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audioduration (s) 0.48
32.2
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99
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まあ、大丈夫だと思うよ |
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それは、おいおいしようかな、って思ってる。混乱させても悪いしね |
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時間はたっぷりあるんだから、ひとつずつこなしていくよ |
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んー、「やっぱりね、そうなると思った」くらいかな? |
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あはは、うそうそ。さすがに、それは言ってなかったなぁ |
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わたしもらぴすちゃんが一緒だと嬉しいんだけどねぇ |
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思うよ。思うけど、やっぱりらぴすちゃんには、らぴすちゃんなりの、頼斗くんへの距離感ってのがあるみたい |
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ふむ、通じ合ってる。そういう意味では二人は相思相愛よね |
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わかってるけどー、でも、ないものねだりしたくなるのが乙女心ってやつなの。ね?リシアちゃん |
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うん、わかった! |
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どゆこと? |
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でもでも、これから先、三人でずっと一緒にすごすつもりなんだよね? |
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だったら、何十年のうちのたった二ヶ月のアドバンテージ、なんて誤差の内じゃない? |
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じゃあさ、じゃあさ、わたしのお願い聞いてくれない? |
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今はさ、頼斗くんを中心にして歩いてるでしょ? |
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頼斗くん、立ち位置変わって?わたしが両手に花の状態になりたい |
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ほらほら、リシアちゃんもわたしと腕を組んで |
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ほら、両手に花ー! |
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いいんだよ。わたしはこの方が嬉しいの。もちろん、頼斗くんと二人っきりの時間も欲しいし、リシアちゃんと二人っきりの時間も欲しいけど、今はこうしてたいの |
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何しろ、七年も閉じ込められていたわたしを、解放してくれた人たちだもんね |
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あは、バレた?でもね、記憶が戻って、元の世界に帰ってきたとき、なんか急に、七年分の孤独感?七年間ずっとひとりぼっちだったような、そんな感覚が一気にやってきて、わたしを包んだんだよね |
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うん。他の人もそうだったのかはわからない。わたしだけなのかな?浦島太郎みたいな感覚って言えばいいのかな?それはわかんないけど |
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一応、魔界の専門家の人?には、伝えてみたけど、うまく伝わらなかったかも |
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だからね、家族といられることもそうなんだけど、二人と一緒にいられるってことが、本当に、本当に嬉しいんだよ |
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それに、二人は記憶喪失だった間のわたしに優しくしてくれたし、他の世界ではあーんなことやこーんなことまで体験させてくれたでしょ?恩人なんだよ、二人は |
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まだ、こっちの世界では体験してないから、また今度、ゆっくり体験させてよね |
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あはは、リシアちゃんの方がそっち方面は先輩なのに、顔を赤くしちゃって、可愛い |
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こちらこそ、ウブなネンネだけど、よろしくね |
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あは。まだ、リシアちゃん、日本語の語彙が足りないみたいだね |
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おっけー。じゃあ、なるべく今の人が使わないような日本語、使うようにするね。ナウなヤングがあっと驚くタメゴロー、みたいな |
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一応、タイムリーパー…だっけ?として、過去から来た人間風のキャラ付けをしようかと思ったんだけど |
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あはは、七年前の流行語とか、実はそんなに詳しくないんだよねー |
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うん、わたしもリシアちゃん大好き |
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あ、もちろん頼斗くんのこともね |
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おはよー、麻梨ちゃん |
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そんなことないと思うな。誰でも仲間に入れると思うよ?ね、リシアちゃん |
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優しいね |
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あはは、ありがと。でも、大丈夫。クラスの皆、優しいから |
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わからないこと?例えばどんな? |
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そうなんだー。すごいね、ありがとう |
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あ!ちょっと待ってて |
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頼斗くん。その…ありがとね |
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正直、母校とはいえ七年後の学校に復学するって聞いた時は、不安でちょっと怖かったんだ。でも、頼斗くんや皆がいてくれるから、わたし、毎日が楽しいの |
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出会ってくれて、ありがとね |
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でね、実は…まだ頼斗くんに見せてないものがあったんだ |
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ううん。ウォーターサファイアの原石なんだって |
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飛行機内の様子を見に行く時に、キンセーさんがお守りって言ってくれたの、忘れてた。ホントは息子さんが大きくなったらあげるって約束してたんだって |
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この石ね、実は魔法が込められていて、持ってる人を正しい方向に導いてくれる効果があるんだってキンセーさん言ってたの。ひょっとしたら、この石があったから、わたし、外の世界に出られたのかも |
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記憶が朧気なんだけど、一人で様子を見に行った時に、この石に帰りたいって願ったら、外へと続く扉が出現したような |
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わたし、記憶を取り戻した後も、この石を持ってるってこと、すっかり忘れてて。頼斗くんに返した方がいいよね?これ、元々は頼斗くんの手に渡るはずのモノだったんだし |
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そっか。ありがと |
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これからも、リシアちゃんともどもよろしくね |
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あはは、これが頼斗くんの懐の深さってヤツだと思うよ |
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でもでも、リシアちゃんが正室でいてくれるから、皆一緒に結婚できたんだよ?そういう意味ではリシアちゃんが正室で良かったって思わないと |
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らぴすちゃん、自信を持って |
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まさか、あの日の出会いがこんなところに繋がるなんて最初は予想してなかったけど、今にして思えばすべてが必然だったのかなって思うんだ。らぴすちゃん共々、よろしくお願いします |
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もー、心配したんだよー? |
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やっほー、お待たせ! |
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んー、お姉ちゃん、年下の子はあんまり |
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えへへー、なんかすっごく久しぶりな気がするー |
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あれ?セレナちゃんはいないの? |
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あー、そのへんはわたしも同じかなぁ?気が付いたら、普通にお仕事して一人暮らししてたんだよね |
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えー?お姉ちゃんのこと、思い出してくれなかったの?それは淋しいなぁ、しくしく |
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あー、そうかも。わたしにとって、一人暮らししてるのは当たり前のことだったから。飛行機の記憶もすっかり忘れて、フツーに働いてたんだ。フツーに |
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いいなー。わたしもいつか着てみたいな。あー、でもわたしは白無垢の方がいいかなー? |
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了解でーす |
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そうだね、のんびりしてたら、消えちゃうかもしれないし |
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ハイテクだねー |
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くん、頼斗くん |
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よかった、繋がった |
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頼斗くんのこと、ずっと呼んでたんだよ。でも、なかなかチャンネルが合わなくて |
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当たり前だよ。キミは相生頼斗くん。そしてわたしは |
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良かった、思い出してくれて。らぴすちゃんにも呼び掛けてみたんだけど、全然、届かないみたいで |
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今、この世界のわたしの身体は人間界に存在してないみたいなの。人間界でも神界でも魔界でもない…隙間みたいな場所だって、この世界のプリムラさんが言ってた |
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それがよくわからないの。プリムラさんの話では、不確定な、確率的な存在として次元の狭間を漂っている状態みたいで |
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そういうわけじゃないみたい。何かを媒介に、意識をこうやって飛ばしてくれているみたい |
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皆は元気? |
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らぴすちゃんも? |
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そっか。リシアちゃん、素直なんだね |
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うん、わかるよ。今は心で繋がってる状態だと思うから、頼斗くんの戸惑いが何となくわかる気がする |
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まあ、だからと言って、今の状態じゃ、何をしてあげられるわけでもないんだけどね |
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多分、なんだけどね |
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多分、リシアちゃんの記憶を取り戻すことができたなら、皆、元の場所に帰ることができるんじゃないかって思うんだよね |
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うーん、勘…みたいなもの、なのかなぁ? |
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あ、ううん。女の勘じゃないよ。もっとこう…何だろう?言葉で言い表せないんだけど、直感っていうよりは確信に近いっていうか |
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そうそう、言語化。難しい言葉を使うね |
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じゃあ、頑張ってね。見守ってるから |
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じゃあ、普通の夢に戻って。おやすみなさい |
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待っててね! |
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わたしだよ、頼斗くん。藍だよ |
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この子の身体を通して、頼斗くんに言葉が伝えられるようになったみたいなんだ |
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わたしも応援してるよ! |
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にゃにゃにゃーん、行ってらっしゃーい。頼斗くん、あとでねー! |
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やっほー、頼斗くん! |
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リシアちゃんの家でじっとしてるのも何だから、出て来ちゃった |
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どう?リシアちゃんの記憶は取り戻せそう? |
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そっか。頑張ってね |
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あはは、まさか。違うよー。白玉ちゃんにお願いして動いてもらってるだけ。わたしは、白玉ちゃんの見聞きしたことを感じてるだけで、行きたい場所へはその都度、お願いしてるの |
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ううん。楽しいよ |
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それじゃあ、ちょっと学内を探検してくるね。昼休みに屋上で落ち合いましょう。皆にもそう伝えておいてもらえると嬉しいにゃん |