202
225
[ { "content": " $x\\leq 2$ は,$(3q+p^2)(3q-p^2)=x!$ と書きかえて調べるか,あるいは以下のようにして不適である.\r\n\r\n- $x=1$ のとき,$p^4\\equiv 2 \\pmod{3}$ となりえないので不適.\r\n- $x=2$ のとき,$p,q$ はともに奇数であるが,$p^4,9q^2\\equiv 1\\pmod{4}$ であるから不適.\r\n\r\n $x\\geq 3$ のとき,$p=3$ が必要.このとき,$9\\mid x!$ により $x\\geq 6$ であるが,一方で $q\\neq 3$ により $27\\nmid x!$ であるから $x\\leq 8$ である.それぞれ調べて,$(x,p,q)=(8,3,67)$ のみが適する.特に,解答すべき値は $\\textbf{1608}$ である.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omcb032/editorial/10387" } ]
 正整数 $x$ および素数 $p,q$ の組 $(x,p,q)$ であって, $$ x!+p^4=9q^2 $$ をみたすものすべてについて,$xpq$ の総和を求めてください.
OMCB032
https://onlinemathcontest.com/contests/all?page=1
https://onlinemathcontest.com/contests/omcb032/tasks/11393
F
OMCB032(F)
200
105
177
[ { "content": " いずれかの箱のボールの個数が奇数個ある状態を $X$ とし,すべての箱のボールの個数が偶数個の状態を $Y$ とする.状態 $X$ のとき,ボールが奇数個の箱をすべて選び操作を行うことで状態 $Y$ に遷移できる.また,状態 $Y$ からはどのように箱を選んだとしても状態 $X$ に遷移する.したがって,状態 $X$ は必勝盤面である(すなわち状態 $Y$ は必敗盤面である).ゲーム開始時点で状態 $X$ となる場合の数が求める値であり,これは\r\n$$ 50^5 - 25^5 = \\mathbf{302734375} $$\r\nである.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omcb032/editorial/11393" } ]
 ボールが $50$ 個まで入る透明な $5$ つの箱 $A, B, C, D, E$ があります.各箱には既に $0$ 個以上 $49$ 個以下のボールが入っています.この $5$ 箱を使って,杉田君と中村君は次の操作を交互に行うゲームをしました. - $1$ 箱以上選び,選んだ箱すべてに $1$ 個ずつボールを追加する. 杉田君が先攻でゲームを開始し,先に操作が行えなくなった人の負けとします.ゲーム開始時点でのボールの個数の組み合わせは全部で $50^5$ 通りありますが,そのうち中村くんがどのように操作をしても杉田君が勝つことが可能であるような組み合わせは何通りありますか?
OMCB032
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https://onlinemathcontest.com/contests/omcb032/tasks/9195
G
OMCB032(G)
300
96
149
[ { "content": " $r=9195$ とおく.内部に円周と共有部分をもつマスは,( $r$ が十分大きいことから)円周によって $2$ つの領域に分割される.内部に円周と共有部分をもつマスの個数は,円周がマス目をなす直線を横切る回数から円周がマス目の頂点を通る回数を引いたものに等しい.縦の直線を考えると,円周と交わるものは高々 $2r$ 本であり,交点は高々 $4r$ 個である.横の直線も考えることで,求める最大値は $8r$ 以下である.\\\r\n 逆に,あるマスの中央を中心として円周を描くと,等号が成立する.実際,一般に整数 $x,y$ に対して\r\n$$ \\biggl(x+\\dfrac{1}{2}\\biggr)^2+\\biggr(y+\\dfrac{1}{2}\\biggr)^2 = x^2+x+y^2+y+\\dfrac{1}{2} $$\r\nが整数でないことから,この円周は格子点を通らず,縦横どちらの直線も接することはない.以上により,求める値は $8r=\\textbf{73560}$ である.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omcb032/editorial/9195" } ]
 無限に広がる一辺が $1$ のマス目に,半径 $9195$ の円周を描いたとき,内部にこの円周と共有部分をもつマスの個数の最大値を求めてください.ただし,マスの内部とは,マスからその頂点と外周を除いた部分をさすものとします.
OMCB032
https://onlinemathcontest.com/contests/all?page=1
https://onlinemathcontest.com/contests/omcb032/tasks/11725
H
OMCB032(H)
300
104
186
[ { "content": " 正整数 $k$ の十進法表記での各位の和を $S(k)$ と表す.$10^{10}-1$ 以下の非負整数 $m$ であって\r\n$$S(m+1) = S(m+10^4)$$\r\nを満たすものの個数を求めればよい.\r\n\r\n 今,$m$ の $10^{i}$ の位が $9$ でないような最小の $i \\geq 0$ を $i_m$ とすると,$m+1$ について\r\n\r\n- $10^0,10^1,\\ldots,10^{i_m - 1}$ の位は $0$( $i_m$ に限り,これは考えなくてよい).\r\n- $10^{i_m}$ の位は次の位に繰り上がらない.\r\n\r\nがいえるので,\r\n$$S(m+1)-S(m) = -9i_m+1$$\r\nが分かる.同様に,$m$ の $10^{j+4}$ の位が $9$ でないような最小の $j \\geq 0$ を $j_m$ とすると,\r\n$$S(m+10^4)-S(m) = -9j_m+1$$\r\nである.従って,上の条件は $i_m=j_m$ と同値である.このとき $i_m \\leq 3$ であるから,$i_m=j_m=0,1,2,3$ に分けて計算すれば,求める値は次のように計算できる.\r\n$$9^{2}×10^{8}+9^{2}×10^{6}+9^{2}×10^{4}+9^{2}×10^{2} = \\mathbf{8181818100}.$$", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omcb032/editorial/11725" } ]
 $10^{10}$ 以下の正の整数 $n$ であって,$n$ と $n+9999$ それぞれの十進法表記での各位の和が等しいものはいくつありますか?
OMC239 (東京出版杯)
https://onlinemathcontest.com/contests/all?page=1
https://onlinemathcontest.com/contests/omc239/tasks/3113
A
OMC239(A)
100
370
371
[ { "content": " $A,B,D,E$ はいずれも $1$ でないことに留意する.例えば,以下の組は条件をみたす.\r\n$$(A,B,C,D,E,F)=(2,5,10,3,4,12)$$\r\n $C,F$ のとり得る値は $2$ 以上の相異なる $2$ つの正整数の積として表せるものであるから,$12$ 未満では $6,8,10$ である.しかし,これらより $C,F$ を選ぶとき $\\\\{A,B\\\\},\\\\{D,E\\\\}$ がともに $2$ を含む必要があるから不適である.\\\r\n 以上より,求める最小値は $\\textbf{12}$ である.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc239/editorial/3113" } ]
 **相異なる**正の整数 $A,B,C,D,E,F$ は次の条件をすべて満たしています. - $A\times B=C$ - $D\times E=F$ - $C\lt F$ このとき $F$ の値としてありうる最小値を求めてください.
OMC239 (東京出版杯)
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B
OMC239(B)
200
349
361
[ { "content": " 次をみたす整数 $M$ のうち,$2023$ 以上で最小のものを求めればよい:\r\n$$ M \\equiv 2025 - 2 \\pmod 5 $$\r\n$$ M \\equiv 2025 - 1 \\pmod {11} $$\r\n$$ M \\equiv 2025 \\pmod {17} $$\r\n\r\n$5, 11, 17$ が等差数列をなすことに注意すると,$p = 5, 11, 17$ について\r\n$$ 6M \\equiv 6 \\cdot 2025 - 17 \\pmod p $$\r\n\r\nを得る.したがって\r\n$$ 6M \\equiv 6 \\cdot 2025 - 17 \\pmod {5 \\cdot 11 \\cdot 17} $$\r\n\r\nより,$M$ の一般解は\r\n$$ M \\equiv \\frac{6 \\cdot 2025 - 17 + 5 \\cdot 11 \\cdot 17}{6} \\pmod {5 \\cdot 11 \\cdot 17} $$\r\n\r\nとなるので,求める値は $\\displaystyle \\frac{6 \\cdot 2025 - 17 + 5 \\cdot 11 \\cdot 17}{6} = \\mathbf{2178}$ 年である.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc239/editorial/8793" } ]
 $3$ 種類のセミ $X, Y, Z$ がおり,セミ $X$ はちょうど $5$ 年ごとに,セミ $Y$ はちょうど $11$ 年ごとに,セミ $Z$ はちょうど $17$ 年ごとに大量発生します.一昨年はセミ $X$,去年はセミ $Y$,今年はセミ $Z$ が大量発生しました.このとき,次にセミ $X, Y, Z$ が**同時に**大量発生するのは何年ですか?  ただし,今年は $2025$ 年であるとします.
OMC239 (東京出版杯)
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C
OMC239(C)
300
117
202
[ { "content": " $\\angle A$ が最大角であることより,特に $\\angle B,\\angle C$ は鋭角であるから,$H$ は直線 $BC$ に対し $A$ と同じ側に,$D,E$ は直線 $BC$ に対し $A$ と異なる側にある.また,三角形 $ BHC$ と三角形 $DHE$ は相似比 $1:2$ で相似である.\\\r\n ここで $P$ を直線 $AH$ と直線 $DE$ の交点,$Q$ を線分 $DE$ の中点とすると,三角形 $ BHC,BPC,CQB$ は合同である.\r\nこれと $\\angle BAC+\\angle BHC=180^{\\circ}$ より $2$ 点 $P,Q$ は三角形 $ABC$ の外接円上にあることがわかる.\\\r\n 三角形 $ABC$ の外接円と線分 $DE$ の交点は高々 $2$ 点であること,$DX=XY\\lt XE$ より $X\\not=Q$ であることから $X=P,Y=Q$ が得られる.このとき\r\n$$DH=2BH=2BX,\\quad EH=2CH=2BY$$\r\nまた $HX\\perp DE,DX=XY$ より $DH=HY$ であるから,中線定理 $DH^2+EH^2=2(HY^2+DY^2)$ が成り立つことより\r\n$$BC^2=DY^2=(EH^2-DH^2)\\/2=2(BY^2-BX^2)=\\textbf{450}$$", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc239/editorial/2451" } ]
 $\angle A$ が最大角である三角形 $ABC$ があり,その垂心を $H$ とします.点 $B,C$ に関して点 $H$ と対称な点をそれぞれ $D,E$ とすると,三角形 $ABC$ の外接円と線分 $DE$ は相異なる $2$ 点 $X,Y$ で交わりました. $$BX=20,\quad BY=25,\quad DX=XY$$ が成り立つとき,辺 $BC$ の長さの $2$ 乗を求めてください.
OMC239 (東京出版杯)
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D
OMC239(D)
400
82
129
[ { "content": " 任意の $1$ 以上 $7$ 以下の整数 $i$ について,$a_i=\\sqrt{x_1+\\cdots+x_i}$ とすると\r\n$$S+T-1=a_1^2+\\frac{a_2^2}{a_1}+\\frac{a_3^2}{a_2}+\\cdots+\\frac{a_7^2}{a_6}+\\frac{1}{a_7}$$\r\nである.ここで,$a_0=1$ とすると,相加相乗平均の不等式より\r\n$$\\begin{aligned}\r\nS+T-1&=\\sum_{k=0}^7 \\frac{a_{k+1}^2}{a_k}\\\\\\\\\r\n&=\\sum_{k=0}^7 2^k\\cdot \\frac{a_{k+1}^2}{2^k\\cdot a_k}\\\\\\\\\r\n&\\geq\\bigg(\\sum_{k=0}^7 2^k\\bigg)\r\n\\bigg(\\prod_{k=0}^7 \\Big(\\frac{a_{k+1}^2}{2^k\\cdot a_k}\\Big)^{2^k} \\bigg)^{(\\sum_{k=0}^7 2^k)^{-1}}\\\\\\\\\r\n&= (2^8-1)\\bigg(\\prod_{k=0}^7 \\frac{a_{k+1}^{2^{k+1}}}{2^{k\\cdot2^k}\\cdot a_k^{2^k}} \\bigg)^{(2^8-1)^{-1}}\\\\\\\\\r\n&=(2^8-1)\\Big(2^{-\\sum_{k=0}^7 k\\cdot 2^k}\\Big)^{(2^8-1)^{-1}}\\\\\\\\\r\n&=(2^8-1)\\cdot 2^{-\\frac{6\\cdot 2^8+2}{2^8-1}}\r\n\\end{aligned}$$\r\nを得る.また,実際に等号を成立させる $x_1,x_2,\\ldots,x_8$ は存在するので,$m=(2^8-1)\\cdot 2^{-\\frac{6\\cdot 2^8+2}{2^8-1}},n=2^8-1$ を得る.よって\r\n$$m^n=\\frac{(2^8-1)^{2^8-1}}{2^{6\\cdot 2^8+2}}$$\r\nであり, $a+b=(6\\cdot 2^8+2) + (2^8-1)=\\mathbf{1793}$ である.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc239/editorial/10025" } ]
 実数 $x_1,x_2,...,x_8$ はその総和が $1$ であり,任意の $1$ 以上 $7$ 以下の整数 $i$ について,$x_1+x_2+\cdots +x_i\gt0$ を満たします.ここで,$S,T$ を次のように定めます. $$S=\sqrt{x_1}+\sqrt{x_1+x_2}+\cdots+\sqrt{x_1+x_2+\cdots+x_7}+\sqrt{x_1+x_2+\cdots+x_8}$$ $$T=\frac{x_2}{\sqrt{x_1}}+\frac{x_3}{\sqrt{x_1+x_2}}+\cdots+\frac{x_8}{\sqrt{x_1+x_2+\cdots+x_7}}+\frac{x_1}{\sqrt{x_1+x_2+\cdots+x_8}}$$ $S+T-1$ の取り得る最小値を $m$ とすると,$m^N$ が有理数となるような正の整数 $N$ が存在します.このような $N$ の最小値を $n$ とするとき,$m^n$ を既約分数で表すと分母は $2$ で $a$ 回,分子は $3$ で $b$ 回割り切れます.$a+b$ を解答してください.
OMC239 (東京出版杯)
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E
OMC239(E)
500
56
182
[ { "content": " $p-1 = 2^6 \\cdot 3^2 \\cdot 5 \\cdot 7$ である.また,該当範囲で $x$ が $p$ の倍数になるものは無視してよい.ここで,$\\bmod~p$ での原始根の一つを $r$ とする.$p$ 以上 $p^3$ 未満の整数のうち $p$ を法として $r^k$ $(0\\leq k \\lt p-1)$ と等しいものは,$r^k$ を $p$ で割った余りを $a_k$ とすると $bp+a_k$ $(1\\leq b \\leq p^2-1)$ と表せることから,$p^2-1$ 個存在する.この集合を $S_k$ とする.$x \\in S_k$ について $x^x$ の $p$ での剰余を考えると,フェルマーの小定理より,\r\n$$\r\nx^x = (bp+a_k)^{bp+a_k}\r\n\\equiv a_k^{bp+a_k} \r\n\\equiv r^{k(b+a_k)} \\pmod{p}\r\n$$\r\nとなり,上記の値が $\\mathrm{mod} ~ p$ で $1$ となることから,原始根の性質から\r\n$$\r\nk(b+a_k) \\equiv 0 \\pmod{p-1}\r\n$$\r\nである.$1 \\leq b \\leq p^2-1$ より,$b+a_k$ を $p-1$ で割った余りは $0, 1, \\ldots, p-2$ がちょうど $p+1$ 回ずつ登場する.したがって,$0$ 以上 $p-1$ 未満の整数の組 $(s,t)$ であって,$st$ が $p-1$ で割り切れるものの個数を $p+1$ 倍したものが答えとなる.以下ではこれを求める.\\\r\n $s$ を固定したときに,$g=\\gcd(s,p-1)$ とすると,$t$ は $\\dfrac{p-1}{g}$ の倍数であるから,$t$ としてあり得るものは $g$ 個存在する.これを足し合わせることで,結局\r\n$$\r\n(p+1) \\sum_{s=1}^{p-1} \\gcd(s,p-1)\r\n$$\r\nを計算すればよい.$f(n)=\\sum_{s=1}^{n} \\gcd(s,n)$ とおく.\r\n\r\n**補題.** $x,y$ を互いに素な正整数とすると,$f(xy)=f(x)f(y)$ が成り立つ.\r\n\r\n<details><summary>**証明**<\\/summary>\r\n $n$ の正の約数 $d$ を任意にとる.$\\phi$ をオイラーのトーシェント関数とする.$\\gcd(k,n)=d$ を満たす正整数 $k$ の個数は,$\\gcd(k,n\\/d)=1$ を満たす $k$ の個数,すなわち $\\phi(\\frac{n}{d})$ 個である.したがって,\r\n$$\r\n\\begin{aligned}\r\nf(n) &= \\sum_{k=1}^n \\gcd(k,n)\\\\\\\\\r\n& = \\sum_{d|n} d\\phi \\bigg(\\frac{n}{d}\\bigg)\\\\\\\\\r\n& = n\\sum_{d|n} \\frac{\\phi (d)}{d}\r\n\\end{aligned}\r\n$$\r\nとなる.ここで,互いに素な二つの正整数 $x,y$ に対して\r\n$$\r\n\\phi(xy)=\\phi(x)\\phi(y)\r\n$$\r\nであるから,\r\n$$\r\n\\begin{aligned}\r\nf(xy) &= xy\\sum_{d|xy} \\frac{\\phi (d)}{d}\\\\\\\\\r\n&= xy\\sum_{d_1|x,d_2|y} \\frac{\\phi (d_1d_2)}{d_1d_2}\\\\\\\\\r\n&= xy\\bigg(\\sum_{d_1|x} \\frac{\\phi (d_1)}{d_1}\\bigg)\\bigg(\\sum_{d_2|y} \\frac{\\phi (d_2)}{d_2}\\bigg)\\\\\\\\\r\n&= f(x)f(y)\r\n\\end{aligned}\r\n$$\r\nが成立する.\r\n<\\/details>\r\n\r\n補題により,以下のように計算できる.\r\n$$\r\n\\begin{aligned}\r\nf(p-1) &= f(2^6)f(3^2)f(5)f(7)\\\\\\\\\r\n&=(1\\cdot 32 + 2 \\cdot 16 + 4\\cdot 8 + 8\\cdot 4 + 16 \\cdot 2 + 32\\cdot 1 + 64)(1\\cdot 6 + 3 \\cdot 2 + 9)(1\\cdot 4 + 5)(1\\cdot 6 + 7)\\\\\\\\\r\n&= 628992\r\n\\end{aligned}\r\n$$\r\nよって,これを $p+1$ 倍した $628992 \\cdot 20162 = \\mathbf{12681736704}$ 個が答えである.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc239/editorial/10644" } ]
 $p=20161$ とします. $p$ 以上 $p^3$ 未満の整数 $x$ であって,$x^x-1$ が $p$ で割り切れるものはいくつありますか.ただし,$20161$ は素数です.
OMC239 (東京出版杯)
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F
OMC239(F)
500
45
68
[ { "content": " すべてのカードに書かれた整数から $1$ ずつ引き,$11$ 桁となるように適宜先頭に $0$ を補って $3$ 進表記する.また,任意の $0$ 以上 $3^{11}$ 未満の整数 $k$ について,$b_k=a_{k+1}-1$ とする.すなわち,0-indexed で数えたときの上から $k$ 番目に書かれたカードの数を $b_k$ とする.さらに,$11$ 桁の $3$ 進表記を逆から読む関数を $\\mathrm{Rev}$ とする.たとえば \r\n$$\r\n\\mathrm{Rev}(11) = \\mathrm{Rev}(00000000102_{(3)})=20100000000_{(3)}=124659\r\n$$ \r\nである.加えて,各桁ごとに和を $3$ で割った余りで計算する(繰り上がりは行わない)演算を $\\oplus$ で書くことにする.たとえば,\r\n$$\r\n112_{(3)} \\oplus 10122_{(3)} = 10201_{(3)}\r\n$$\r\nである.\r\n\r\n----\r\n\r\n**補題.** $b_k=0$ のとき,任意の $0\\le n \\lt 3^{11}$ なる整数 $n$ に対して以下が成り立つ.\r\n$$\r\nb_n = \\mathrm{Rev}(n \\oplus k \\oplus k)\r\n$$\r\n\r\n**証明.** 任意の非負整数 $x,y$ について,$x$ を $3$ 進表記したときの $3^y$ の位を $f_y(x)$ と表すことにする.このとき,任意の $1$ 以上 $11$ 以下の整数 $t$ について,$t$ 回目の操作では,数列 $f_{11-t}(b_0), f_{11-t}(b_1), \\ldots, f_{11-t}(b_{3^{11} - 1})$ が決まる.具体的には,\r\n- $t$ 回目の操作が $A$ なら $\\overbrace{0,\\ldots,0}^{3^{t-1}個},1,\\ldots,1,2,\\ldots,2$ を繰り返し,\r\n- $t$ 回目の操作が $B$ なら $\\overbrace{1,\\ldots,1}^{3^{t-1}個},2,\\ldots,2,0,\\ldots,0$ を繰り返し,\r\n- $t$ 回目の操作が $C$ なら $\\overbrace{2,\\ldots,2}^{3^{t-1}個},0,\\ldots,0,1,\\ldots,1$ を繰り返す.\r\n\r\n$t-1$ 回目の操作までにできたカード束は全部で $3^{12-t}$ 個あり,各カード束内で下から $12-t$ 桁分の数値は一致している.したがって,$11$ 回の操作列を左から順に並べて,$A$ を $0$,$B$ を $2$,$C$ を $1$ として $3$ 進数で解釈したものを $x$ とおくと,$y$ が書かれたカードは $11$ 回の操作が終了した後に上から $\\mathrm{Rev}(y\\oplus x)$ 番目に移動することがわかる.よって,$k=\\mathrm{Rev}(0\\oplus x) = \\mathrm{Rev}(x)$ である.よって,$x = \\mathrm{Rev}(\\mathrm{Rev}(x))=\\mathrm{Rev}(k)$ であり,$n$ 番目のカードが $b_n$ であったことから,\r\n$$\r\n\\mathrm{Rev}(b_n \\oplus x)=n\r\n$$\r\nであるので,\r\n$$\r\n\\begin{aligned}\r\nb_n &= b_n \\oplus ( x \\oplus x\\oplus x)\\\\\\\\\r\n&= (b_n \\oplus x) \\oplus x \\oplus x \\\\\\\\\r\n&= \\mathrm{Rev}(n) \\oplus \\mathrm{Rev}(k) \\oplus \\mathrm{Rev}(k)\\\\\\\\\r\n&= \\mathrm{Rev}(n \\oplus k \\oplus k)\r\n\\end{aligned}\r\n$$\r\nとなり,示される.\r\n----\r\n\r\n 補題により,\r\n$a_{k}=1$ のとき,$a_m=k$ という条件は以下のように言い換えられる.\r\n$$\r\nk=a_m=b_{m-1}+1=\\mathrm{Rev}((m-1) \\oplus (k-1) \\oplus (k-1))+1\r\n$$\r\n$\\mathrm{Rev}(\\mathrm{Rev}(n))=n$ および $n\\oplus (n \\oplus n)=0$ に注意して,\r\n$$\r\nm=(k-1) \\oplus \\mathrm{Rev}(k-1) + 1 \r\n$$\r\nとなる.また,補題での議論により,$k-1$ の $3$ 進表記での $3^5$ の位は $0$ であり,操作が異なれば $a_k=1$ となる $k$ は異なる.よって,$0$ 以上 $3^{11}$ 未満の整数 $x$ であって,$3$ 進表記での $3^5$ の位が $0$ であるようなものは $3^{10}$ 個あるが,その全てについて $x\\oplus \\mathrm{Rev}(x)+1$を足し合わせたものが答である.\\\r\n ここで,$x$ の $3$ 進表記での $3^i$ の位を $x_i$ とおく.このとき,各 $i=0,1,\\ldots,4$ について,\r\n- $(x_i,x_{10-i})=(0,0),(1,2),(2,1)$ のとき \r\n  $x\\oplus\\mathrm{Rev}(x)$ の $3$ 進表記の $3^i$ の位,$3^{10-i}$ の位はともに $0$ となる. \r\n- $(x_i,x_{10-i})=(0,1),(1,0),(2,2)$ のとき \r\n  $x\\oplus\\mathrm{Rev}(x)$ の $3$ 進表記の $3^i$ の位,$3^{10-i}$ の位はともに $1$ となる. \r\n- $(x_i,x_{10-i})=(0,2),(1,1),(2,0)$ のとき \r\n  $x\\oplus\\mathrm{Rev}(x)$ の $3$ 進表記の $3^i$ の位,$3^{10-i}$ の位はともに $2$ となる. \r\n\r\n以上により,各 $i = 0,1,\\ldots,4$ について,$3^i,3^{10-i}$ の位のみ固定すると,残った $8$ 桁をどのように定めても和に同じ数だけ寄与する.これより $x\\oplus \\mathrm{Rev}(x)$ の和は以下のように計算できる.\r\n$$\r\n3^{10}\\times 11111011111_{(3)} = 3^{10}\\times\\bigg(\\frac{3^{11}-1}{2}-3^5\\bigg)=5215798170\r\n$$\r\nよって,求める値は $3^{10} +5215798170 = \\mathbf{5215857219}$ である.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc239/editorial/10259" } ]
 $1$ から $3^{11}$ までの整数が書かれたカードがそれぞれ $1$ 枚ずつあり,左から小さい順に横一列に並んでいます.$1$ 枚以上のカードが重なった状態を**カード束**と呼びます. \  $3n$ 個のカード束が横一列に並んでいるとき,カード束を左から順に $X_1,\ldots,X_{3n}$ とし,以下の $3$ 種類の操作のうち $1$ つを行うことができます. - 操作 $A$:$1$ 以上 $n$ 以下の任意の整数 $k$ に対して,$X_{n+k}$ を $X_{2n+k}$ の上に重ね,さらにその上に $X_{k}$ を重ねることで $n$ 個のカード束を得る. - 操作 $B$:$1$ 以上 $n$ 以下の任意の整数 $k$ に対して,$X_{2n+k}$ を $X_{k}$ の上に重ね,さらにその上に $X_{n+k}$ を重ねることで $n$ 個のカード束を得る. - 操作 $C$:$1$ 以上 $n$ 以下の任意の整数 $k$ に対して,$X_{k}$ を $X_{n+k}$ の上に重ね,さらにその上に $X_{2n+k}$ を重ねることで $n$ 個のカード束を得る.  このとき,操作 $A,B,C$ を合計 $11$ 回行うことでカード束がちょうど $1$ つになります.すべての操作が終了した後のカード束の上から $k$ 枚目に書かれている整数を $a_k$ とおくとき,$a_{a_m}=1$ を満たす整数 $m$ がちょうど $1$ つ存在するため,この $m$ をその操作の**スコア**とします.\  $6$ 回目の操作で操作 $A$ を行うような,$11$ 回の操作の実行方法は $3^{10}$ 通りありますが,これらすべてに対するスコアの総和を求めてください. <details><summary>例<\/summary>  例えば,$1,2,3,4,5,6,7,8,9$ という $9$ 枚のカード (束) が横一列に並んでいるときに,操作 $A$ の後に操作 $B$ を行うと,カード束は $1$ 個になり,上から $2,5,8,3,6,9,1,4,7$ の順に並びます. <\/details>
OMCE011
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A
OMCE011(A)
300
174
220
[ { "content": " 半直線 $HM, MH$ と円 $ABC$ の交点をそれぞれ $D, E$ とすると,$D$ は $H$ を $M$ について対称移動させた点であり,また $AD$ は円 $ABC$ の直径をなす.いま,$AH$ と $BC$ の交点を $F$ とすると $\\angle AEM=\\angle AFM=90^{\\circ}$ より $A, E, F, M$ は共円であり,ここで\r\n$$3EM=EM×HM=EM×DM=\\left(\\dfrac{BC}{2}\\right)^2=16$$\r\nより $EM=\\dfrac{16}{3}$ が成り立ち,さらに\r\n$$\\displaystyle AF=AH+HF\\geq 2\\sqrt{AH\\cdot HF}=2\\sqrt{EH×HM}=2\\sqrt{\\dfrac{7}{3}×3}=2\\sqrt 7$$\r\nだから,$$|ABC|=\\dfrac{AF×BC}{2}=4AF\\geq 8\\sqrt 7$$\r\nが成り立ち,また $|ABC|=8\\sqrt 7$ かつ題意を満たす三角形 $ABC$ は確かに存在するから,解答すべき値は $\\textbf{448}$ である.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omce011/editorial/9213" } ]
 鋭角三角形 $ABC$ の垂心を $H$ とし,辺 $BC$ の中点を $M$ とすると, $$ HM=3, \quad BC=8 $$ が成立しました.このとき,三角形 $ABC$ の面積の最小値の $2$ 乗を求めてください.
OMCE011
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B
OMCE011(B)
400
54
116
[ { "content": " $\\\\{a_i\\\\}$ に対して数列 $\\\\{b_i\\\\}$ を次のように定義する:\r\n - $n$ 以下の正整数 $i$ であって,$(a_i,a_{i+1},a_{i+2})=(1,2,3)$ なるもの全てに対して,$a_{i+1}$ を削除した数列.\r\n\r\nこのとき,$\\\\{b_i\\\\}$ の要素数は $n-123$ であり,$b_{n-122}=b_1, ~ b_{n-121}=b_2$ と定義すると,全ての $n-123$ 以下の正整数 $k$ で $b_{k-1} \\neq b_k$ が成り立ち,かつ $n-123$ 以下の正整数 $i$ のうち,\r\n - $(b_i,b_{i+1})=(1,3)$ となるものがちょうど $255$ 個 $\\tag$\r\n - $(b_i,b_{i+1})=(2,1)$ となるものがちょうど $213$ 個\r\n - $(b_i,b_{i+1})=(3,2)$ となるものがちょうど $321$ 個\r\n - $(b_i,b_{i+1},b_{i+2})=(1,2,3)$ となるものがちょうど $0$ 個\r\n\r\nずつ存在する.逆に,正の整数 $n$ に対してこのような $\\\\{b_i\\\\}$ が存在すれば,条件を満たす $\\\\{a_i\\\\}$ も存在する.\\\r\n さて,頂点を $1,2,3$ とし,$n-123$ 本の辺 $e_1, e_2, \\ldots, e_{n-123}$ をもつ有向グラフであって,辺 $e_i$ が $b_i$ と $b_{i+1}$ をこの順に結んでいるようなものを考える.このとき $b_{k-1} \\neq b_k$ より自己ループは存在せず,さらに\r\n - $1$ から $3$ へのびる辺は $255$ 本\r\n - $2$ から $1$ へのびる辺は $213$ 本\r\n - $3$ から $2$ へのびる辺は $321$ 本\r\n\r\nずつ存在する.$1$ から $2$ へ向かう辺の本数を $m \\ge 0$ とすると,頂点 $k$ を始点・終点とする辺の数は $k$ によらず等しいので,\r\n - $2$ から $3$ へのびる辺は $m+108$ 本\r\n - $3$ から $1$ へのびる辺は $m+42$ 本\r\n\r\nだけ存在する.ここで $m \\gt 213$ のとき,鳩ノ巣原理より $e_i$ が $1$ から $2$ へ向かい,$e_{i+1}$ が $2$ から $3$ へ向かうような $i$ が存在し,題意に則さない.したがって $m \\le 213$ である.逆に,$m\\leq 213$ である限り,対応する $\\\\{b_i\\\\}$ であって $(b_i,b_{i+1},b_{i+2})=(1,2,3)$ となる $i$ が存在しないようなものを構成することができるから,$m=0,\\ldots,213$ の場合,またその場合に限り,$\\\\{b_i\\\\}$ を構成できる.\r\n\r\n<details><summary>具体的な構成<\\/summary>\r\n\r\n- $1$ と $2$ を往復することを $m$ 回\r\n- $2$ と $3$ を往復することを $m+108$ 回\r\n- $3$ と $1$ を往復することを $m+42$ 回\r\n- $1 \\to 3 \\to 2\\to 1$ の順に巡ることを $213-m$ 回\r\n\r\nを,$1 \\to 2 \\to 3$ の順番で巡ることのないように適切な順序で行えばよい.\r\n<\\/details>\r\n\r\n さて,$\\\\{b_i\\\\}$ の要素数はグラフの辺の総本数 $3m+939$ に等しいため,$n=3m+1062$ であり,求める値は\r\n$$ \\sum_{m=0}^{213} (3m+1062)=\\mathbf{295641}$$\r\nである.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omce011/editorial/3773" }, { "content": " 問題文の箇条書きの条件を,上から順に条件 1,条件 2,条件 3,条件 4 と呼ぶことにする.\\\r\n 数列 $\\\\{ a_n \\\\}$ に対して,$a_i=1$ を満たす項数が $x$,$a_i=2$ を満たす項数が $y$,$a_i=3$ を満たす項数が $z$ であるとしよう.このとき条件 1 から $(a_i, a_{i+1})=(1,2)$ となるものは $(x-132)$ 個存在し,一方で条件 3 から $(x-132)+321=y$ なので,$y=x+189$ を得る.同様にして $z=x+108$ であり,$n=3x+297$ である.\\\r\n 次に,残された条件 4 を用いたい.先ほどの議論から,\r\n\r\n- $(a_i, a_{i+1})=(1, 2)$ となるものがちょうど $(x-132)$ 個\r\n- $(a_i, a_{i+1})=(2, 3)$ となるものがちょうど $(x-24)$ 個\r\n\r\nずつ存在することがわかっている.\\\r\n 明らかに $\\min(x-132, x-24)=x-132 \\geq 123 $である.よって $x \\geq 255$ を得る.\\\r\n 次に $x$ の最大値を考えよう.$(a_i, a_{i+1}, a_{i+2})=(1, 2, 1)$ となるものの個数を $t$ と置くと,$x-132=t+123$ である.$t \\leq 213$ なので,$x \\leq 468$ である.\\\r\n あとはそのような数列の構成ができればよいが,$1 \\to 2 \\to 3 \\to 2 \\to 1$ のループを $123$ 回して,あと必要な回数だけ $1 \\to 2 \\to 1$ の往復,$2 \\to 3 \\to 2$ の往復,$1 \\to 3 \\to 1$ の往復,$1 \\to 3 \\to 2 \\to 1$ のループをさせれば,任意の $255 \\leq x \\leq 468$ を満たす $x$ に対して,数列 $\\\\{ a_n \\\\}$ を構成できる.\\\r\n よって求めるべき値は\r\n$$\\sum_{x=255}^{468} (3x+297)=\\mathbf{295641}$$", "text": "a_i=1,2,3を満たす項数を考える", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omce011/editorial/3773/757" } ]
 $a_1, a_2, \ldots, a_n$ は $1$ 以上 $3$ 以下の整数からなる数列であり,$a_{n+1}=a_1, ~ a_{n+2}=a_2$ と定義すると,全ての $n$ 以下の正整数 $k$ で $a_{k+1}≠a_k$ が成り立ち,かつ $n$ 以下の正整数 $i$ のうち, - $(a_i,a_{i+1})=(1,3)$ となるものがちょうど $132$ 個 - $(a_i,a_{i+1})=(2,1)$ となるものがちょうど $213$ 個 - $(a_i,a_{i+1})=(3,2)$ となるものがちょうど $321$ 個 - $(a_i,a_{i+1},a_{i+2})=(1,2,3)$ となるものがちょうど $123$ 個 ずつ存在します.このような正の整数 $n$ としてありうるものは有限個なので,これらすべての総和を求めてください.
OMCE011
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C
OMCE011(C)
400
114
153
[ { "content": "$$z = \\dfrac{(pq+1)(2^{p+r}-1)}{(2^p-1)q}$$\r\nとおき,$z$ が整数となる条件を考える.ここで,$p, q, r$ が相異なる素数であることから,\r\n$$ \\gcd (2^{p+r}-1, 2^p-1) = 2^{\\gcd(p+r, p)} - 1 = 1$$ \r\nおよび $\\gcd(pq+1, q) = 1$ が成り立つ.これにより,$z$ が整数となることは\r\n$$ z_1 = \\frac{pq+1}{2^p-1}, \\quad z_2 = \\frac{2^{p+r}-1}{q} $$\r\nがともに整数となることと同値である.Fermat の小定理より,\r\n$$ z_1 \\equiv (pq+1) \\cdot (2^p-1)^{-1} \\equiv 1 \\cdot 1^{-1} \\equiv 1 \\pmod{p} $$\r\nとなる.ここで $q \\le 2^{p+1} - 1$ より,\r\n$$ z_1 = \\frac{pq+1}{2^p-1} \\le \\frac{p 2^{p+1}-p+1}{2^p-1} = 2p + \\frac{p+1}{2^p-1} \\lt 2p+1$$\r\nとなるから,$z_1$ としてありうる値は $1, p+1$ に限られる.\r\n\r\n $z_1 = 1$ のとき,$2^p=pq+2$ となるが,左辺は偶数,右辺は奇数であるから矛盾する.\r\n\r\n $z_1=p+1$ のとき,\r\n$$q=\\dfrac{(p+1)2^p-p-2}{p} = 2^p-1 + \\frac{2^p-2}{p}$$ \r\nが成り立ち,$q$ が $1000$ 以下の素数となるのは $(p, q) = (5, 37)$ のときに限られる.このとき,$z_2$ が整数となることから $2^{r+5} \\equiv 1 \\pmod{37}$ が成り立つ.ここで,\r\n$$ 2^{18} \\equiv -1 \\not\\equiv 1, \\quad 2^{12} \\equiv -11 \\not\\equiv 1 \\pmod{37} $$\r\nであるから,$2$ の $\\mathrm{mod} ~ 37$ での位数は $36$ である.したがって $36 \\mid r+5$ となるような $r$ のみが適し,このような $1000$ 以下の $r$ のうち最大のものは $967$ である.\r\n\r\n 以上より,$pqr$ としてありうる最大値は $5 \\cdot 37 \\cdot 967 = \\textbf{178895}$ である.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omce011/editorial/7845" } ]
 $1000$ 以下の**相異なる奇素数**の組 $(p, q, r)$ であって,$q\lt 2^{p+1}$ を満たし,かつ $$\dfrac{(pq+1)(2^{p+r}-1)}{(2^p-1)q}$$ が整数となるようなものについて,$pqr$ としてありうる最大の値を解答してください.
OMCE011
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D
OMCE011(D)
500
36
78
[ { "content": " 前者の条件は,ある複素数係数多項式 $Q$ によって\r\n$$ \\begin{aligned} \r\nP(x) &= Q(x)\\cdot\\prod_{n=1}^{3000} \\bigg( x- \\bigg(\\cos{\\frac{2n}{3001}\\pi}+i\\sin{\\frac{2n}{3001}\\pi} \\bigg) \\bigg) +3001 \\\\\\\\\r\n&=Q(x)(x^{3000}+x^{2999}+\\ldots+x+1)+3001\r\n\\end{aligned}$$\r\n\r\nと表せることと同値であり,後者は同様にある複素数係数多項式 $R$ によって\r\n$$P(x)=R(x)(x^{7000}+x^{6999}+\\ldots+x+1)+7001$$\r\nと表せることと同値である.以下では\r\n$$A(x)=x^{3000}+x^{2999}+\\cdots+1, \\quad B(x)=x^{7000}+x^{6999}+\\cdots+1$$ \r\nとする.このとき $A$ と $B$ が互いに素であることに注意する.\\\r\n まず,このような $Q, R$ をひとつ見つける.$(m, n)=(1752,751)$ とおくと,これは $3001m-7001n=1$ をみたす.したがって,\r\n$$\\begin{aligned}\r\nQ_1(x) &= 4000(x^{3001(m-1)}+x^{3001(m-2)}+\\ldots+1),\\\\\\\\\r\nR_1(x) &= 4000x(x^{7001(n-1)}+x^{7001(n-2)}+\\ldots+1)\r\n\\end{aligned}$$\r\nとすれば,$Q = Q_1, ~ R = R_1$ が $Q(x)A(x)-R(x)B(x)=4000$ をみたす一つの構成となっている.$A, B$ が互いに素であることから,一般にある整数係数多項式 $S(x)$ によって \r\n$$ Q = Q_1 + BS, \\quad R = R_1 + AS $$\r\nと表される.これより,$R_1$ を $A$ で割ったあまりを $R_2$ とおくと,$R$ としてありうるもののうち次数が最小となるのは $R_2$ であるので,求める値は $P_2 = R_2B+7001$ としたときの $P_2(1)$ の値である.\\\r\n $R_2(x)$ は $R_1(x)$ を $(x-1)A(x)=x^{3001}-1$ で割ったのちに $A(x)$ で割ったあまりに等しい.$R_1(x)$ を $x^{3001}-1$ で割ったあまりは,非負整数 $j$ に対して $7001j$ を $3001$ で割ったあまりを $r_j$ として,\r\n$$4000(x^{r_{n-1}}+x^{r_{n-2}}+\\ldots+x^{r_1}+1)$$\r\nに等しい.$r_1, r_2, \\ldots,r_{n-1}$ のうち $3000$ に等しいものは存在しないため,\r\n$$ R_2(x) = 4000(x^{r_{n-1}}+x^{r_{n-2}}+\\ldots+x^{r_1}+1) $$\r\nが成り立つ.したがって,解答すべき値は\r\n$$ P_2(1) = R_2(1)B(1) + 7001 = 4000 \\cdot 752 \\cdot 7001 + 7001 = \\mathbf{21031011001} $$\r\nである.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omce011/editorial/13124" }, { "content": " 公式解説と同様に,\r\n$$\\begin{aligned}\r\nP(x) &= Q(x)(x^{3000}+x^{2999}+\\cdots +x+1)+3001\\\\\\\\\r\n& = R(x)(x^{7000}+x^{6999}+\\cdots +x+1)+7001\r\n\\end{aligned}$$\r\nとおく.まずは $P(x),Q(x),R(x)$ の次数を考えよう.\\\r\n $R(x)$ が $k$ 次式だとすれば,$Q(x)$ は $(k+4000)$ 次式であり,それぞれ $(k+1), (k+4001)$ の係数(定数項含む)の値が未知数となる.一方,$P(x)$ は$(k+7000)$ 次式なので,最初の式より $(k+7001)$ 個の方程式ができる.方程式が解を持つためには未知数以上の方程式の本数が必要なので,$k \\geq 2998$ であれば解を求められる.\\\r\n 以下,\r\n$$R(x)=a_0+a_1 x+a_2 x^2+ \\cdots + a_{2997} x^{2997}+ a_{2998} x^{2998}$$\r\nとおいて,$R(x)$ の係数たちを決定していく.\\\r\n 最初の式を $(x-1)$ 倍すると,\r\n$$R(x)(x^{7001}-1)+4000(x-1)$$\r\nは $(x^{3001}-1)$ を因数に持つ.次数を落として,\r\n$$R(x)(x^{999}-1)+4000(x-1)$$\r\nが $(x^{3001}-1)$ で割り切れればよい.ここで $R(x)=\\sum a_k x^k$ の式を用いて整理すると上の式は次のように書ける:\r\n$$\\begin{aligned}\r\n&a_{2998}x^{3997}+\\cdots+a_{2004}x^{3003}+a_{2003}x^{3002}+a_{2002}x^{3001}\\\\\\\\\r\n&+a_{2001}x^{3000}+a_{2000}x^{2999}+(a_{1999}-a_{2998})x^{2998}+\\cdots+(a_0-a_{999})x^{999}-a_{998}x^{998}-a_{997}x^{997}\\\\\\\\\r\n&-a_{996}x^{996}\\cdots-a_3x^3-a_2x^2-(a_1-4000)x-(a_0+4000)\r\n\\end{aligned}$$\r\n以上の式が $(x^{3001}-1)$ で割り切れることから,以下のことがわかる:\r\n\r\n- $a_0+4000=a_{2002}, a_1-4000=a_{2003}$\r\n- $a_k=a_{k+2002}$ ただし $2 \\leq k \\leq 996$\r\n- $a_{997}, a_{998}, a_{2000}, a_{2001}$ はいずれも $0$\r\n- $a_k=a_{k+999}$ ただし $0 \\leq k \\leq 1999$\r\n\r\n 上から条件 1, 2, 3, 4 と呼ぶことにする.\\\r\n 条件 2 と条件 4 から,$2 \\leq k \\leq 996$ の範囲で $a_k=a_{k+4}$ である.このこととと条件 3,条件 4 を用いると $a_2, a_3, a_5$ はいずれも $0$ である.(なお,さらに条件 2,条件 4 を用いれば $a_n=0$ を満たす $n$ はたくさんある.)\\\r\n $a_{2003}=0$ より $a_1=4000$ を得,これより\r\n$$a_1=a_4=\\cdots=a_{1000}=a_{1003}=\\cdots=a_{1999}=a_{2002}=\\cdots=a_{2998}=4000$$\r\nである.最後に,$a_0=0$ を得る.\r\n\r\n 求めたいものは $P(1)$ だった.$R(1)=4000 ×751=3004000$ であり,\r\n$$P(1)= 3004000\\cdot 7001 +7001=\\mathbf{21031011001}$$", "text": "地道に計算する", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omce011/editorial/13124/759" } ]
 複素数係数多項式 $P$ は, - $n=1,2,\ldots,3000$ に対して,$$P\bigg(\cos{\frac{2n}{3001}\pi}+i\sin{\frac{2n}{3001}\pi}\bigg)=3001$$ - $n=1,2,\ldots,7000$ に対して,$$P\bigg(\cos{\frac{2n}{7001}\pi}+i\sin{\frac{2n}{7001}\pi}\bigg)=7001$$ を満たしています.このような $P(x)$ のうち次数が最小であるものについて,$P(1)$ の値を解答してください.
OMCE011
https://onlinemathcontest.com/contests/all?page=1
https://onlinemathcontest.com/contests/omce011/tasks/8527
E
OMCE011(E)
800
7
20
[ { "content": " まずは次の補題を示す.\r\n\r\n----\r\n**補題.** $4$ 点 $I,J,D,X$ は同一円周上にある.\r\n<details><summary> **証明**<\\/summary>\r\n 線分 $DH,DE,DF$ の中点を $L,M,N$ とすると中点連結定理より,この $3$ 点は同一直線上にあり,次の角度計算により,$4$ 点 $I,L,K,J$ が同一円周上にあることがわかる.\r\n$$\\angle JLI = \\angle JHG = 90^\\circ - \\angle JGK = \\angle JKI$$\r\nここで,$\\omega$ による反転を考えると,直線 $MN$ は三角形 $IBC$ の外接円に移り,円 $I,L,K,J$ は直線 $JK$ に移る.これと,$X,Y$ の位置関係より,点 $L$ は点 $X$ に移ることがわかる.したがって $3$ 点 $I,L,X$は同一直線上にあり,次が成り立つ.\r\n$$IJ^2=ID^2=IL\\cdot IX$$\r\nよって $4$ 点 $I,J,D,X$ は同一円周上にある.$\\square$\r\n<\\/details>\r\n\r\n----\r\n\r\n 補題から,簡単な角度計算により,三角形 $IBC,JFE$ は相似であり,かつ三角形 $IDX,JHK$ も相似である.よって四角形 $IBXC,JFKE$ は相似であり,\r\n$$IX:JK=BC:FE=3:1$$\r\nがしたがう.また,次の角度計算により,$\\angle JIY=90^\\circ$ が示される.\r\n$$\\angle JYI+\\angle IJY=\\angle ICX +(90^\\circ -\\angle JEY)=90^\\circ$$\r\nよって線分 $JK$ の中点を $P$ とすれば,$\\angle IPJ=90^\\circ$ より次が成り立つ.\r\n$$JP\\cdot JY=JI^2$$\r\n以上より,$JK=2x, ~ IX=6x$ とおくことができ,次が成り立つ.\r\n$$\\begin{aligned}\r\n(6x)^2&=XL\\cdot XI+IL\\cdot IX\\\\\\\\\r\n&=XK\\cdot XJ+IJ^2\\\\\\\\\r\n&=XK\\cdot XJ+JP\\cdot JY\\\\\\\\\r\n&=11(2x+11)+x(2x+2)\r\n\\end{aligned}$$\r\nこの $x$ についての $2$ 次方程式を解くことで,$IX=6x=\\dfrac{36+\\sqrt{38322}}{17}$ を得るので,特に解答すべき値は $\\mathbf{38375}$ である.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omce011/editorial/8527" }, { "content": " 四角形 $FBCE$ の Miquel 点(三角形 $ABC$ の $\\angle A$ に関する sharky devil 点)を $Q$ とする.いま,角度計算から $[Q, F, H, E, J]$ と $[Q, B, D, C, I]$ は相似である.ここで,以下の補題を示す.\r\n<details>\r\n<summary>\r\nこの相似において $K$ と $X$ は対応する.\r\n<\\/summary>\r\n$K$ に対応する点 $Z$ を取る.相似において $\\omega$ と円 $IBC$ は対応するから,$Z$ は円 $IBC$ 上にある.また,$\\angle QDH=\\angle QIJ$ が回転相似から得られ,よって $Q, J, I, D$ は共円.これと $A, Q, F, I, E$ の共円から,$QI, JD, FE$ は共点.よって $$\\angle JQH=\\angle JDI=\\angle JKH$$ より,$Q, J, H, K$ は共円.したがって,$\\angle QKJ=\\angle QHJ$.いま,三角形 $QKZ$ と $QHD$ は相似だから,$Z$ は直線 $JK$ 上にあり,位置関係を考えて $Z=X$.\r\n<\\/details>\r\n\r\nしたがって,$\\angle QXK=\\angle QDJ$ より $X$ は円 $QJID$ 上にあるから,以下公式解説同様.", "text": "提出時の解法", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omce011/editorial/8527/764" }, { "content": " 線分 $JK$ の中点を $P$,円 $ABC$ の $A$ を含まない弧 $BC$ の中点を $R$ とすると,公式解説と同様の議論から $\\triangle IJK\\sim \\triangle RIX$ がわかる.\r\n$$\\angle KIP=\\frac{1}{2}\\angle JIK=\\frac{1}{2}\\angle IRX=\\angle IYP$$\r\nから $\\triangle IKP\\sim \\triangle YIP$ なので,$KP=x$ とおくと\r\n$$IX^2=(6x)^2=IP^2+PX^2=x(x+2)+(x+11)^2$$\r\n これを解くことで $IX$ の長さが求まる.", "text": "別解", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omce011/editorial/8527/768" } ]
 $AB\lt AC$ なる三角形 $ABC$ について内心を $I$,内接円を $\omega$ とします.$\omega$ と辺 $BC, CA, AB$ の接点を $D, E, F$ とし,$I$ について $D$ と対称な点を $G$ とします.$D$ から線分 $EF$ に下ろした垂線と線分 $EF,\omega$ の交点をそれぞれ $H, J ~ (\neq D)$ として,直線 $GH$ と $\omega$ の交点を $K ~ (\neq G)$ とします.すると,直線 $JK$ が三角形 $IBC$ の外接円と相異なる $2$ 点 $X, Y$ で交わり,さらに以下が成り立ちました. - $4$ 点 $J, K, Y, X$ はこの順に並び,$KY=2, ~ YX=9$ が成り立つ. - $EF:BC=1:3$ が成り立つ. - $Y$ は三角形 $ABC$ の内部にある. このとき,線分 $IX$ の長さは $a, c$ が互いに素であるような正整数 $a, b, c$ を用いて $\dfrac{a+\sqrt b}{c}$ と表せるので,$a+b+c$ の値を解答してください.
OMCE011
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F
OMCE011(F)
900
2
39
[ { "content": " 正の整数 $n$ に対して,$\\mathrm{mod} \\ n$ で問題文の条件を満たすような移動を $n^2-1$ 回したときに $P$ がいる可能性のある点の個数を $A_n$ で表す.求めるのは $A_{50}$ の値である.\\\r\n 一辺 $n$ のマス目で正方形を作り,その対辺どうしをつないでトーラスを作る.このとき,問題の条件を満たす経路とはすなわちその $n^2$ 個のマスをちょうど $1$ 度ずつ通るような経路である.経路長の $\\mathrm{mod} \\ n$ を考えれば,$un+v$ 回 $(u$ は非負整数,$0\\leq v \\leq n-1)$ の操作を終わらせたあとに $P$ がいるべきマスは図1$(n=7$ の場合$)$ のように塗り分けたマスのうち $v$ と書き込まれた場所のどこかであり,特にすべての移動が終わったあとにいるべきマスは $n-1$ が書かれたマスである.\r\n\r\n![figure 1](\\/images\\/MYTgbChSIOQvuXTl8bTlxb59ZUSQjtwxtMpOYUPW)\r\n\r\n さて,以下 $0$ が書かれたマス $n$ 個を総称して**スタートマス**,$n-1$ が書かれたマス $n$ 個を総称して**ゴールマス**と呼ぶことにする.このとき,$P$ は $n^2-1$ 回の移動の中で $n$ 回スタートマスからゴールマスへの移動 $($経路長 $n-1)$ をし,また $n-1$ 回ゴールマスからスタートマスへの移動 $($経路長 $1)$ をすることになる.スタートマス,ゴールマスを除いた $n(n-2)$ 個のマス目を前者の移動ですべて網羅しなければならないことから,前者の移動の仕方は $n$ 回すべてにおいて合同でなければならないことがわかる(これは経路中で $P$ が曲がる部分に着目すると示すことができる).\\\r\n ここで,$P$ が最終的にいるマス目の $x$ 座標はすなわち,$P$ が右に動いた回数である.この動いた回数は,$0$ 以上 $n$ 未満の整数 $k,l$ を用いて $kn+l$ と一意的に表せるため,以下 $P$ が右に動いた回数を $(k,l)$ の形で表すこととする.このとき,$k$ の値はスタートマスからゴールマスへの各移動で右に何マス動いたかを示すものであり,$l$ の値はゴールマスからスタートマスへの計 $n-1$ 回の移動のうち何回右に動いたかを示すものである.\\\r\n この $k,l$ の値が一定ならば,スタートマスからゴールマスへの移動の仕方は,実際にそのような移動が可能かどうかに影響しない.すなわち,スタートマスからゴールマスへの移動は,$y$ 軸方向に $n-1-k$ マス動き,その後 $x$ 軸方向に $k$ マス動く場合のみを考えればよい.\\\r\n このとき,実際に最終的な $x$ 座標が $(k,l)$ とすることができるかどうかは,図2( $n=7,k=2,l=3$ の場合)のように実際に経路を書き,ゴールへたどり着くまでにすべての経路を通れるかを検証すればいい.たとえば図2では,ゴールへたどり着くまですべての経路を通っていないので,$n=7$ において $(k,l)=(2,3)$ とすることはできない.ここで,どの隣接するスタートマスとも直接連結されていないゴールマスを**行き止まり**とよぶ.\r\n\r\n![figure 1](\\/images\\/6YNGvsVNNlR6K5fSH9JliACGidCCWRj4aNgi770b)\r\n\r\n さて,$(k,l)$ の値によって場合分けをする.\r\n\r\n- $(1)$ $l=0$ のとき\\\r\n $a$ 回目にたどり着くゴールマスの $x$ 座標は $ak$ と $\\mathrm{mod}\\ n$ で合同.行き止まりとなるゴールマスは $x=0$ 上のものであるため,$ak\\ (a=1,\\ldots,n)$ が $a=n$ で初めて $n$ の倍数となればよい.つまり $k$ と $n$ が互いに素であることが条件であるため,場合の数は $\\varphi(n)$ ($\\varphi$ はEuler関数).\r\n\r\n- $(2)$ $k=l\\neq 0$ のとき\\\r\n 始めにたどりつくゴールマスが行き止まりなので,明らかに不適.\r\n\r\n- $(3)$ それ以外\\\r\n  $P$ が最初にいたスタートマスと同じ $y$ 座標のマス及び最初に着いたゴールマスと同じ $x$ 座標のマスを削除し,離れた部分をくっつけるようにして新たに一辺 $n-1$ の正方形を作る(図3).\r\n\r\n![figure 1](\\/images\\/i3Qd2qhaIeIFGAmyc0fZW3HMg0VCVWlhx6l7tBc8)\r\n\r\nこのとき場合分けより行き止まりのゴールマスは消去されず,もとの正方形で $P$ が $n$ または $n+1$ 回目の操作で到着したマス $A$ 及び行き止まり以外はすべての出入りが連結される.また新たにループが生まれる・消えることもないため,このマス $A$ を新たに点 $P$ の初期位置と定めると,一辺 $n-1$ の正方形における新たな経路を得ることができる.この場合分けに該当する $(k,l)$ の組は $(n-1)^2$ 個であり,操作によって消去される $x$ 方向の移動の回数に着目すれば,一辺 $n-1$ の正方形の経路における $x$ 方向の移動の回数は\r\n$$\\begin{cases}\r\nkn+l-2k & (l\\lt k) \\\\\\\\\r\nkn+l-(2k+1) & (l \\gt k)\r\n\\end{cases}$$\r\nであり,場合分けの条件下においてこれは $0$ 以上 $(n-1)^2$ 未満の任意の整数値をちょうど一度ずつとる.したがって,この場合に問題の条件を満たす $(k, l)$ の個数は $A_{n-1}$ に等しい.\r\n\r\n 以上より,任意の $2$ 以上の整数 $n$ について $A_n=A_{n-1}+\\varphi(n)$ を得る.さらに $A_1=1=\\varphi(1)$ なので,\r\n$$A_n=\\sum_{k=1}^{n}\\varphi(k)$$\r\nであり,これを計算すればよい.$50$ 以下の正の整数の組 $(k,l)$ であって $k$ と $l$ が互いに素となるようなものの個数は $2A_{50}-1$ に等しく,一方でこれは $k,l$ がともに $2,3,5,\\ldots$ の倍数である場合をそれぞれ計算することで $1547$ に等しいことがわかる.これより $A_{50}=\\mathbf{774}$ がわかり,これが解答すべき値である.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omce011/editorial/8764" } ]
 点 $P$ ははじめ $xy$ 座標平面上の点 $(0,0)$ にいます.$P$ を $x$ 軸の正方向と $y$ 軸の正方向のいずれかに $1$ だけ移動させる操作をちょうど $2499$ 回繰り返すと, $P$ は点 $(a, b)$ に到達し,さらに以下の条件が満たされていました. - **条件:** $0$ 以上 $2499$ 以下の整数 $k$ に対して,$x_k, y_k$ をそれぞれ $P$ が $k$ 回移動した直後の $x,y$ 座標を $50$ で割った余りとしたとき,$0\leq i\lt j\leq 2499$ をみたす任意の整数の組 $(i,j)$ に対して $(x_i, y_i) ≠ (x_j, y_j)$ が成り立つ. このとき,非負整数の組 $(a, b)$ としてありうるものはいくつありますか?
OMCB031
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https://onlinemathcontest.com/contests/omcb031/tasks/11761
A
OMCB031(A)
100
280
312
[ { "content": " $TQ+QC=DC$より,次のように計算できる.\r\n$$\\begin{aligned}\r\n\\square SQCR&=QC^2\\\\\\\\\r\n&=QC(DC-TQ)\\\\\\\\\r\n&=2\\triangle DCQ-2\\triangle TQC\\\\\\\\\r\n&=2(\\triangle DUC +\\triangle UQC)-2(\\triangle TUQ+\\triangle UQC)\\\\\\\\\r\n&=2(\\triangle DUC-\\triangle TUQ)\\\\\\\\\r\n&=2\\cdot 12\\\\\\\\\r\n&=\\bf24\r\n\\end{aligned}$$", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omcb031/editorial/11761" } ]
 正方形 $ABCD$ の辺 $AB$ 上に点 $P$,辺 $BC$ 上に点 $Q$,辺 $CD$ 上に点 $R$ があります.正方形 $ABCD$ の内部に点 $S,T$ をとると四角形 $PBQT,SQCR$ はいずれも正方形となりました.このとき線分 $TC$ と線分 $QD$ は交点を持つので,その点を $U$ すると,次が成り立ちました. - 三角形 $DCU$ の面積は三角形 $TQU$ の面積よりも $12$ 大きい. 正方形 $SQCR$ の面積を求めてください.
OMCB031
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https://onlinemathcontest.com/contests/omcb031/tasks/9113
B
OMCB031(B)
200
277
335
[ { "content": " 一般に $n$ 桁の正整数 $\\overline{a_{n-1}a_{n-2}\\dots a_0}$ を $11$ で割ったあまりは\r\n$$\\overline{a_{n-1}a_{n-2}\\dots a_0}=\\sum_{k=0}^{n-1}10^ka_k\\equiv a_0-a_1+\\dots +(-1)^{n-1}a_{n-1}\\pmod{11}$$\r\nを $11$ で割った余りに等しい.したがって問題文の条件は「下から数えて奇数桁目に含まれる $1$ の数と,偶数桁目に含まれる $1$ の数が等しい」と言いかえられる.よって $10^{10}$ の位が $1$ であることに加え,次の条件を考えれば良い.\r\n- $11$ 桁目を除く奇数桁目の $1$ と偶数桁目の $0$ の個数の和が $4$ である.\r\n\r\n以上より条件を満たす正整数の個数は ${}_{10}\\text{C}_4=\\mathbf{210}$ である.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omcb031/editorial/9113" } ]
 次の条件を満たす正整数はいくつありますか? - ちょうど $11$ 桁である. - $11$ で割り切れる. - 各位の数が $0$ と $1$ で構成されている.
OMCB031
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https://onlinemathcontest.com/contests/omcb031/tasks/11373
C
OMCB031(C)
200
193
259
[ { "content": " $h(x) = f(x) - g(x)$ とすると,$f(x)$ と $g(x)$ の $x^3$ の係数がともに $1$ であることから,$h(x)$ は $2$ 次多項式となる.また,問題文の上 $2$ 式より,$x=-2,-6$ は方程式 $h(x)+x^2$ の $2$ 解であるので,ある実数 $a$ が存在して次が成立する.\r\n$$h(x)+x^2=a(x+2)(x+6)$$\r\nこの式に $x=2$ を代入して $h(2)=4$ を用いると,$8=32a$ より $a=\\dfrac{1}{4}$ を得る.以上より,\r\n$$f(x)-g(x)=\\frac{1}{4}(x+2)(x+6)-x^2$$\r\nなので,$g(6)=f(6)-\\dfrac{1}{4}\\cdot 8\\cdot 12+6^2=\\mathbf{108}$ である.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omcb031/editorial/11373" } ]
 ともに $x^3$ の係数が $1$ である実数係数 $3$ 次多項式 $f(x),g(x)$ が以下を満たしています. $$ \left\lbrace \begin{aligned} &f(-6) = g(-6) - 36 \\\\ &f(-2) = g(-2) - 4 \\\\ &f(2) = g (2) + 4 \\\\ &f(6) = 96 \end{aligned} \right. $$  このとき,$g(6)$ としてあり得る値の総和を解答してください.
OMCB031
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https://onlinemathcontest.com/contests/omcb031/tasks/11126
D
OMCB031(D)
300
108
139
[ { "content": " 点 $D$ を線分 $CD$ が三角形 $ABC$ の外接円の直径となるようにとる.簡単な角度計算より,$D$ は直線 $CP$ 上にある.三角形 $ACP,DBP$ は相似なので,次が成り立つ.\r\n$$BD=BP\\cdot \\frac{CA}{CP}=\\frac{35}{8}$$\r\nこれと $\\angle DBC=90^\\circ$ より,三平方の定理から,直径 $CD$ の長さの $2$ 乗は\r\n$$BD^2+BC^2=\\frac{4361}{64}$$\r\nである.特に解答すべきは $\\bf4425$.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omcb031/editorial/11126" }, { "content": " $ \\angle ABC =\\theta, \\angle BAC= \\phi, \\angle BPC=\\alpha$ とおいて,$\\triangle APC, \\triangle BPC$ に正弦定理を適用する.\r\n\r\n- $\\dfrac{7x}{\\sin \\alpha}=\\dfrac{8x}{\\sin \\phi}$\r\n- $\\dfrac{7}{\\sin \\alpha}=\\dfrac{8x}{\\sin \\theta}=\\dfrac{5}{\\cos \\phi}$\r\n\r\nである.これより$\\dfrac{8}{\\sin \\phi}=\\dfrac{5}{\\cos \\phi}$ を得るので,$\\sin \\phi=\\dfrac{8}{\\sqrt{89}}$ である.あとは正弦定理を用いればよい.", "text": "三角比", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omcb031/editorial/11126/761" } ]
 $BC=7$ なる三角形 $ABC$ において,辺 $AB$ 上に点 $P$ をとると,以下が成立しました. $$\angle ABC + \angle ACP=90^\circ, CA:CP=7:8, BP=5$$  このとき,三角形 $ABC$ の外接円の**直径**の長さは互いに素な正整数 $a,b$ を用いて $\displaystyle\sqrt{\frac{a}{b}}$ と表されるので,$a+b$ の値を解答してください.
OMCB031
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E
OMCB031(E)
300
101
168
[ { "content": " $a \\leq b \\leq c$ なる非負整数 $a,b,c,d$ について,方程式 $2^a+2^b+2^c=2^d$ の一般解を考える.$2^c \\lt 2^d$ より,\r\n$$\\frac{1}{2^{d-a}} + \\frac{1}{2^{d-b}} + \\frac{1}{2^{d-c}} = 1$$\r\nが成り立つ.$1 \\leq d-c \\leq d-b \\leq d-a$ から,\r\n$$1 = \\frac{1}{2^{d-a}} + \\frac{1}{2^{d-b}} + \\frac{1}{2^{d-c}} \\leq \\frac{3}{2^{d-c}}$$\r\nより $d-c = 1$ が得られ,残りも同様にして $d-b = d-a = 2$ となる.したがって一般解は $t$ を非負整数として,\r\n$$(a,b,c,d) = (t,t,t+1,t+2)$$\r\nで与えられる.いま,$2^p + 2^{2q} + 2^{3r} = 2^{4s}$ から\r\n$$(p,2q,3r,4s) = (t,t,t+1,t+2),(t,t+1,t,t+2),(t+1,t,t,t+2)$$\r\nの $3$ つのケースに分けられる.\r\n- $(p,2q,3r,4s) = (t,t,t+1,t+2)$ のとき,$2 \\mid t, ~ 3 \\mid t+1, ~ 4 \\mid t+2$ より,$t \\equiv 2 \\pmod {12}$.よって,一般解は $k$ を $0$ 以上 $29$ 以下の整数として,\r\n$$(p,q,r,s) = (12k+2,6k+1,4k+1,3k+1)$$ \r\nで与えられ,このとき $p+q+r+s = 25k+5$ となる.\r\n\r\n- $(p,2q,3r,4s) = (t,t+1,t,t+2)$ のとき,$2 \\mid t+1, ~ 3 \\mid t, ~ 4 \\mid t+2$ であるが,これらを同時にみたすような非負整数 $t$ は存在しない.\r\n\r\n- $(p,2q,3r,4s) = (t+1,t,t,t+2)$ のとき,$2 \\mid t, ~ 3 \\mid t, ~ 4 \\mid t+2$ より $t \\equiv 6 \\pmod {12}$.よって,一般解は $k$ を $0$ 以上 $29$ 以下の整数として\r\n$$(p,q,r,s) = (12k+7,6k+3,4k+2,3k+2)$$ \r\nで与えられ,このとき $p+q+r+s = 25k+14$ となる.\r\n\r\n 以上より,求める値は,\r\n\r\n$$\\sum_{k=0}^{29} (50k+19) = 50 \\times \\frac{29 \\times 30}{2} + 19 \\times 30 = \\mathbf{22320}$$", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omcb031/editorial/11082" } ]
 以下の等式を満たす $1$ 以上 $360$ 以下の整数の組 $(p,q,r,s)$ 全てについて,$p+q+r+s$ の総和を求めてください. $$2^p + 4^q + 8^r = 16^s$$
OMCB031
https://onlinemathcontest.com/contests/all?page=1
https://onlinemathcontest.com/contests/omcb031/tasks/11430
F
OMCB031(F)
400
14
60
[ { "content": " 色の予想は玉の取り出し方に影響を及ぼさないため,各回残りが多いほうの色を,残りが同じ場合は適当に予想すれば期待値が最大になる.このような予想法を最良の予想法と呼ぶことにする.\\\r\n ところで,残りが多い色の残っている玉の数(同じ場合はどちらか一方の数)を $M$ とおき,$M$ の変化を観察すると\r\n\r\n- どちらかの色の残っている玉の数がもう一方の色の残っている玉の数より真に大きく,しかも残っている玉の数が多い色の玉が取り出されたとき,かつその時に限り$1$ だけ減少する.\r\n\r\n $M$ は最初は $7$ で最後は $0$ なので,最良の予想法を行ったときは $2$ 色の残っている玉の数が同じ回を除いて,ちょうど $7$ 点獲得する.したがってゲーム中に終了時を除いて $2$ 色の残っている玉の数が同じになる回数の期待値を $E$ とおくと,求める期待値は $7 + \\dfrac 1 2E$ となる.\\\r\n  ${}\\_{14}\\mathrm{C}\\_{7}$ 通りのすべての玉の取り出し方はすべて等確率で現れるので,$E$ を求めるために $2$ 色の残っている玉の数がともに $i$ $(i = 1, 2, \\ldots, 7)$ となることがある玉の取り出し方を数えることで,\r\n\r\n$$E = \\frac1{{}\\_{14}\\mathrm{C}\\_{7}}\\sum_{i=1}^7 {}\\_{2(7 - i)}\\mathrm{C}\\_{7 - i}\\times{}\\_{2i}\\mathrm{C}\\_{i} = \\frac{1619}{429} $$\r\n\r\nとなる.よって,求める期待値は $\\dfrac{7625}{858}$ であり,特に解答すべき値は $\\mathbf{8483}$ である.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omcb031/editorial/11430" }, { "content": " 白玉を既に $x$ 個, 黒玉を既に $y$ 個取り出した状態を格子点 $(x,y)$ に対応させます.すると $\\{}_{14}\\mathrm{C}\\_{7}$ 通りある経路から等確率に $1$ つ経路を選び[図](https:\\/\\/pbs.twimg.com\\/media\\/Gfhi52xbAAAvDyh?format=jpg&name=medium)において, 赤色の長さ $1$ の線分を通った際 $1$ 点, 青色の長さ $1$ の線分を通った際 $1\\/2$ 点を得るゲームと見なすことができます. よって, 全ての経路に対し得られる得点の合計を計算し, 経路数 $\\{}\\_{14}\\mathrm{C}\\_{7}$ で割れば良いです.\r\n\r\n $\\{}\\_{14}\\mathrm{C}\\_{7}$ 通り全ての経路に対し, どの経路も赤い線分はちょうど長さ $7$ の分通ることが観察するとわかります. 次に全ての経路に対し青い線分の得点の合計を求めればよく, 各青い線分に関してそれを通る経路数を計算します. $(k,k)$ と $(k,k+1)$ を結ぶ線分を通る経路数は ${}\\_{2k}\\mathrm{C}\\_k\\cdot {}\\_{2(6-k)+1}\\mathrm{C}\\_{6-k}$ であり, 同様に $(k,k)$ と $(k+1,k)$ を結ぶ線分を通る経路数も ${}\\_{2k}\\mathrm{C}\\_k\\cdot {}\\_{2(6-k)+1}\\mathrm{C}\\_{6-k}$ であります. よって求める期待値は,\r\n$$\\frac{7\\times {}\\_{14}\\mathrm{C}\\_7\r\n+\\displaystyle\\frac{1}{2}\\Big(2\\sum\\_{k=0}^6{}\\_{2k}\\mathrm{C}\\_k\\cdot {}\\_{2(6-k)+1}\\mathrm{C}\\_{6-k}\\Big)}{{}\\_{14}\\mathrm{C}\\_7}$$\r\nとなります.\r\n\r\n---\r\n補足.\r\n$\\sum\\_{k=0}^N{}\\_{2k}\\mathrm{C}\\_k\\cdot {}\\_{2(N-k)+1}\\mathrm{C}\\_{N-k}$ は母関数を用いると以下のように綺麗な形にすることができます. 参照:[OMCE002-F解説](https:\\/\\/onlinemathcontest.com\\/contests\\/omce002\\/editorial\\/8694).\r\n$$\r\n\\begin{aligned}\r\n&\\sum\\_{k=0}^N{}\\_{2k}\\mathrm{C}\\_k\\cdot {}\\_{2(N-k)+1}\\mathrm{C}\\_{N-k}\\\\\\\\\r\n&=[x^N]\\Big(\\sum_{k=0}^{\\infty}{}\\_{2k}\\mathrm{C}\\_k x^k\\Big)\\Big(\\sum_{k=0}^{\\infty}{}\\_{2k+1}\\mathrm{C}\\_k x^k\\Big)\\\\\\\\\r\n&=[x^N]\\Big(\\frac{1}{\\sqrt{1-4x}}\\Big)\\Big(\\frac{1}{\\sqrt{1-4x}}\\Big(\\frac{1-\\sqrt{1-4x}}{2x}\\Big)\\Big)\\\\\\\\\r\n&=[x^N]\\frac{1}{2x}\\Big(\\frac{1}{1-4x}-\\frac{1}{\\sqrt{1-4x}}\\Big)\\\\\\\\\r\n&=[x^N]\\frac{1}{2x}\\Big(\\frac{1}{1-4x}-\\frac{1}{\\sqrt{1-4x}}\\Big)\\\\\\\\\r\n&=\\frac{1}{2}[x^{N+1}]\\Big(\\frac{1}{1-4x}-\\frac{1}{\\sqrt{1-4x}}\\Big)\\\\\\\\\r\n&=\\frac{1}{2}\\Big(4^{N+1}-{}\\_{2(N+1)}\\mathrm{C}\\_{N+1}\\Big)\\\\\\\\\r\n\\end{aligned}\r\n$$", "text": "グリッドの経路に言い換え", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omcb031/editorial/11430/766" } ]
 白玉 $7$ 個,黒玉 $7$ 個が入った箱があり,これを用いて次の手順で箱の中の玉がなくなるまでゲームを行います. - 白と黒のどちらかの色を指定する. - 箱の中から玉を $1$ つ取り出し,その玉の色が指定した色と同じならば $1$ 点獲得し,そうでないならば $0$ 点を獲得する. - 取り出した玉は捨て,始めの手順(色の指定)に戻る. ただし,箱の中の玉はすべて等確率で取り出されるとします.獲得点数の期待値が最大になるように色の予想を行うと,そのときの期待値は互いに素な正の整数 $a, b$ を用いて $\dfrac{a}{b}$ と表されるので,$a + b$ を解答してください.
OMC238
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https://onlinemathcontest.com/contests/omc238/tasks/9652
A
OMC238(A)
100
341
349
[ { "content": " $P$ と $a,b,c,d$ の距離をそれぞれ $x_a, x_b, x_c, x_d$ とする.\\\r\n $a$ と $c$ は平行であるから,$P$ が $a,c$ の間にある場合とそうでない場合があり,それぞれの場合について $a$ と $c$ の距離は $x_a+x_c,|x_a-x_c|$ である.$b$ と $d$ の距離についても同様であるから,あり得る $4$ 値の総和は\r\n$$\\big ( (x_a+x_c)+|x_a-x_c|\\big) \\big ( (x_b+x_d)+|x_b-x_d|\\big)=\\bf251000$$\r\nである.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc238/editorial/9652" } ]
 平面上に相異なる $4$ 直線 $a,b,c,d$ があり, $$a \perp b, b \perp c, c \perp d$$ を満たします.また同じ平面上にある点 $P$ があり,$P$ と $a,b,c,d$ の距離はそれぞれ $248,249,250,251$ でした.\  このとき,$a,b,c,d$ で囲まれた長方形の面積としてあり得る値は $4$ 種類あるので,それらの総和を求めて下さい.
OMC238
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https://onlinemathcontest.com/contests/omc238/tasks/11653
B
OMC238(B)
300
190
305
[ { "content": " 非負整数の組 $(a_0, a_1\\ldots, a_{10})$ であって,\r\n$$ 0 \\le a_0 \\le a_1 \\le \\cdots \\le a_{10} \\le 10 $$\r\nを満たすものを考えると,これは $x$ 軸あるいは $y$ 軸正方向に $1$ だけ移動することを繰り返して $(0, 0)$ から $(11, 10)$ まで移動する方法と一対一に対応する(組 $(a_0, a_1, \\ldots, a_{10})$ と線分 $\\\\{ (x, a_n) \\mid n \\le x \\le n+1 \\\\}$ を通るような道順を対応づければよい).このような方法は ${}\\_{21} \\mathrm{C}\\_{10}$ 通りある.また,組 $(a_0, a_1, \\ldots, a_{10})$ と組 $(10-a_{10}, 10-a_9, \\ldots, 10-a_{0})$ を対応づけることにより,$a_5 \\le 4$ をみたす組と $a_5 \\ge 6$ をみたす組の数は等しい.$a_5 = 5$ をみたす組は $({}\\_{10} \\mathrm{C}\\_{5})^2$ 個あるので,求める値は\r\n$$ \\frac{{}\\_{21} \\mathrm{C}\\_{10} + ({}\\_{10} \\mathrm{C}\\_{5})^2}{2} = \\mathbf{208110} $$\r\nである.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc238/editorial/11653" } ]
 広義単調増加な非負整数列 $a_0,a_1,...,a_{10}$ であって,$a_5 \le 5$ かつ $a_{10} \le 10$ をみたすものは何通りありますか.
OMC238
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C
OMC238(C)
300
193
254
[ { "content": "$$f(n)=\\frac{\\sqrt{n^2+8n+2d(d(n))+12}}{d(n)}$$\r\nとおくと,$f(n)$ が整数であるとき $n^2+8n+2d(d(n))+12$ は平方数である.ここで,任意の正の整数 $m$ について,$m$ の正の約数は $m$ 個以下であるので,$d(m)\\le m$である.よって,$d(d(n))\\le d(n) \\le n$ であるので,\r\n$$(n+3)^2\\lt\r\nn^2+8n+2d(d(n))+12\\le\r\nn^2+8n+2n+12\\lt\r\n(n+5)^2\r\n$$\r\nが成り立ち,$n^2+8n+2d(d(n))+12 = (n+4)^2$,すなわち $d(d(n)) =2$ を得る.したがって,素数 $p,q$ を用いて $d(n)=p,\\ n=q^{p-1}$と表せる. これを $f(n)$ の式に代入することにより $f(n)=\\dfrac{q^{p-1}+4}{p}$ を得るので,この値が整数となる条件を調べる.\r\n\r\n- $p=q$ のとき,$f(n)=\\dfrac{p^{p-1}+4}{p}=p^{p-2}+\\dfrac{4}{p}$ であるので,$f(n)$ が整数であるとき $p=2$ である.よって,$n = 2$ を得る.\r\n- $p\\neq q$ のとき,$f(n)=\\dfrac{q^{p-1}+4}{p}=\\dfrac{q^{p-1}-1}{p}+\\dfrac{5}{p}$であり,Fermatの小定理により $\\dfrac{q^{p-1}-1}{p}$ は整数であるので,$f(n)$ が整数となるとき $p=5$ である.このとき $q$ は $5$ でない任意の素数である.\r\n\r\n 以上より,$f(n)$ が整数となるような $n$ は小さいほうから $2, 2^4, 3^4, 7^4, \\ldots$ であるから,解答すべき値は \r\n$$2+2^4+3^4+7^4=\\mathbf{2500}$$ \r\nである.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc238/editorial/11674" } ]
 正整数 $x$ に対して $d(x)$ で $x$ の正の約数の個数を表すとき, $$\frac{\sqrt{n^2+8n+2d(d(n))+12}}{d(n)}$$ が整数となるような正整数 $n$ のうち,小さいほうから $4$ つの総和を解答してください.
OMC238
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https://onlinemathcontest.com/contests/omc238/tasks/11356
D
OMC238(D)
300
167
225
[ { "content": " $1$ 以上 $50$ 以下の整数の集合を,最大の奇数の約数が同じである集合,すなわち\r\n$$\\\\{1,2,4,...,32\\\\},\\\\{3,6,...,48\\\\},\\\\{5,10,20,40\\\\},\\cdots, \\\\{49\\\\}$$\r\nに分割し,順に $U_1,U_3,...,U_{49}$ とする.\\\r\n $1$ 以上 $49$ 以下の相異なる奇数 $i,j$ と $x\\in U_i$ および $y\\in U_j$ に対して,$x\\in A$ かどうかは $y\\in A$ かどうかに影響しないので,$k=1,3,...,49$ に対して,$U_k\\cap A$ を定めれば良い.$U_k\\cap A$ の定め方が $u_k$ だけあるとする.$U_k$ の要素を小さい順に並べたとき,条件より隣り合う要素がどちらも $A$ の要素になることはないので,$u_k$ は次の数に等しい.\r\n- コインを左右に $|U_k|$ 個並べる方法であって,裏向きのコインが隣り合わないような並べ方の数.\r\n\r\nコインが $n$ 個あるときの並べ方が $F_n$ だけあるとすると,一番左のコインの表裏で場合分けすることで,次の漸化式を得る.\r\n$$F_{n+2}=F_{n+1}+F_n$$\r\nこれと $F_1=2,F_2=3$ より,$F_3=5,F_4=8,F_5=13,F_6=21$ である.\\\r\n $U_k$ の要素の数を調べると,\r\n$$\r\n|U_k|=\r\n\\left\\\\{ \r\n \\begin{aligned}\r\n & 6 \\\\ (k=1) \\\\\\\\\r\n & 5 \\\\ (k=3) \\\\\\\\\r\n & 4 \\\\ (k=5) \\\\\\\\\r\n & 3 \\\\ (k=7,9,11) \\\\\\\\\r\n & 2 \\\\ (k=13,15,...,25) \\\\\\\\\r\n & 1 \\\\ (k=27,29,...,49)\r\n \\end{aligned}\r\n\\right.\r\n$$\r\nであるので,$N$ の値は次のように計算できる.\r\n$$\\begin{aligned}\r\nN&=u_1\\times u_3\\times \\cdots \\times u_{49}\\\\\\\\\r\n&=F_{|U_1|}\\times F_{|U_3|}\\times \\cdots \\times F_{|U_{49}|}\\\\\\\\\r\n&=F_6\\times F_5 \\times F_4 \\times F_3^3 \\times F_2^7 \\times F_1^{12}\\\\\\\\\r\n&=21\\times 13 \\times 8 \\times 5^3 \\times 3^7 \\times 2^{12}\\\\\\\\\r\n&=2^{15}\\cdot 3^{8}\\cdot 5^{3}\\cdot 7\\cdot 13\r\n\\end{aligned}$$\r\nこれの正の約数の個数は $\\bf2304$ である.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc238/editorial/11356" } ]
 次をみたすような (空集合でもよい) 集合 $A$ の個数を $N$ とするとき,$N$ の正の約数の個数を解答してください. - $A$ は $\\{1,2,\ldots, 50\\}$ の部分集合である. - 任意の $A$ の要素 $x$ について,$2x$ は $A$ の要素でない.
OMC238
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E
OMC238(E)
400
111
150
[ { "content": " 求める値は\r\n$$(a^3+abc)(b^3+abc)(c^3+abc)=abc(a^2+bc)(b^2+ca)(c^2+ab)$$\r\nに等しい.一方で,与えられた等式の第一式の両辺に $abc$ をかけて変形することで,\r\n$$c(b^2+ca)=ab(c-a), \\hspace{1pc} a(c^2+ab)=bc(a-b), \\hspace{1pc} b(a^2+bc)=ca(b-c)$$\r\nという $3$ つの等式を得る. 辺々掛け合わせて\r\n$$abc(a^2+bc)(b^2+ca)(c^2+ab) = (abc)^2(a-b)(b-c)(c-a)$$\r\nが成り立つことがわかるので,求める値は $3^2\\times 6 =\\textbf{54}$ である.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc238/editorial/11671" }, { "content": " $\\dfrac{b}{a}+\\dfrac{c}{b}+\\dfrac{a}{c}=1$ より $a^2b+b^2c+c^2a=abc=3$ を得る.\\\r\n また $(a-b)(b-c)(c-a)=6$ より $ab^2+bc^2+ca^2=9$ を得る.\\\r\n これらの結論を掛け合わせて計算してみると\r\n$$\\begin{aligned}\r\n(a^2b+b^2c+c^2a)(ab^2+bc^2+ca^2)&=27\\\\\\\\\r\na^3b^3+b^3c^3+c^3a^3+abc(a^3+b^3+c^3)+3a^2b^2c^2&=27 \\\\\\\\\r\na^3b^3+b^3c^3+c^3a^3+3(a^3+b^3+c^3)&=0\r\n\\end{aligned}$$\r\n従って,\r\n$$\\begin{aligned}\r\n(a^3+3)(b^3+3)(c^3+3)&=a^3b^3c^3+3(a^3b^3+b^3c^3+c^3a^3)+9(a^3+b^3+c^3)+27\\\\\\\\\r\n&=a^3b^3c^3+27\\\\\\\\\r\n&=\\mathbf{54}\r\n\\end{aligned}$$", "text": "別解", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc238/editorial/11671/754" }, { "content": " $$\\alpha=\\frac{b}{a}, \\beta=\\frac{c}{b}, \\gamma=\\frac{a}{c}$$\r\nとおくと,$\\alpha \\beta \\gamma=1$ であり,条件より\r\n$$\\alpha+\\beta+\\gamma=3, (\\alpha-1)(\\beta-1)(\\gamma-1)=2$$\r\nなので $\\alpha \\beta + \\beta \\gamma + \\gamma \\alpha=1$ に注意すれば,$\\alpha,\\beta,\\gamma$ は $3$ 次方程式 $x^3-3x+x-1=0$ の $3$ 解である.\r\n\r\n ここで,\r\n$$a^3+abc = abc \\Big( \\dfrac{a^2}{bc} +1 \\Big) = 3 \\Big( \\dfrac{\\gamma}{\\alpha} +1 \\Big)$$\r\nで,$b^3+abc,c^3+abc$ についても同様なので,求める値は\r\n$$27 \\Big( \\dfrac{\\alpha}{\\beta} +1 \\Big) \\Big( \\dfrac{\\beta}{\\gamma} +1 \\Big) \\Big( \\dfrac{\\gamma}{\\alpha} +1 \\Big) = 27× \\dfrac{(\\alpha+ \\beta)(\\beta + \\gamma)(\\gamma + \\alpha)}{\\alpha \\beta \\gamma}$$\r\nに等しい.右辺の分子については\r\n$$(\\alpha+ \\beta)(\\beta + \\gamma)(\\gamma + \\alpha) = (3-\\alpha)(3-\\beta)(3-\\gamma)$$\r\nであり,これは $3^3-3×3^2+3-1=2$ である.よって,求める答は\r\n$$27×\\dfrac{2}{1} = \\mathbf{54}.$$", "text": "解と係数の関係", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc238/editorial/11671/760" } ]
 $0$ でない複素数 $a,b,c$ であって, $$\frac{b}{a}+\frac{c}{b}+\frac{a}{c}=1, \hspace{1pc} (a-b)(b-c)(c-a)={6}, \hspace{1pc} abc={3}$$ を同時に満たすものが存在します.このような $a,b,c$ に対して, $$(a^3+3)(b^3+3)(c^3+3)$$ の値は一意に定まるので,その値を解答してください.
OMC238
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https://onlinemathcontest.com/contests/omc238/tasks/4683
F
OMC238(F)
600
0
34
[ { "content": " 直線 $MP$ と直線 $NQ$ の交点を $S$ とおくと,$R$ が存在することより $S$ は直線 $AC$ について $B$ と反対側かつ直線 $BD$ について $C$ と反対側にある.また,$SA=SB, SC=SD, AC=BD$ が成立することから, 三角形 $SAC$ と三角形 $SBD$ は合同である.よって,$\\angle ASB=\\angle CSD$ であるので,三角形 $SAB$ と三角形 $SCD$ は相似である.また,\r\n$$\\angle SAX=\\angle SAC=\\angle SBD=\\angle SBX$$\r\nであるので,$4$ 点 $A, B, S, X$ は同一円周上にあり,同様に,$4$ 点 $C, D, S, X$ も同一円周上にある.以上より,\r\n$$\\angle SXA=\\angle SBA=\\angle SAB=\\angle SXD$$\r\nであるので,直線 $SX$ は直線 $AC$ と直線 $BD$ の成す角の二等分線である.\\\r\n $SM:SN=AB:CD=7:13$ であることから,一般性を失わず $SM=7, SN=13$ とする.また,$MP:NQ=1:4$ であることから,$MP=x, NQ=4x$ とする.直線 $BS$ と直線 $AC$ の交点を $Y$,直線 $CS$ と直線 $BD$ の交点を $Z$ とおくと,Menelausの定理より以下が成立する.\r\n$$\\frac{PS}{PM}=\\frac{AB\\times SY}{AM\\times BY}=\\frac{ 2SY}{BY},\\quad\r\n\\frac{QS}{QN}=\\frac{CD\\times SZ}{DN\\times CZ}=\\frac{2SZ}{CZ}\r\n$$\r\nここで,直線 $SX$ と直線 $BC$ の交点を $T$ とおくと,角の二等分線の性質より $BT:CT=BX : CX = 11:34$ である.よって,Cevaの定理より\r\n$$\\frac{SP}{PM}\\times \\frac{BX}{XC}\\times \\frac{NQ}{QS}=\\frac{2SY}{YB}\\times \\frac{BT}{TC}\\times \\frac{CZ}{2ZS}=1$$\r\nが成立するので,\r\n$$\\frac{7-x}{x}\\times \\frac{11}{34}\\times \\frac{4x}{13-4x}=1$$\r\nより,$x=\\dfrac{67}{46}$ がわかる.よって,\r\n$$\\begin{aligned}\r\n\\frac{\\triangle PQR}{\\triangle MNR}\r\n&=\\frac{PR\\times QR}{MR\\times NR}\\\\\\\\\r\n&=\\frac{PS\\times NQ}{MP\\times NS}\\times\\frac{QS\\times MP}{NQ\\times MS}\\\\\\\\\r\n&=\\frac{(7-x)(13-4x)}{7\\times 13}\\\\\\\\\r\n&=\\frac{42075}{96278}\r\n\\end{aligned}$$\r\nである.特に,解答すべき値は $\\mathbf{138353}$ である.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc238/editorial/4683" } ]
 凸四角形 $ABCD$ についての二本の対角線の交点を $X$ とし,線分 $AB, CD$ の中点をそれぞれ $M, N$ とします.辺 $AB$ の垂直二等分線と線分 $AC$,辺 $CD$ の垂直二等分線と線分 $BD$ がそれぞれ $P, Q$ で交わっており,以下が成立しました. $$AC=BD,\quad AB:CD=7:13,\quad BX:XC=11:34,\quad MP:NQ=1:4$$ このとき,線分 $MQ$ と線分 $NP$ が交わったので,この交点を $R$ とします.三角形 $PQR$ の面積と三角形 $NMR$ の面積の比は,互いに素な正の整数 $a, b$ を用いて $a:b$ と表されるので $a+b$ の値を解答してください.
OMCB030
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https://onlinemathcontest.com/contests/omcb030/tasks/11737
A
OMCB030(A)
100
353
357
[ { "content": " 任意の正整数 $k$ について,$k^5$ と $k$ の偶奇は一致するため,$k^5-k$ は必ず $2$ の倍数である.また,Fermat の小定理から $k^5-k$ はつねに $5$ の倍数でもある.よって $k^5-k$ は $10$ の倍数であり,$k^5,k$ の下 $1$ 桁は一致するから,$a_n$ の下 $1$ 桁は $n$ の下 $1$ 桁と一致する.よって求めるべき値は次のように計算できる.\r\n$$(1+2+\\dots +8+9+0)×10=\\mathbf{450}$$", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omcb030/editorial/11737" } ]
 数列 $\\{a_n\\}_{n=1,2\cdots}$ を $a_1 = 1$ および $$a\_{n+1}=a_n^5+1 \quad (n = 1, 2, \ldots)$$ で定めます.この数列の第 $1$ 項から第 $100$ 項までの下 $1$ 桁の総和を求めてください.
OMCB030
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https://onlinemathcontest.com/contests/omcb030/tasks/12547
B
OMCB030(B)
100
332
349
[ { "content": " 原点 $(0,0)$ にある点 $P$ に対し,操作 $A$ を $a$ 回,操作 $B$ を $b$ 回行うと,$P$ は $(2a-b,-3a+2b)$ に移動する.よって,連立方程式\r\n\r\n$$\\begin{cases}\r\n1=2a-b\\\\\\\\\r\n1=-3a+2b\r\n\\end{cases}$$\r\n\r\nを解くことで,点 $P$ を $(0,0)$ から $(1,1)$ に移動させるためには $A$ を $3$ 回,$B$ を $5$ 回行えばよいことが分かる.操作 $A,B$ を行う順序は任意であるから,求める場合の数は,$$\\_{3+5}\\mathrm{C}_3=\\bold{56}$$ \r\n通りである.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omcb030/editorial/12547" } ]
 はじめ座標平面上の点 $P$ が $(0, 0)$ にいます.$P$ に対する操作 $A,B$ を以下のように定めます. - 操作 $A$:点 $P$ が $(x,y)$ にいるとき,$P$ を $(x+2,y-3)$ に移動させる. - 操作 $B$:点 $P$ が $(x,y)$ にいるとき,$P$ を $(x-1,y+2)$ に移動させる.  操作を何度か行い,$P$ を $(1,1)$ へ移動させる方法は何通りありますか?
OMCB030
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https://onlinemathcontest.com/contests/omcb030/tasks/4587
C
OMCB030(C)
200
280
322
[ { "content": " $m$ は $\\mathrm{rad}(m)$ の倍数であることから,$\\mathrm{rad}(m)$ は $120$ の約数である.$\\mathrm{rad}(m)$ は同じ素数で高々 $1$ 回しか割り切れないことに注意すると,$\\mathrm{rad}(m)$ の値の候補は $2,3,5,6,10,15,30$ に絞られる.それぞれ $120$ を加えたものを検討すれば,$m=125,135,150$ が適することがわかり,求める総和は $\\mathbf{410}$ である.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omcb030/editorial/4587" } ]
 $2$ 以上の整数 $n$ に対し,$n$ が持つ相異なる素因数の総積を $\mathrm{rad}(n)$ で表します.例えば,$\mathrm{rad}(18)=2\times 3$ です.次の等式を満たす $2$ 以上の整数 $m$ の総和を求めてください. $$m=\mathrm{rad}(m)+120$$
OMCB030
https://onlinemathcontest.com/contests/all?page=1
https://onlinemathcontest.com/contests/omcb030/tasks/12529
D
OMCB030(D)
200
240
258
[ { "content": " 問題の三次方程式の解を $\\alpha,\\beta,\\gamma$ とし,$s=\\dfrac{\\alpha+\\beta+\\gamma}{2}$ とおく.解と係数の関係より $s=\\dfrac{1}{2}\\cdot\\dfrac{2000}{1000}=1$ であり,\r\n\r\n$$(s-\\alpha)(s-\\beta)(s-\\gamma)=\\dfrac{1}{1000}(1000s^3-2000s^2+1300s-273)=\\dfrac{27}{1000}$$\r\n\r\nとなる.求める三角形の面積はヘロンの公式より,\r\n\r\n$$\\sqrt{s(s-\\alpha)(s-\\beta)(s-\\gamma)}=\\sqrt{\\dfrac{27}{1000}}$$\r\n\r\nであるから,解答すべき値は $\\bold{1027}$ である.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omcb030/editorial/12529" } ]
 三次方程式 $$1000x^3-2000x^2+1300x-273=0$$ は $3$ つの正の実数解をもちます.$3$ 辺の長さがこの $3$ つの正の実数に等しい三角形が存在するので,この三角形の面積を求めてください.ただし,答えは互いに素な正の整数 $a,b$ を用いて $\sqrt{\dfrac{a}{b}}$ と表されるので,$a+b$ を解答してください.
OMCB030
https://onlinemathcontest.com/contests/all?page=1
https://onlinemathcontest.com/contests/omcb030/tasks/9540
E
OMCB030(E)
200
107
153
[ { "content": " 三角形 $BDH$ と 三角形 $ADC$ は相似であるから,\r\n$$3:HD=(4+HD):4$$\r\nが従い,$HD=2$ を得る.すると,三平方の定理から $BH=\\sqrt{13}$,$AB=3\\sqrt{5}$である.さらに,三角形 $ABH$ と 三角形 $EDH$ は相似であるから,$DE=3\\sqrt{5}\\times\\displaystyle\\frac{2}{\\sqrt{13}}=\\displaystyle\\frac{6\\sqrt{65}}{13}$ であり,特に解答すべき値は $\\mathbf{84}$ である.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omcb030/editorial/9540" }, { "content": " $H$ が垂心であることから $AD$ と $BC$ が直交しているので,$D$ を原点に一致させるように座標平面に配置したくなります.以下,$DH=2$ を求めた後の解答として読んでください.\r\n\r\n___\r\n\r\n $D(0,0),A(0,6),B(-3,0),C(4,0),H(0,2)$ としてよい.直線 $BD,AC$ の方程式はそれぞれ\r\n$$y=\\frac{2}{3}x+2,\\ \\ \\ \\ y=-\\frac{3}{2}x+6$$\r\nであるから,この交点を考えることで $E(24\\/13,42\\/13)$ が得られ,\r\n$$DE=\\sqrt{\\left( \\frac{24}{13} \\right )^2 + \\left( \\frac{42}{13} \\right )^2} = \\frac{6\\sqrt{65}}{13}$$\r\nより解答すべき値は $\\bf84$ .", "text": "座標で解く", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omcb030/editorial/9540/749" } ]
 $H$ を垂心とする鋭角三角形 $ABC$ があり,直線 $AH$ と線分 $BC$ の交点を $D$,直線 $BH$ と線分 $CA$ の交点を $E$ とすると,以下が成立しました: $$AH=4, \quad BD=3, \quad CD=4.$$ このとき,線分 $DE$ の長さを求めてください.ただし,求める長さは互いに素な正整数 $a,c$ と平方因子をもたない正整数 $b$ を用いて $\displaystyle\frac{a\sqrt{b}}{c}$ と表せるので,$a+b+c$ を解答してください.
OMCB030
https://onlinemathcontest.com/contests/all?page=1
https://onlinemathcontest.com/contests/omcb030/tasks/11863
F
OMCB030(F)
300
58
142
[ { "content": " $2$ 人の秒速の差は無理数なので,端の直線に同時に $2$ 人がいることはないことに気をつけると,$2$ 人が同じ位置になるのは次の $2$ 通りである. \r\n - 端の直線以外で太郎さんが花子さんを同じ方向に向かいながら追い抜くとき \r\n これは一周 $4$ メートルの円周を同じ地点から同じ方向にスタートして太郎さんが追い抜く回数と言い換えられる.$10000$ 秒で太郎さんが花子さんに対して相対的に $10000(\\sqrt{3}-\\sqrt{2})$ メートル進むので,この間に $x$ 回追い抜いたとすると次が成り立つ.\r\n$$4x\\leq 10000(\\sqrt{3}-\\sqrt{2})\\lt 4(x+1)$$\r\nこれを解いて $x=794$ を得る.\r\n - 端の直線以外で太郎さんと花子さんが異なる方向に向かいながらすれ違うとき \r\n これは一周 $4$ メートルの円周を円の中心を挟んで逆側から異なる方向にスタートしてすれ違う回数と言い換えられる.$10000$ 秒で太郎さんが花子さんに対して相対的に $10000(\\sqrt{3}+\\sqrt{2})$ メートル進むので,この間に $y$ 回すれ違ったとすると,はじめに二人が円の中心を挟んで逆側にいたことに注意して,次が成り立つ.\r\n$$4y-2\\leq 10000(\\sqrt{3}+\\sqrt{2})\\lt 4(y+1)-2$$\r\nこれを解いて $y=7866$ を得る.\r\n\r\n以上より,求める回数は $x+y=\\mathbf{8660}$ 回である.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omcb030/editorial/11863" } ]
 花子さんと太郎さんは一緒に体育館で反復横跳びをすることにしました.体育館には $3$ 本の平行な直線が $1$ メートル間隔で引いてあり,$2$ 人はスタート前に中央の直線上の同じ位置にいて,直線に対して垂直な同じ方向に同時にスタートし,端の直線に到着したら $180^\circ$ 折り返して,もう一方の端にある直線に向かうことを繰り返します.花子さんと太郎さんは常に一定速度で移動し,それぞれ秒速 $\sqrt{2}$ メートル,秒速 $\sqrt{3}$ メートルです.同時にスタートして $10000$ 秒経過するまでに $2$ 人が同じ位置にいる回数を答えてください.ただし,スタート時は含まず,体の大きさは考えないものとします.
OMCB030
https://onlinemathcontest.com/contests/all?page=1
https://onlinemathcontest.com/contests/omcb030/tasks/8519
G
OMCB030(G)
300
65
84
[ { "content": " $\\angle{BAM}=\\angle{DAC}$,$\\angle{ABM}=\\angle{ADC}$ により三角形 $ABM$ と三角形 $ADC$ は相似であるから,\r\n$$CM:CD=BM:CD=AM:AC$$\r\nこれと $\\angle{MCD}=\\angle{MAC}$ により三角形 $CMD$ と三角形 $AMC$ は相似になる.ゆえに,\r\n$$ \\angle{ADM}=\\angle{BAD}=\\angle{BCD}$$\r\nであるから,\r\n$$ \\angle{ADC}=\\angle{ADM}+\\angle{MDC}=\\angle{BCD}+\\angle{ACM}=\\angle{ACD} $$\r\nが従い,$AC=AD$,すなわち $AB=AM$ となる.よって,中線定理により $AC=\\textbf{129}$ である.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omcb030/editorial/8519" }, { "content": " $DM$ の位置が浮いているので伸ばしてみたりいろいろ試してみたいです.\r\n___\r\n\r\n 辺 $AC$ の中点を $N$ とする.中点連結定理により $AB \\parallel NM$ であるから,$DM \\parallel AB$ と合わせて,$D,M,N$ は同一直線上にある.さらに, 直線 $DM$ と $\\triangle ABC$ の外接円の交点のうち,$D$ でない方を $E$ とする.\r\n\r\n 問題文の条件,平行線の錯角,円周角の定理により,\r\n$$\\angle ECA=\\angle EDA = \\angle BAD = \\angle CAM$$\r\nが成り立つので,錯角が等しいので \r\n$$AM \\parallel EC \\tag{☆}$$\r\n である.また,$\\triangle AMN \\equiv \\triangle CEN$ ($\\because\\angle ECN = \\angle MAN, \\ \\angle ENC = \\angle MNA,\\ AN=CN$ より一辺両端角相等)であるから,\r\n$$AM=EC \\tag{☆☆}$$\r\nが成り立つので,(☆)(☆☆)より四角形 $AMCE$ は平行四辺形である.これより,$AE \\parallel BC$ である. すると,angle chase 等により四角形 $ABCE$ は等脚台形であることがわかるので,$EC=AB=113$ である.これと(☆☆),中線定理により $AC=\\bf129$ を得る.", "text": "平行四辺形と等脚台形を見つける", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omcb030/editorial/8519/750" }, { "content": " 直線 $AM$ と円 $ABC$ の交点を $E$ とすると,$\\angle BAD=\\angle EAC$ であり,円周角の定理(または正弦定理)より $BD=CE$.\\\r\n 線分 $BC$ の垂直二等分線を $\\ell$ とすると,点 $D$ と点 $E$ は $\\ell$ について対称な位置に存在し,$△MDE$ は二等辺三角形であることや,$BC \\parallel DE$ がわかる.\\\r\n$AB \\parallel DM$ も用いると,$△ ABM \\sim △DME$ であり,$△ABM$ も二等辺三角形であることがわかる.", "text": "AB=AMの別証明", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omcb030/editorial/8519/751" } ]
 $AB \lt AC$ なる鋭角三角形 $ABC$ において,辺 $BC$ の中点を $M$ とします.三角形 $ABC$ の外接円上に $\angle{BAD}=\angle{CAM}$ なる点 $D ~ (\neq A)$ をとったところ,$AB\parallel DM$ が成り立ちました.$AB=113,~ BC=88$ であるとき,辺 $CA$ の長さを求めてください.
OMCB030
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H
OMCB030(H)
400
47
88
[ { "content": " 移り変わるモニターの整数に全て $1$ を足すことを考えると,問題は $N$ を $2N$ または $N+1$ にすることで $1$ を $M+1$ にすることと同じである.それぞれの操作を $A^\\prime ,B^\\prime $ とする.正整数 $N$ に対して $2$ 進数表記での $N$ の桁数を $v(N)$,桁和を $popcount(N)$ と表すと,次が成り立つ.\r\n- 操作 $A^\\prime$ によって $v(N)$ は $1$ 増加し,$popcount(N)$ は不変である.\r\n- 操作 $B^\\prime$ によって $v(N),popcount(N)$ は高々 $1$ 増加し,どちらも増加することはない.\r\n\r\nしたがって操作 $A^\\prime,B^\\prime$ は合計で少なくとも $v(M+1)+popcount(M+1)-2$ 回行われ,実際にこの回数で $1$ を $M+1$ にすることは可能である.以上より次を得る.\r\n$$f(M)=v(M+1)+popcount(M+1)-2$$\r\nここで,\r\n$$\\begin{aligned}\r\n\\sum_{k=2^n-1}^{2^{n+1}-2}f(k)&=\\sum_{k=0}^{2^n-1}f(2^n-1+k)\\\\\\\\\r\n&=\\sum_{k=0}^{2^n-1}(v(2^n+k)+popcount(2^n+k)-2)\\\\\\\\\r\n&=\\sum_{k=0}^{2^n-1}(popcount(k)+n)\\\\\\\\\r\n&=n\\cdot 2^{n-1}+n\\cdot 2^n\\\\\\\\\r\n&=3n\\cdot 2^{n-1}\r\n\\end{aligned}$$\r\nが成り立つので,求めるべき値は次のように求められる.\r\n$$\\begin{aligned}\r\n&\\sum_{n=1}^{10}\\sum_{k=2^n-1}^{2^{n+1}-2}f(k)+f(2047)+f(2048)+f(2049)+f(2050)\\\\\\\\\r\n=&3\\sum_{n=1}^{10}n\\cdot 2^{n-1}+11+12+12+13\\\\\\\\\r\n=&\\bf27699\r\n\\end{aligned}$$", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omcb030/editorial/10590" }, { "content": "**補題**. $f(2N+1)=f(N)+1$\r\n\r\n 補題が成り立たないと仮定すると,$f(2N+1)=f(2N-1)+2$ を経由することになる.このあと $f(N-1)+3$ と変形すると最小性に矛盾する($f(N)+1 \\leq f(N-1)+2$ である).$f(2N+1)=f(2N-3)+4$ などと変形しても同様である.\\\r\n この補題より,$f(2N+2)=f(N)+2$ すなわち $f(2N)=f(N-1)+2$ も直ちに従う.\r\n\r\n---\r\n\r\n $$S_n=f(2^{n-1})+f(2^{n-1}+1)+\\cdots+f(2^n-1)$$\r\nとおくと,\r\n$$\\begin{aligned}\r\nS_{n+1} &= f(2^n)+\\cdots+f(2^{n+1}-1) \\\\\\\\\r\n&= \\\\{f(2^n)+f(2^n+2)+ \\cdots + f(2^{n+1}-2)\\\\}+\\\\{f(2^n+1)+f(2^n+3)+ \\cdots + f(2^{n+1}-1)\\\\}\\\\\\\\\r\n&= \\\\{f(2^{n-1}-1)+f(2^{n-1})+ \\cdots + f(2^n-2)+2 \\cdot 2^{n-1}\\\\}+\\\\{f(2^{n-1})+ \\cdots + f(2^n-1)+2^{n-1}\\\\} \\\\\\\\\r\n&= \\\\{f(2^{n}-1)-1+f(2^{n-1})+ \\cdots + f(2^n-2)+2 \\cdot 2^{n-1}\\\\}+\\\\{f(2^{n-1})+ \\cdots + f(2^n-1)+2^{n-1}\\\\}\\\\\\\\\r\n&= 2S_n+3 \\cdot 2^{n-1}-1\r\n\\end{aligned}$$\r\n\r\n $S_1=1$ を用いて漸化式を解けば $S_n=3(n-1)2^{n-2}+1$ を得る.\\\r\n 求めたい値は $S_1+\\cdots+S_{11}+f(2048)+f(2049)+f(2050)$ であり,あとは計算すればよい.", "text": "別解", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omcb030/editorial/10590/752" } ]
 $1$ つの整数を映すモニターとボタン $A,B$ があります.モニターに整数 $N$ が映されているとき,ボタン $A,B$ を押すことでモニターの整数はそれぞれ $2N+1,N+1$ に変わります.例えばモニターに $3$ が映されているとき,$A,B,A$ の順にボタンを押すことでモニターの数は $3\rightarrow 7\rightarrow 8\rightarrow 17$ と変化します.\  $0$ が映されたモニターに対して,ボタン $A,B$ を合計 $n$ 回押して整数 $M$ が映ったとき,$n$ として考えうる最小値を $f(M)$ とします.次の値を求めてください. $$f(1)+f(2)+\dots+f({2050})$$
OMC237
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A
OMC237(A)
100
307
322
[ { "content": " 右の図には $13$ 個のマスからなるので,L字型のタイルを $4$ つ置くとちょうど一つのマス目にのみL字型のタイルが置かれていないことに気をつけて,次のような場合分けをする.\r\n- 中央のマスにL字型のタイルが置かれないとき,一番上のマスにL字型のタイルを置く方法 $2$ 通りを決めれば残りの L字型のタイルの置き方は一意である.\r\n- 中央のマスにL字型のタイルが置かれるとき,L字型のタイルが置かれないマスは中央のマスと辺も頂点も共有しない端のマスである.一番上のマスにL字型のタイルが置かれないとすると,一番下のマスにL字型のタイルを置く方法 $2$ 通りを決めれば残りのL字型のタイルの置き方は一意である.他 $3$ マスについても同様に $2$ 通りである.\r\n\r\n 以上よりL字型のタイルの置き方は $2+2\\times 4=\\mathbf{10}$ 通りである.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc237/editorial/11909" } ]
 下図左のような,$3$ つのマスをL字型に並べてできたタイルがあります.このタイル $4$ つを下図右の図形にはみ出し・重なりのないように置く方法は何通りありますか?\  ただし,回転や裏返しによって一致する置き方も区別するものとします. ![figure 1](\/images\/4pBww4BPTqJYGSYrRuGAg3JsCFq1AtZ6Bz5Lah21)
OMC237
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https://onlinemathcontest.com/contests/omc237/tasks/11468
B
OMC237(B)
200
138
224
[ { "content": " $F(x)=f(x)-2x-1$ とおくと,$F(1)=F(2)=F(3)=0$ なので,ある整数係数多項式 $g(x)$ であって,\r\n$$\r\nf(x)=g(x)(x-1)(x-2)(x-3)+2x+1\r\n$$\r\nを満たすものがとれる.$f(4)=567$ であるから,$g(4)=93$ である.よって,ある整数係数多項式 $h(x)$ であって,\r\n$$\r\ng(x)=h(x)(x-4)+93\r\n$$\r\nを満たすものがとれる.以上より,\r\n$$\r\nf(10)=504g(10)+21=504(6h(10)+93)+21 = 3024h(10)+46893\r\n$$\r\nとなる.$h(10)$ は整数であり,逆に任意の整数 $n$ に対して,$h(x)=x-10+n$ とすれば,$h(10)=n$ となるため,$f(10)$ は $3024n+46893$ という形の整数の整数のみ取ることができる.$46893 \\equiv 1533 \\pmod{3024}$ なので,この形の正整数で小さい方から $5$ 番目の値は $3024 \\cdot 4 + 1533=\\mathbf{13629}$ である.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc237/editorial/11468" } ]
 整数係数多項式 $f$ が以下を満たします. $$ f(1)=3, ~ f(2)=5, ~ f(3)=7, ~ f(4)=567 $$ $f(10)$ がとる**正整数値**としてありうるもののうち,小さい方から $5$ 番目の値を求めてください.
OMC237
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https://onlinemathcontest.com/contests/omc237/tasks/8454
C
OMC237(C)
300
130
186
[ { "content": " 辺$AB, BC, CD, DA$ の中点を $P, Q, R, S$ とする.中点連結定理より\r\n$$PQ \\parallel AC \\parallel SR,\\quad QR \\parallel BD \\parallel PS$$\r\nが成り立つ.さらに,$AC \\perp BD$ であるから四角形 $PQRS$ は長方形であり,特に $PQ=AC\\/2=BD\\/2=QR$ であるから四角形 $PQRS$ は正方形である.\\\r\n ここで対角線 $AC$ と $BD$ の交点を $M$ とすると,\r\n$$PM = PA = 2, \\quad RM = RD = \\frac52$$\r\nであり,\r\n$$\\angle PMR = \\angle PMQ + \\angle QMR = \\angle PBQ + \\angle QCR = \\angle ABC + \\angle BCD = 120^{\\circ}$$\r\nも成り立つので,余弦定理より次がわかる.\r\n$$PR^2 = PM^2+RM^2 - 2PM \\cdot RM \\cos\\angle PMR = \\frac{61}{4}$$\r\nさて,正方形 $PQRS$ の面積は $PR^2\\/2$ であり,四角形$ABCD$の面積は正方形 $PQRS$ の面積の $2$ 倍であるから,求める面積は $PR^2$ に等しく,特に解答すべき値は $\\bf65$ である.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc237/editorial/8454" }, { "content": " 対角線の交点を $O$ とし,$\\angle OBA=\\theta$ とおく.このとき $\\angle OCD=30^{\\circ}-\\theta$ であり,$OA+OC=OB+OD$ より\r\n $$4 \\sin \\theta+5 \\cos (30^{\\circ}-\\theta)=4 \\cos \\theta+5 \\sin (30^{\\circ}-\\theta)$$\r\n 加法定理を使ってから整理すると,\r\n$$\\tan \\theta =\\dfrac{13-5 \\sqrt{3}}{13+5 \\sqrt{3}}$$\r\nを得る.従って,一つの鋭角が $\\theta$ であるような直角三角形の三辺の長さの比は $(13+5 \\sqrt{3}) : (13-5 \\sqrt{3}) : 2 \\sqrt{122}$ であることがわかり,\r\n$$\\sin \\theta =\\dfrac{13-5 \\sqrt{13}}{2 \\sqrt{122}}, \\cos \\theta =\\dfrac{13+5 \\sqrt{13}}{2 \\sqrt{122}}$$\r\nである.これを用いて $AC=BD$ を計算すると $\\dfrac{\\sqrt{122}}{2}$ となり,四角形の面積は,$\\dfrac{1}{2}×\\left( \\dfrac{\\sqrt{122}}{2} \\right)^2=\\dfrac{61}{4}$", "text": "三角比", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc237/editorial/8454/743" }, { "content": " 求めるべき面積は $\\dfrac{1}{2} × AC×BD$ であり,$AC=BD$ が求まればよい.\\\r\n ここで,$\\overrightarrow{AC}=\\overrightarrow{BE}$ を満たすような補助点 $E$ を取ろう.$△ BDE$ は直角二等辺三角形なので,$DE$ の長さを求めたい.\\\r\n 一方 $\\triangle CDE$ について,$CD=5$,$CE=AB=4$,$\\angle ECD=120^ \\{\\circ}$ より,余弦定理を用いれば $DE=\\sqrt{61}$ である.\\\r\n あとは適当に計算すれば四角形の面積も求まる.", "text": "別解", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc237/editorial/8454/744" }, { "content": " ($AC,BD$ は長さが等しくかつ直交している.そこで,$AC$ を $BD$ に移すときの回転の中心を考えよう.具体的には… ) \r\n\r\n $AB,CD$ の垂直二等分線の交点を $P$ とする.三辺相等より,$\\triangle{PAC}\\equiv\\triangle{PBD}$ であり,$AC\\perp BD$ より,$\\triangle{PBD}$ は $\\triangle{PAC}$ を $P$ を中心に $90^{\\circ}$ 回転したものなので,$\\angle{APB}=\\angle{CPD}=90^{\\circ}$ となり,$\\triangle{PAB},\\triangle{PCD}$ は直角二等辺三角形となる. \r\n よって,$\\angle{B}+\\angle{C}=120^{\\circ}$ より,角を追うと,$\\angle{BPC}=150^{\\circ},\\angle{APD}=30^{\\ciirc}$ となるので,求める面積は $$\\triangle{PAB}+\\triangle{PBC}+\\triangle{PCD}+\\triangle{PDA}=4+\\dfrac{5}{2}+\\dfrac{25}{4}+\\dfrac{5}{2}=\\dfrac{61}{4}$$", "text": "回転の中心を考える", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc237/editorial/8454/758" } ]
 凸四角形 $ABCD$ の二本の対角線は長さが等しく,垂直に交わります. $$AB=4, \quad CD=5, \quad \angle B + \angle C = 120^{\circ}$$ をみたすとき,四角形 $ABCD$ の面積は互いに素な正の整数 $a,b$ を用いて $\dfrac ab$ と表せます.$a+b$ を解答してください.
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